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乃木坂一期生と橋本奈々未と乃木坂46応援トーク⊿乃木坂株式会社
トーク情報
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    #1564『伊藤純奈論 cry for the moon』

    伊藤純奈、22歳。
    8年間在籍した乃木坂46からの卒業を発表。
    そんな彼女の「あの日の決断」とは....

    アイドル好きの兄の影響で、共に乃木坂を応援していた少女に転機が訪れたのは中学2年生の時であった。ある日「乃木坂46第2期生オーディション」がある事を告げられ、オーディション締め切りの前日にそんな話があったなと思い出し「受けなきゃ!」と急いで履歴書を送った。そして見事合格。まるで運命の様なスタートであった。当初、人見知りが多い2期生の中で仲良くなったのは堀未央奈・北野日奈子であった。そんな2人が瞬く間に選抜入りを果たす中、当の伊藤純奈は研究生のままであった。だが彼女は自分の事より、先輩だらけの選抜の中でもがき悩む2人を心配をしていた。当時、堀未央奈がセンターに抜擢された時、泣きながら電話して来た事もあった。続いて北野日奈子が初めて選抜に選ばれた際も夜な夜な相談に乗っていた。彼女の中でそんな2人にライバル心は無く支えたいと思うようになっていた。さらに、研究生であってもそこから1人で上がって行こうとは考えず、この研究生の結束を高めようと考える性格で。そんな伊藤純奈は「元々、人と競うのは向いてない」と語る。

    乃木坂46加入当初、どこかアイドルらしく可愛くしてなきゃ行けないと無理をしていた。そして自分を偽っても結果は出ないまま更に悩む様になった。本当はもっと自分らしく居たいのに。そんなアイドル活動の中での生き甲斐が「アンダーライブ 」であった。そこではいつでも熱くなれるし、何よりステージに懸けるメンバー達の意気込みは高く、そこではメンバーの序列もなく、彼女が描いていた「みんなで高め合えるみんなが主役の空間」そのものであった。千秋楽、達成感のあまりステージ上で号泣した事もあった。

    だけど、選抜メンバーがTVや雑誌で活躍する姿を決してスルー出来た訳ではなかった。やっぱり憧れがあったのが本音だ。そんな中でも、彼女の中で一番の憧れの存在が、橋本奈々未であった。好き過ぎて加入当初はまともに話せた事もないぐらい。「そのままの私でありたい」と願う伊藤純奈にとって、ショートカットの彼女の存在は「自分らしさを貫いている」象徴であった。そんな憧れの存在を遠くから見て研究してみたが、到底真似できる事でもない。だからあくまでもその想いは自分の中にだけしまって置く事にした。

    そして時は流れ、研究生から昇格し正規メンバーになったものの、伊藤純奈はアンダーメンバーのままであった。そして何よりその頃の彼女は「何の取り柄があるんだろう」そう悩む様になっていた。そんな中、全国ツアーのリハーサルのある日、たまたま橋本奈々未と話すタイミングが訪れた。いきなりこんな質問をぶつけては申し訳ないと思いつつ、こんな機会はそう訪れないと覚悟を決め、自分の悩みを初めて口に出した。

    「私には何のキャラもなく取り柄もないんですが、橋本さんはどうやって自分のキャラクターを見付けたのですか?」

    何を言ったか覚えてないぐらいの緊張ではあったが、目の前の先輩は優しく応えた。

    「キャラクターなんて私にもないよ笑」

    その回答には驚いたが、それは決してその場しのぎの軽い答えには聞こえなかった。

    「自分がどうなりたいのか?と実際出来る事は違うと思う。だったら、今出来る事から始めてみるのが良いと思う。私もそうだから」

    伊藤純奈の中で、目の前の道が開けた瞬間だった。確かに自分も選抜メンバーに入ってTVの音楽番組で踊ってみたい。そんな夢があるのは本音だ。だけど、今私に出来る事は、今私が心からやってみたい事は、舞台だ。大好きなお芝居だ。実際、彼女の舞台での演技は関係者やファンの間では評判になっていた。だが、そこでの評価が必ずしも選抜入りに結び付く物ではないという事実も彼女は自ずと分かっていた。だけど、何の取り柄もない私だけど、舞台が好きというその気持ちだけは誰よりも強い。だったら、その道を極めてみよう。そう決意した。

    もしかしたら、その瞬間から、伊藤純奈の中で「選抜」という二文字は潔く遠い存在になってしまったのかもしれない。そして今日に至るまで、一度も選抜入りを果たす事はなかった。でも、私は知っている。舞台上で眩ゆい輝きを放っている、役者・伊藤純奈の存在を。その立ち姿、その歌声、そしてその演技力に何度も魅了されて来た。だから私は悔しいとは思わない。彼女のあの日の選択が間違っていたとも思わない。

    だって、伊藤純奈はこれからの演劇界を担う存在になれると、確信しているのだから。

    そんな彼女の8年間の健闘を称え、今心から言える。

    伊藤純奈、卒業おめでとう。その道を信じて。

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