ログイン
詳細
吉田真悟

<02/06 Mr.サンデーにて見城先生のコメントを無知の恥が起こした> かっこいいんですよ。 とにかく僕は今まで生きてきて、あんなに正直で率直ですてきで魅力的な人っていうのはいないんですよ。 最後にお会いしたのは12月9日にこの2冊(短編集、幻冬舎出版)を届けた時です、だからもう頭から離れません。この2冊を抱きかかえて、なでながらボロボロと泣いていました。 抱きしめるように泣いていました。 高校時代からずっと石原慎太郎さんの短編小説を読んできたので、大好きだったので、なんか自分がもうやり場のない学校に対する怒りとか親とか社会に対する苛立ちみたいなものを全部石原慎太郎さんの小説で解消していくみたいな、そういう時代があったもんですから、編集者になったら石原慎太郎さんと仕事をするというふうに決めていたんです。 『太陽の季節』の最初の3行というのは、彼のそれからの人生を象徴していると思うんですね。クラッシュすることの、そしてそのクラッシュを克服するその快感。それがやっぱり彼の中に衝動としていつもあった。 小説が生まれる瞬間っていうのは、個人的現実と社会的現実がクラッシュする時だと。だから共同体の規律や倫理や道徳や法律や慣習やルールっていうのがあるわけじゃないですか?でも個体というのは、そこにそぐわないものがいっぱいあるわけじゃないですか?だから想像力で自己救済のために書く。そういうふうに小説を書いてきた。 自分を慰撫するために書いてきた小説。有り余る想像力で小説を書いてきたわけですよ。だけどそれだけでは彼の肉体と想像力は余りあって。 観念ではなく、直接自分は現実を改修したい。 リペアをしたいという思いがあって、政治の世界に入っていくわけです。だから小説だってそう書かずにはもう進めない。 生きていけないものを書く。 だからやることも政治的な決断っていうのも、自分がこれはやらざるを得ないというか、もうやらずには政治家として自分は失格だと思うことを決断していっているわけですよね。 豊洲移転だってそうですよ。歴代の知事たちがリスクを恐れて怖くてできなかったことを決断しなければ政治じゃないと思うわけですよ。 東京オリンピック招致だって、それから東京マラソンだって… 見栄がないんですよ。 石原慎太郎って見栄が一つもない人。 全く偉そうじゃない。 だから全ての人とイーブンです、彼は。 だから怒る時は怒るんです。 でもそれは誰に対しても同じなんです。 ゴルフに行く時に事故が起きていて、まだ警察が来てない時に、 「なんだ事故かよ 渋滞しててまずいな…」って 僕と乗っている車を降りるんですよ。 交通整理始めるんですよ。 「はい 行って行って! ストップストップ! そっちにどうぞどうぞ」って 最初何が何だか分からないでしょ。 みんなそのうち”都知事だ”って気がつくわけですよ。 ”あれ都知事が交通整理やっているよ” そういう人なんで、もうそこらへんの通行人もタクシーの運転手さんも 総理大臣も偉い医者も全く全部同じなんですよ。 あの人は常にみんなと同等の人なんですよ。 率直に怒る。率直に笑う。 率直に好きになれば仲良くなる。そういう人ですよね。 憧れの人です。 高校時代からずっと憧れ、全く自分の憧れた石原さんが期待を裏切ることなく、ずっと憧れた像のままでした。 よくあるじゃないですか、会ってみたら全然違ったとか、付き合っていくうちにちょっと違和感があったとかって。 そんなの全くないです。 「高校時代から憧れ続けた石原慎太郎が89歳までいたってことです。」 もう病気がどんどん進行していく中でも、「あれも書きたい これも書きたい」とどんどん原稿が来るんですよ。 常にあの人は書きたい衝動。 書かずにはもう自分は生きていけない。

前へ次へ
千冊回峰行中!
トーク情報
  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
    吉田真悟
    投稿画像

    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう