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ちゅーそん
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五木寛之「大河の一滴」を読みました。ここにまた一人、戦争で死にきれなかった方がいるのだと。 慈悲に溢れた語りは、五木さんに許してもらったかのように自分の肩の荷がおりた感覚になりました。生きている、ただそれだけで素晴らしい訳で、タモリさんの仰る「幸」を思い出しました。 かつて手に手枷をはめる刑罰があり、それが転じて「幸」という感じになった。なぜそれが「幸せ」なのかといえば、本当は死刑になるところを命を落とさずに済んだからという。だから、「幸せ」というのは前の上を見るんじゃなくて、後ろの下を見ること。望む者ではなくて感じるもの。つまり、「幸せ」とは、今ここにない「理想」の状態を追い求めることではなく、今ここにある現状に満足することである、と。 私にとっての命とはいつも我田引水で自己中心的でありまして、私の命が終われば全てが無になると考えていたものでした。「大河の一滴」、私は全体の一部なんだ。その一部である私が役割を終えるだけなのだと、自分と命に距離ができたように思えます。 見城徹さんの本に出会ってに救われ、またここに五木寛之さんの本に出会って救われました。 巨人の肩に乗ってまた一歩踏み出します。

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