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モウリス@ニコ生NEX ZERO

『志村けんのだいじょうぶだぁ』のコントに異色な一編がある。ある夫婦の半生を描いたコント(?)で、亭主関白な夫が妻にさんざん苦労迷惑をかける場面が、セリフ無しに全編BGMだけで続いていく。場面ごとに何年かが経過していき、やがて妻は死ぬ。死んだ妻をおぶって、夫は海に向かって歩いていく。何の説明もなくそこで終わり、そのままCMになる。 村上賢司さんのツイートによると、イメージフォーラム(実験映画の上映で知られる映画館・映像作家養成所)にも現われていたという。映画をビデオでコマ送りでチェックしていたという本人の発言を見たこともある。おそらく志村けんは、既存のコント以上のコントを常に模索していたんだと思う。アメリカなどとは違い、日本ではコメディアンの地位は低く見られがちだが、変に権威付けるのも違うと言えば違う。 ザ・ドリフターズは荒井注からの伝統でハゲを隠さない。政治的な発言やコメンテーター的なことは一切やらない。笑われることで大衆に活力を沸き起こす、フィクションの人に徹した人生。例え新型コロナが原因でなくとも、大きな喪失であることに変わりはない。

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