タクマのトーク
トーク情報- タクマ
タクマ 11【特別対談】見城徹×藤間秋男
45:40〜49:50
見「いや、本当にそうですよ、と僕は思いますよ。だけど、どういうところが?」
藤「僕は最近感激した言葉があって、会社を潰すのは全て社長が潰す、それ以外はない」
見「それはそうだと思う」
藤「で、潰すことを自分が潰したことを思っていない。だから潰した人っていうのは、全部コロナのせいとか円高のせいだと思って潰れてるんだけど、実際は自分が潰しているんだと。じゃあその潰す要因は何かというと〝私心〟わたくしの心」
見「松下幸之助って私心の塊だよ」
藤「いやいや分かるんです」
見「言葉では上手いこと言ってるけど」
藤「ちょっとお待ちください。で、とにかく会社のため、社員のため、お客さんのため、と思いながら私心が入ってくる。だから松下幸之助も常に私心と闘って、私心を排除して、経営を排除して経営をしていた、と言ってるんです」
見「あぁそう。私心あればいいじゃない、あった方が。そんな綺麗事を言わないで、私心は私心でいいじゃない。私心がない経営者なんて魅力的じゃないよ。私心はあっていいじゃない。ただ自分が私心があって好き放題してるのに、変な道徳や企業理念をばらまくなよと、俺はそう言いたい」
藤「すみません。私はそういう考え方を持っていなかったので」
見「いやいや、悪くないですよ」
藤「いやいや、私は色んな方の意見というのは必ず聞くんです。聞いて、自分なりに判断するんですけど、私は松下幸之助さんの」
見「いやそういう方は多いですよ」
藤「さっき言ったように、うちが業績に伸びなかった時に松下幸之助の経営理念の確立と浸透で5割は成功する、と聞いてそれをやって今が私はあるから」
見「そうですね。だから日本の経営者、有名な経営者の中で最大のペテン師は松下幸之助だと僕は思っている。でもそれは逆に言えば、ものすごく褒めてるってことでもあるんです。だってそうじゃない。従業員たちがこの方の言う通りにしていこう、となっていくわけだから。だからそれは逆に言えばすごい経営者ですよ。でもだったらば自分だけで富を独占するなよ、と思いますが、ここは言えないけど何人外に子供がいるんだと」
藤「そうですね。それは知っております」
見「それで道徳を説くなよお前、と」
藤「いやただね、あれ奥さんとの関係がすごく悪くて、経済人がくっつけたって話ですよね」
見「いやいやそんなことはないですよ。俺もね、あまりにも詐術が酷いから結構勉強しましたよ、松下幸之助の。でも酷いよ。酷いというのは結局自分のために理念だ道徳だ、そういうことを言っているわけですよ。まぁいいんです。あれだけの大成功、結果としてあれだけの企業を作ったんだから、すごい人ですよ。うまく編集してね(笑)」
藤「(笑)編集しづらいね」
見「藤間さんがまずくなっちゃまずいから」
藤「私いいんです。それはね、天下の見城社長がちょっとこういうことを言った、というのはまずいかもしれない、私はいいんですよ」
見「俺はいいよ」
藤「いやいや、まずいですよ、それは」
見「いやいや、俺はいっぱい書いてもいるし」
藤「そうなんですか」
見「松下幸之助は最大のペテン師だって書いてるよ」
藤「稲盛さんはどうなんですか?」
見「稲盛さんも、だから俺成功とか言う人が嫌いなんですよ。今日も中村天風とか稲盛さんとか、大谷翔平が読んでるというのがあって」
藤「MVP取ってね」
見「だから、何だよと思いましてね。俺は大好きだから、もちろん誰もが好きなように大谷が大好きだし、大谷の活躍に興奮するから。なんだよ、中村天風とか稲盛か、と思ったよ」 - タクマ
タクマ 12【特別対談】見城徹×藤間秋男
49:50〜54:40
藤「そうですか。あー。そういう方もいらっしゃるんですね」
見「そういう方もいっぱい居ますよ」
藤「そうですか、すみません。私あんまりそういう方はお会いになったことがなかったもので、すみません」
見「そうですか(笑)」
藤「ただそれはそれぞれの感覚ですから構わないと私は思うし」
