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吉田真悟
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No.584 『2週間で小説を書く!』  清水良典 著 (2006/11/30幻冬舎新書、GSNo.008) 2022/01/20(1/5読了) 小説を読んでいる時、私はジェットコースターに乗っている気分になる。上げては落とされ、曲げられ戻される。時に目隠しをされて死ぬほどの恐怖も味わう。スタート地点に戻った時には、身体がふわふわと何センチか浮き上がり、足元がおぼつかない。通ってきたコースを見上げて驚くが、一歩、一歩と歩くうちに興奮が覚めてきてまた乗りたくなる、あるいはもう嫌だとなる。 費やした時間と処理できないドロドロした感情とを下衆に相殺しても数日は引きずられるのがしょっちゅうである。その高低差やスピード感、ふり幅が評価値であったりもした。 しかし、この本を読んだ後は、全く違う視点で味わおうと思っている。 つまり、ストーリィ展開や結末との落差より、何気ない日常や登場人物の心理描写、作家特有の文章スタイルこそが小説の醍醐味なのだと諭されたからである。 この本は小説家になるためのハウトゥー本でありながら、どんな小説がおもしろいのかを分かりやすく解説している。この通り実践したなら、もしかしたら賞が取れるかもしれないな。 作家志望者は是非読んでみて。 問題は書き続けて、生業とできるか?そこからが本当の才能なのでしょうけど。 テクニック論より、中上健次氏の『枯木灘』を引用して解説しているところが一番痺れたな。

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  • 吉田真悟
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    No.603
    『80歳の壁』
     和田秀樹著
    (2022/ 04/06幻冬舎新書)GSNo.650

    2022/04/16
    売れているらしいので急いで読んでみた。

    思いがけない視点で老いを見ている。一理あるなぁと感心しきりです。

    気になったところをメモに残す。

    ・イライラしたら深呼吸
    ・記憶力は使わないから落ちる
    ・クスリはリスク
    ・血圧、血糖、コレステロール値は下げなくて良い(免疫力が大事)
    ・朝令暮改でいこう
    ・嫌いな人とは付き合うな
    ・見栄をはらない
    ・1日30分の散歩
    ・おむつを恥じるな
    ・ちょいデブが長生き😅

    65歳の壁にぶち当たっている俺が
    80歳の壁を越えられるのか?

    ケ・セラ・セラ😆レット・イット・ビー

  • 吉田真悟
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    No.604
    『今朝の雪 みをつくし料理帖』
    高田郁(かおる)著
    (2010/09/18 角川春樹事務所 時代小説文庫)
    ※シリーズ第四弾

    2022/04/21
    シリーズを纏めて読んだ時、手に入らず読み飛ばした3冊のうちの1冊(第四作目)である。

    毎回、ほろりとさせられる落語の人情噺のような作品であり、過酷な運命に翻弄されながらも懸命に生きる人達に優しく、安心して読める数少ない時代小説である。

    とにかく、魅力的な料理が多く出てくる。
    巡る季節と江戸の情緒と美しい料理が相まって、独特の世界観を醸し出す。腹が減ってしょうがないが。

    幼馴染みのあさひ太夫の身請けに大金四千両が必要だと知る澪は、料理に打ち込み精進を続けていて、いろいろな出来事が務めているつるやの周りに起こる。
    伊佐三、おりょう、太一親子の子を思う夫婦の話で泣けて、登竜楼との料理番付勝負ではらはらとさせ「寒鰆の昆布締め」にたどりつくあたり、さすがと唸ってしまう。やはり、小松原の母親の登場やその澪の恋心の行方が結果は知っているが気になるよ。

    高田郁はやはり天才だと思うな。面白いしためになる。

  • 吉田真悟
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    No.605
    『心星ひとつ みをつくし料理帖』
    高田郁(かおる)著
    (2011/08/18 角川春樹事務所 時代小説文庫)
    ※シリーズ第6弾

    2022/04/25(4/22読了)
    多分、読み飛ばしたこれと、次の7冊目が全体としての山場の様だ。
    起承転結の転。

    澪と小松原が小松原の妹、早帆や母親のおかげで、急接近し婚約間近までこぎつける。自分の幸せと幼馴染みの花魁を身請けするという大それた野望との間で悩みに悩む。
    そして、最終的には料理の道のなかに自らの「心星」を見つけて、小松原と別れようと苦しむところで終る。

