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吉田真悟
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No.189 『101%のプライド』 村田 諒太著 (2018/04/10 幻冬舎文庫) ※2012/12月に出版された物に最終章と解説を加筆 2018/04/22 この本は生物です。早く読まれる事をお勧めします。 1章から6章がロンドンオリンピックで金メダルを取った当時に書かれた部分。6章と解説が今回追加になった部分です。 どうやって今の村田諒太が出来きあがったのか興味がありました。男三人兄弟の末っ子で父は福祉関係の公務員、母は小学校の教師という家庭で育つが、小学6年の時に両親が離婚。(しばらくは皆一緒に暮らしたらしい)中学でグレてボクシングと出会う。大阪のプロのボクシングジムに通いその縁故で京都南高校ボクシング部に入り恩師、武元前川先生と出会う。この人が彼のボクシングに対する姿勢の大半を教えてくれたらしい。輝かしい戦績を残して東洋大学に進学。外国選手との体力差の壁にぶち当たり、色々な人に助けられて克服し金メダルにたどり着いた。ここまでに何度も挫折しボクシングから逃亡している。 彼は自分が心技体の心が一番弱い事を自覚し合理的な練習と理論的アプローチによりボクシングに真摯に向き合って来た。全てに裏表がなく周りの人やボクシングそのものに感謝を忘れていない。嫌いになる人が居るとは思えないが、関西人特有の明るさで悲壮感もなく逆に誤解を受けるかも知れない。 現役のボクサーが(しかも金メダルとベルトを巻いて)自分を冷静に客観的に評価し、こんな知的な本を出せるなんてと、軽く衝撃と妬みとやっかみを覚えました。父親譲りの読書量の多さの賜物だと思うが。まあ、奥様の尻に敷かれてる所は褒めます。 この後、文集に書いている通り、ラスベガスでタイトルマッチ?も夢ではなさそうである。とにかく、日本人最重量チャンピオンとして、存在感を示して欲しい。 さらに、元WBAスーパーフライ級チャンピオン飯田覚士の最新解説だけでも読む価値はあると思う。5月に決まっていたが諸事情で流れてしまった、ゴロフキンとカネロとの再戦予想と、その後に戦うであろう二人と村田との予想まで書いてある。大変興味深い。これが本当ならエンダム戦頃からやっと動体視力改善に取り組み実を結び始めていると。カネロよりはゴロフキンの方が相性は良いと書いてある。飯田が実践していたパンチを繰り出してからの精度補正が出来れば勝機は有ると。 ゴロフキンかカネロと東京ドームでの激突がここ一二年で開催されるなら、飯田の言う通りになるなら、物凄い事になるが。しばらくは村田の動向に注目である。

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