見「いやだから、そういう風に思わせるくらいに、彼らがやっぱり凄いんですよ。俺成功とか吐き気がするんですよ。夢とか成功とか、そういう野心とか。夢なんてのは実現してから語るものなんですよ。あぁ俺の夢は実はこれだったんだ、と実現してから語るものなので、夢を語っているやつで夢を実現したやつなんていないんですよ。それから成功という言葉を口にするやつで、ちゃんと結果を出せるやつなんていないんですよ。だから、成功って何が成功なの?だって成功って何なの?」
藤「成功というのはあれじゃないですか?死ぬ時に生きてて良かったなって思うことじゃないですか?」
見「そうでしょう?でも彼らの言ってる成功は違うもの。この世界の中でのしあがっていくことだもの。全くその通りですよ。たった一個成功がある、成功という言葉を使っていいとしたら、死ぬ時に俺の人生まぁまぁだったな、とこれが成功ですよ」
藤「はい、そう思います」
見「それ以外に成功なんてないですよ。あとは全部プロセスですよ。それを成功するためにとか、成功のナントカとかって言葉をやたら使って本を書いたり色々する人たちが、俺は吐き気がするんですよ」
藤「すみません」
見「いやいや、謝ることはないですよ」
藤「どっちかというとそういう、今ちょっと凹んでる経営者とか、そういう人たちに元気を与えるには夢とか希望とか」
見「嫌な言葉だね、希望」
藤「だから今ね、そういうことを言わなくても成功する社長はそれでいいけども」
見「俺は全然成功してないよ。俺はこのままだったら、死ぬ時に後悔するんです、いっぱい」
藤「それはまだまだやりたいことがいっぱいあるわけですね」
見「やりたいことがあるというより、誰でも後悔するに極まってるんですよ。だけどそれを出来るだけ少なくしたいですよ。微かに笑えればいいなと。で、マルとバツの旗があったらばマル、と挙げて微かに笑って死んでいく、というのが成功だと思ってるんです。それ以外に成功なんてないですよ。成功、成功と言うけど世の中でなんかある地位に上り詰めるのが成功だ、という前提の成功だからみんな。だから僕は成功という言葉を、僕の本を読んでもらえれば分かるけど、成功という言葉を一切使ってないんです。夢って言葉も一切使ってないです。希望も使ってないです。まぁまぁそんなのはどうでもいいんだけど」
藤「いやいやだからそうなんですけれども、実際に今世の中でへこたれてる経営者とか、自信のない経営者に、ではどうやったら」
見「いいじゃない」
藤「いやいやそういう人たちに、そうかもっとへこたれろよ、と言えない」
見「もっとへこたれればいいじゃない」
藤「そしたらね、自殺しちゃったり、会社を潰しちゃいますから」
見「ささやかに生きることも成功なんですよ。自分の周り、家族と周りの友人たちを一生懸命愛して、コツコツと地味で目立たなく、貧しく生きても成功は成功です」
藤「そうです!はい!」
見「だからそういう詐術をやるのが嫌なんですよ。成功って別に世の中に出ていくことじゃないもの」
藤「そう思います私も。だから中小企業で本当に今困っている社長に悩み事を打ち明けられた時に、そうかじゃあもっとお前へこたれろよ、と言えないんですよ。やっぱり夢があるでしょう、これからどうしましょうか、と勇気を与えないと我々としては社長にとって、ね」
見「嫌な言葉だなぁ勇気。でも分かりますよ」
藤「社長みたいにお強い人はそれでいいんだけど、世の中弱い人がいっぱいいるので」
見「俺は弱いんですよ」
藤「そうなんですか?強さの塊みたいな」
見「毎日眠れないで、枕が涙で濡れてるんですよ。本当に。いやいやでもビジネスがそういうビジネスだから僕はそれはいいと思いますよ。でも僕らは僕らのビジネスで、丸腰に成功とか夢なんていう言葉を使ったらバカだと思ってますから。それはだから仕事によっても違うんですよ。だから僕の人生観は元々成功したいなんて思っていなかったし、いなかったというか、成功なんて豚に食われろと思っていましたから。夢なんてこんなあやふやなものはないじゃないですか。大体夢を語ってるやつで実現したやついますか?」