    春夏秋冬にそれぞれに魅力的な料理が多く出てくるのはいつものこと、
    江戸時代後期(文化 1810年ころ)の歴史や文化、吉原のしきたりや、
    花魁の生態まで、こよみ(旧暦)に関する知識に少し戸惑うが、
    大変勉強になる。

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    No.606
    『夏天の虹 みをつくし料理帖』
    高田郁(かおる)著
    (2012/03/18 角川春樹事務所 時代小説文庫)
    ※シリーズ第7弾

    2022/04/25(4/22読了)
    シリーズ7冊目。
    何の原因か分からないが澪の嗅覚が利かなくなり、またまたつるやの面々に試練がやってくる。
    自ら、吉原で泥をすすって生きてきたと話す又次がつる家の面々に頼りにされ、明るく笑うようになったのに...。あさひ太夫との関係がは今一つ分からないが、澪を支えてくれる頼りになる存在だっただけに,,,。

    お手伝いの婆さんの「りう」さんが一番常識があり、困ったときには
    皆を良い方向の導く存在でありほっとする。こうありたいものである。

    物語のラストが思い出せない。
    もう一度この後をさらっと読み直した。やはり面白い。

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    No.607
    『奇跡のリンゴ』
    石川拓治著
    (2011/04/15 幻冬舎文庫)

    2022/04/27(4/26読了)
    先生の出演された「アナザースカイ、ハワイ編」の最後に紹介された、雪深い青森のリンゴ農家に遭いにいったのが、この木村秋則さんなのだ。

    「世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した日本の農家。」とWikipediaにある。
    こう書くと聞こえは良いが、婿入りした20代から約10年もの間、
    家族7人(娘3人)を路頭に迷わせ、周りの人達との軋轢の中、無収入にも拘らずリンゴの木と向かい合った。現に、6年目にはとうとう追い詰められて自殺を考え、岩木山に分け入った夜、自然に自生する椎の木の佇まいを見てやっと目が覚める。自然にあるがままにしっかりと根を張る逞しいリンゴの木に育てるべく、そこからさらに3年を経て、「奇跡のリンゴ」が陽の目をみる事になる。結果が全てだと思う。決して真似してはいけない人だ。

    とても好奇心旺盛で、気になるものに片っ端からのめりこみ、頑なに、その意思を貫く「カマドケシ」(※津軽でいうところの放蕩者)。宇宙人に遭ったと公言したり、歯が無くて風貌が畑ムツゴロウさんに似た、変人中の変人である。会ったらとりこまれそうな笑顔である。

    その劇的な生き方は羨ましくもあり、身内にいてほしくない人物でもある。しかし、いつかこの人の農園のリンゴや野菜などを食べてみたい。

    著者の石川拓治さんの本は初めて読んだが感情的でありながら、とても読みやすかった。

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    No.608
    『20歳のソウル』
     中井由梨子著
    (2021/05/25 幻冬舎文庫)

    2022/04/29(4/27読了)
    原作を読むのは2度目、昨日の映画完成披露試写会で作品を観た後に今、これを書いている。

    人の縁の不思議なつながりを感じ、生と死について考えさせられた。
    一人の才能あふれる若者の死によって、夥しい数の人間がまた出会う不思議さ、死はありふれていても共感できず、生は目の前にあるにも関わらず実感できなかった。しかし、映画や本を読んでいる間だけは浅野大義君に憑依して、彼の苦悩を無念を諦めと共に生き、彼の作った若さと期待が込められたメロディーが感情を際立たせてくれた。「市船soul」も「Jasmine」もとても良い曲である。秋山監督や中井さんがいなければ、本や映画にならなかっただろう。755をやっていなければ本を読んだり映画を観させて頂くこともなかった。感動も涙も出なかっただろう。

