三上雅博三上雅博9時間前小学校の高学年くらいだったかな。父が実の姉に飛ばれた。人を疑う事を知らない父は姉の嘘に快く印鑑をついた。そして借金を背負う事になった。落ち込んでいたがなんとか返していく算段をつけ、前向きに考えていた矢先、数件の金貸しから合計数百万もの督促状が届く。父が職場から帰ってきて母から封筒を渡されそれを目にし、膝から崩れ落ち絶望で号泣していた。母は大丈夫、大丈夫、と父を抱きしめていた。弟が僕に小声で「お父さん泣いてるよ?」って言った時の不安そうな顔が頭から離れない。僕は「大丈夫。見るな。」とだけ言って弟を布団へ連れて行った。その後父は自己破産した。子供の僕にそれは、絶望的な言葉に感じた。164