藤「いや居ますよ」
見「いないよ(笑)」 - タクマ
タクマ 13【特別対談】見城徹×藤間秋男
54:40〜57:40
藤「居ますよ、居ます、本当に。だって大谷翔平だって」
見「ノートでしょう?」
藤「ノートに書いて実際実現したじゃないですか。夢を書いてるから実現するんです」
見「あれは夢を語ってるわけじゃないじゃないですか」
藤「語ってますよ。あれが夢なんですよ」
見「語ってないですよ。夢じゃないですよ。ゴミがあったら拾うとか、そんなの夢じゃないですよ」
藤「それは行動ですよね」
見「生き方ですよ」
藤「ただ最終的には真ん中には夢が書いてあるんです」
見「まぁそうですね」
藤「夢を語るからいくのであって」
見「それはたまたま大谷翔平はいったんですよ」
藤「わかります」
見「それを全ての人に夢を持て、なんて言ってるのはあまりにも詐術じゃない?という風に俺は思うだけで、別に俺の方が少数派だと思います」
藤「いやいや、今日は色々と私、そういう方とお会いしたことがなかったので、すみません」
見「いやいや、事業が成功しようと思っている人たちばかりじゃないということなんですよ。僕は別に業種で分ける必要ない出版社だから、それぞれがそれぞれの生き方で、それぞれの事情を抱えて懸命にやってるんですよ。そういう人たちの息遣いや足音、溜息をすくい取りたいんですよ。だから元々目的が違うから、だからいいんですよ、藤間さんは藤間さんで。素敵な人ですよ、本当にそう思います」
藤「そうですか、ありがとうございます」
見「だから藤間さんにコンサルティングされた会社は、それは幸せだと思います」
藤「ありがとうございます。ただ今言ったように成果が出ないと申し訳ないので、とにかく一生懸命色んな形で喜んで頂く。先程、どんな時が嬉しかったの?というと先程言ったように死ぬ気で来て、帰りに元気になって、俺明日から頑張ります、って言う社長が出てくると嬉しくて」
見「だからそれは藤間マジックだね」
藤「いやマジックじゃない」
見「マジックでいいじゃない(笑)」
藤「そうですか(笑)僕、手管でやってるわけではなく、ノウハウでやってる、気持ちでやってるんですよ」
見「手管じゃないんだよ。マジックなんですよ。それでいいんですよ。みんなそうですよ。松下幸之助だって、中村天風だって、みんなマジックなんですよ」
藤「マジックなんですか」
見「それはそうですよ。そうじゃないですか?」
藤「私はそういうテクニックとかそういうのはわからない」
見「マジックはテクニックとかそういうものではないですよ。信じさせるだけの力を持ってるんですよ」
藤「そうですね、それはあると思います。やはり信じてもらわないと」
見「力を与えるだけの力があるし、それをマジックというんですよ。良いことなんです、マジックって。だから、藤間マジックなんですよ。社長にビンタに藤間マジックなんですよ」 - タクマ
タクマ 14【特別対談】見城徹×藤間秋男
57:40〜
藤「良い言葉頂いちゃって、本当にありがとうございます。では今日はありがとうございました。世の中色んな考えがあって、と思いました。ただ成功というお話は最後じゃないと分からないですよね」
見「あとはプロセスです」
藤「だから常に、成功したって明日どうなるか分からない」
見「ちょっと待ってください、成功というのは」
藤「あ、言っちゃいけないんですね」
見「違う違う。その人が決めるんで、その人にとって成功ならば成功なんですよ。だから、これが成功だなんて決まったものはない訳ですから」
藤「気持ちですね」
見「気持ちというか、その人が決めるんです」
藤「そうですね、分かりました。だからわたしはそういう意味ではとにかく色んな人に夢と希望を与えて、社長が嫌いな夢と希望を与えて、何か夢に向かって進んでもらうことが私の仕事だという風に思ってます。だからそういう意味で噛み合わない対談でしたけれども(笑)」