    「なぜ俺なんだ、なぜ俺だけが苦しめられなけらばならない。今言ってくれ、明日生きてるかどうかも分からないから...」と大義君が叫ぶ。
    世界で一番不幸だと思っている、そこの貴方!
    是非、読んで観て彼の剥き出しの人生に接して欲しい。掛け替えのない仲間達とたった二十年の人生を生き切った彼を羨やんで欲しい。若さとは未熟という期待であり、嫉妬してしまう絶対的な美を伴う。そしてそれは絶対完結しない。だから美しい。

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    No.609
    『マイクロスパイ・アンサンブル』
     伊坂幸太郎 著
    (2022/04/25 幻冬舎)

    2022/04/30
    伊坂幸太氏の新刊。
    スパイものと聞いたので「マリアビートル」「グラスホッパー」「AX」の世界に類似したものかと勘違いしてしまった。
    よく言うとSFファンタジー、悪く言うと荒唐無稽。どちらかと言うと万城目学氏の取り上げそうな世界感である。

    昆虫サイズのスパイが暗躍する世界と、普通サイズの会社員のいる世界が福島県猪苗代湖の側で繋がる。二つの世界を行き来できる扉は偶然が重なりあるものが揃うと開く。そこを行き来する人達が繰り広げる物語の結びつき方が面白い。

    出て来る歌詞は実在するバンドの曲みたいだが、全然知らなかった。

  • 吉田真悟
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    No.610
    『ウツボカズラの甘い息』
     柚木裕子著
    (2018/10/10 幻冬舎文庫)

    2022/05/06 (5/5読了)
    柚木裕子さんは『孤狼の血』や『盤上の向日葵』の作者であり、岩手出身の著名な女流作家である。あまり作品は読んでいないが、いつも男の世界を男の目線で書かれ、とても女性が書いたものとは思えない内容である。

    しばらくは関係のない二つの話が並行して交互に繰り返されるので、どこで繋がるのかという興味で飽きはしないが、後半やっと全容が見えてくるまでが長いと感じる。ほぼ9割を読まないと事件の真相がつかめない。それと、別々の人が実は同一人物だったり、いるはずの人間が亡くなっていたりとテキストならではのトリックと伏線の回収が楽しみだったりする。

    いつの間にか読んでしまう作家であるかな?『慈雨』と『盤上の向日葵』はいずれ読もう。

    【登場人物】一部
    高村文絵:どこかに居そうな主婦。太った時と痩せた時の二重に人格があるような設定。摂食障害で心療内科を受診している?
    敏行(夫):嫉妬深い
    美樹(娘):小学生
    美咲(次女):幼稚園児

    杉浦加奈子:岐阜の中学の同級生
    飯田章吾:加奈子のしごと上のパートナー?

    秦圭介:警部補
    中川菜月:鎌倉署巡査、秦とコンビニ
    響子:秦の妻
    幸代:響子の母
    井本拓:新人巡査
    久保伸二:鑑識

    田崎実:被害者

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    No.611
    『私以外みんな不潔』
     能町みね子著
    (2022/02/10幻冬舎文庫)

    2022/05/11 (5/8読了)
    能町みね子とはどういう人なんだろうか?その一点のみで買って読んだもの。

    男か女かもよく知らなかった。
    性同一性障害による性転換手術済みの元男性だそうだ。

    主人公は「もりなつき」という5歳の幼稚園児で、北海道から茨城へ引っ越し、卒園までの話までであり、現在の能町みね子とどう繋がるのか?残念ながら分からなかった。

    しかし、このもりなつきという5歳児に強く興味が湧くのである。
    大人の世界を斜に構えて観ていて、しっかりと自我があり、非力な子供として諦めていながら頭が良くて中性なのである。能町みね子さんが当時を思い出して書いているのであろうが、鮮明な記憶で特に人物の描写が面白い。こんな5歳児なら、たしかに何者かになれるだろうと思った。

    続編があるか捜してみよう。

    【登場人物】
    もりなつき:主人公、5歳の幼稚園児 
    花川先生:担任の先生
    えんどうしずこ:幼稚園

    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/能町みね子

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    No.612
    『慈雨』
     柚木裕子著
    (2019/04/25集英社文庫)

    2022/05/20 (5/15読了)
    妙に心に沁みる小説であった。
    偏屈な私の心でも、登場人物達の過酷な人生に寄り添えて冒頭から没入できました。
    主人公夫婦の年齢が自分に近いこともあるだろうし、お遍路さんに興味があったことも、そもそも柚木裕子さんの描く世界に慣れてきからだと思います。

