ログイン
詳細
ナナ散歩だよ

目をつぶると見えてくる 向かい合った鏡の中の 恥知らずな世界… 失われてゆく時を 茫洋とした死をもって 誤魔化してゆく 矜持なき世界… なんにもない大地が 生命力に満ち溢れ そんな世界を 飲み込んでゆく 僕は 味気ない不安の ミルフィーユをまた一つ 口にして 慌てて押し黙る おはよう おはよう おはよう 震える朝の静けさに 木霊する意識… つまらぬことを考えてないで さあ 早起きナナが しっぽ風を吹かしているから さあ 朝の散歩に行こう おはよう ナナ散歩だよ。。。

前へ次へ
ナナ散歩だよのトーク
トーク情報
  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
    投稿画像


    ナナ散歩は
    ひとときの幸せ

    ひとり語りの傍らで
    紫露草の彩に染まる

    儚い生命のグラデーシオン
    明日もまた
    紫青く命を燃やすだろう

    今宵のセレナーデは
    君のもとに
    届くだろうか……


  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    無意識の悩みの大渦に
    この命は翻弄されているよ

    意識的な努力の気まぐれで
    ほんの一瞬だけ
    僕の命の幸せの片鱗を
    その悩みの先に
    覗くことが出来るだろう

    ただ
    それを幸せと
    最期の沈黙まで
    気付かないかも知れないけど…

    だから今
    この一瞬を僕は生きすすむ
    悩みをも幸せのひとつに
    変えてしまいながら…



  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
    投稿画像

    ……………、
    ………………。

    沙羅双樹の花の色、
    盛者必衰の理をあらはす。

    奢れる人も久からず、
    ただ春の夜の夢のごとし。

    …………………、
    偏に風の前の塵におなじ。



    たいふうの音夜
    静かな訣別を
    迎えた朝

    窓辺に横たわる
    755の無常の響き…


    偶然の出会いは
    いつも
    別れの不協和音から
    はじまる



  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    眠りの浅い夜…

    虚ろな目覚めのまま
    立ち上がった個室の
    窓辺の素焼き鉢に触れ
    落としてしまった

    あッ…
    受け皿が割れ
    玉土はマットに散乱する

    目舞いがしている
    瞼の裏で
    神経が文様を描いている
    両耳の内奥で
    神経が唸りをあげている

    ほうきで集めながら
    横たわる多肉植物を
    拾いあげる
    しっかりと鉢にしがみついて
    根は玉土を抱いていた

    目舞いがしている

    失われた時間のまま
    浅い眠りが困惑している
    夢の続きはいつも
    人間交差点
    雑踏に消えてゆく心模様

    眠りは気まぐれに
    レムを乱発する

    静かに横たわるだけで
    目舞いがする
    無意識のずれが
    睡眠を荒らし
    いつまでも眠りが空回り

    ただひたすら待つ
    突然訪れてくるだろう
    眠気とともに夢の続きが…

    …… ……::…::: :……::::::…


  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
    投稿画像


    今年は
    梅干しとして戴こう

    梅干しを食すると
    この身がとても喜ぶんだ

    老梅の
    精魂込めたその身を
    今年も戴こう

    樹は
    気を感じて
    機を伺うのだ

    今年は
    その身が放れるまで
    ジッと待つことにしよう

    辰の迷い吾は
    命の還りをただ待つのみ

    外の世界は
    何かと白々しい…




  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
    投稿画像


    衣 食 住 …

    意に介さず
    職を求めず
    充と諦めず

    日常生活に溶け込んでいる
    僕の零時スタンス

    時計の針は
    自由に飛び立ってゆく

    はりつめたおもいは

    てんじょうにむかったままに…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    シジュウカラの
    鳴き声が届かない…

    カーテンのすき間から
    眠たい光が滲んでいる…

    早起きのナナが
    おとなしく寝返りをしている…

    こんな静かな朝は
    きっと霧雨に
    包まれているのだろう

    寝返りに慣れた僕の枕が
    ナナに呼びかける

    おはよう
    ナナ散歩だってよ!


    梅雨の季節
    カサに隠れて
    憂鬱になるのはこの僕だけだ

    樹々は翠光を滴らせ
    草々は青香を放ち
    鳥たちは空色に染めてゆく

    すべての生きている者たちを
    奮い起たせる
    すべての生きたい者たちを
    光り輝かせる

    朝の
    ナナ散歩は
    気づきの時間

    ナナはもうすでに
    大地の喜びを嗅ぎ回っている

    ああ
    穴の空いたパッチワークに
    目の色変える世界は
    冷めた眼に包まれている…