見「噛み合ってるよ!こんな面白い対談ないよ。そうですか、だから僕は夢と希望なんて嘘っぱちだよ、という風に生きてるのでそれはそれでいいんですよ。遠くの方で、後ろでちゃんと紙一重でくっついてるところもあるんですよ。だからそんな今日の対談が噛み合わないなんて全然そんなことはない」
藤「すみません、噛み合ってますね。ありがとうございました。最後感想を」
見「いいですよ。噛み合っていないなんてことは全くなくて、藤間という人物はものすごく素敵でチャーミングだからこうやって、俺、まぁウチの連中はわかってるけど、多分10割のうち4割くらいの確率で、あぁもうやめましょう、俺もう帰るわ、と言う人間ですから、ものすごく僕はあなたのことを好きになりました。だからいいじゃないですか」
藤「ありがとうございます!」
見「噛み合ってないなんて、お互いにあなたは素晴らしい、なんて言ってる対談YouTubeなんて見たって面白くもないでしょう」
藤「今日はすみませんすみません!ありがとうございました!」
見「藤間さんのYouTube何回目?これ」
藤「今のところ200本くらい」
見「200本の中で1番多分再生回数が多くなりますよ。そっちの方がいいでしょう」
藤「ありがとうございます、そうです、ありがとうございました」
見「で、藤間秋男が……、そうだ秋だ。秋谷の秋って言ったんだから。藤間秋男がすごくアピールできたと思いますよ」
藤「そうですか、ありがとうございます」
見「別にありがとうございますなんて言わなくてもいいけど、こういうのが対談なんですよ」
藤「学びました。ありがとうございます」
見「ということだと思います。『永続企業の創り方10ヵ条』を返します。あー、後でもらいます」
藤「後で差し上げます。社長の名前も書いてきたのでぜひ」
見「『事業承継はじめに読む本』これももらいます。で、『社長引退勧告』幻冬舎メディアコンサルティングからぜひ。今日は楽しかったです」
藤「ありがとうございました!お忙しいところ本当にありがとうございました!」 タクマ タクマタクマ 感想【特別対談】見城徹×藤間秋男
見城さんと藤間さんが持つ自分の意見、考え方の投げ合いがすごく軽やかで、正確で、見ていてとても心地が良かったです。
お互いに自分の意見は言うけれど、相手の意見にも真摯に耳を傾ける。相手が熱量を持ってお話になっている時には集中力を高めて聞き入る。これぞ〝対談〟というように感じました。
そして、自分の意見や体験談を語る時に、第三者がまずくなることが全くない、当然と言えば当然ですが、これは素晴らしいなぁと思いました。「あの人がこう言ってたから」や「あの人がこうしていたから」はナンセンスですね。僕も自分の意見、言葉を持って、周囲の人たちと対話していこうと思います。
何より、見城さんが本当に心から藤間さんのことを好きになられているのが伝わってきて、藤間さんが羨ましくなりました。前に箕輪さんが仰っていた「見城さんは人間丸出しの人には怒らない」というのが、あぁ本当にそうだなぁ、と思いました。僕ももっと人間丸出しで生きていこうと思います。
今回も素晴らしいお言葉の数々、有り難うございました。
https://youtu.be/Sf3v5swwBes- タクマ
タクマ 見城さん、たくさんリトークして頂きありがとうございます。リトークして頂くのも貴重なお時間を頂戴することになるため申し訳なく思っております。
見城さんのお言葉を文字に起こすと、改めて見城さんのお考えや精神のスウィング、繊細な感情の動きを感じることができます。それはつまり自分の温い心に鞭を打つことにも繋がります。見城さんのお言葉は血となり、骨となり、筋肉になり、僕を動かしてくれます。感謝してもしきれません。
文字を起こすことと感想を伝えることは同じではありませんが、僕にとって誠意を持って文字を起こさせて頂いております。これからもたくさんのお言葉を吸収できるように、僕自身も精進していきたいと思います。いつも素晴らしいお言葉を、有り難う御座います。