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見城徹

↑ この僕の考えに同意してくれる人が少ないのに絶望的な気分になる。三島由紀夫の演説にも拍手が少ない。三島由紀夫は言葉で思考して観念を組み立てた人間がその観念の遂行のためには現実の踏み絵を踏み抜かねばならないということを命を賭して見せてくれた。死ぬための理由付けであろうとなかろうと、三島由紀夫という文学者は憲法改正を訴えて自決したのだ。右翼とか左翼とかそういう問題ではない。生まれて、生きて、死ぬ。その宿命を背負った個体の人間の有り様をここまで文学的に鮮やかに提示して見せた例を他に僕は知らない。

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