    いつくしみの雨と書いて慈雨(じう)、通常は恵の雨でも警察関係者からすると証拠や痕跡を消し去る忌み嫌うものなんだと初めて知りました。
    人と人が偶然に出会って共に生き、傷つけあい、そして別れる。
    被害者として、加害者として、捜査する側の苦悩も諦念もいい感じに交ざりあって、最後にホットしてしまう秀逸な作品でした。

    途中で登場する、実の母親を殺して罪を償ったのちに遍路を続ける男性と接待してくれた老婆の人生は涙無くしては読めません。

    巻末の書店員さんの解説にも唸ってしまった。
    「警察小説と安楽椅子探偵の要素を掛け合わせた感じで...」
    なるほどねと、感想とはこうありたい。

    【登場人物】
    神場智則:退職した元刑事
    香代子:神場の妻
    幸知:神場の娘
    緒方:幸知の恋人
    鷲尾:神場の同僚で緒方の上司、課長

    【四国巡礼】
    お遍路で参拝する88ヶ寺のことを「札所」と呼び、札所をめぐることを「打つ」と言います。その昔、巡礼者が自分の氏名や住所を書いた木札を寺院の柱に打ち付けたことが、名前の由来になっています
    順うち:番号通り巡礼をすること
    逆打ち:その逆、逆打ちの方がより困難らしい
    バラ打ち、区切り内:分割して巡礼すること

    一番札所 霊山寺(りょうぜんじ)
    二番札所 極楽寺
    三番札所 金泉寺(こんせんじ)
    六番札所 安楽寺
    七番札所 十楽寺
    八番札所 熊谷寺(くまだにじ)
    九番札所 法輪寺
    十番札所 切幡寺(きりはたじ)
    十一番札所 藤井寺
     遍路ころがし
    十二番札所 焼山寺(しょうさんじ)
    二十三番札所 薬王寺
     75km
    二十四番札所 最御崎実測(ほつみさきじ)
    三十四番札所 種間寺(たねまじ)
    三十七番札所 岩本寺(いわもとじ)
    三十九番札所 延光寺(えんこうじ)
    四十番札所 観自在寺(かんじざいじ)
    四十五番札所 岩屋寺(いわやじ)
      三坂峠、8時間
    四十六番札所 浄瑠璃寺(じょうるりじ)
    四十七番札所 八坂寺(やさかじ)
    四十八番札所 西林寺(さいりんじ)
    四十九番札所 浄土寺(じょうどじ)
    五十一番札所 石手寺(いしてじ)
    五十五番札所 南光坊
    五十六番札所 泰山寺(たいさんじ)
    五十七番札所 栄福寺
    六十九番札所 観音寺
    七十番札所 本山寺(もとやまじ)
    七十一番札所 弥谷寺(いやだにじ)
    七十二番札所 曼荼羅寺
    七十六番札所 金倉寺(こんぞうじ)
    八十七番札所 長尾寺(ながおじ)
      17km
    八十八番札所 大窪寺(おおくぼじ)香川県、順打ちの結願寺。

    手水舎(ちょうずや)
    妻を娶る(めとる)
    不瞋恚(ふしんに)怒らないこと
    分は弁えている(わきまえている)
    洞(うろ)
    https://ja.m.wikipedia.org/wiki/鰐口
    知悉ち‐しつ
    ことごとく知っていること。細かい点まで知っていること。精通。

    瞑目する
    ① 目を閉じること。目をつむること。仏を念じて一心に祈ったり、考え事にふけったりする時などの動作にいう。

    活計 たつき
    ①「活計(カッケイ)」に同じ。 ②手段。てがかり。

    来し方
    1 過ぎ去った時。過去。きしかた。2 通り過ぎてきた場所・方向。

    臍(ほぞ)を固(かた)・める
    決意を固める。覚悟を決める。
    ほぞとはへそのこと

    ほぞ【臍】 を 噛(か)む
    後悔する。すでに及ばないことを悔やむ。返らないことを後悔する。ほぞを食う。