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モウリス@ニコ生NEX ZERO

# 朝長美桜 ファースト写真集『日向』 〜いつか書きたかった朝長美桜論として〜 とにかく写真集に興味が持てません。 何度か買ったことはありますが、たいていぺらぺらめくって終わり。 水着にもまったく関心なし。 決まり切ったシチュエーションとポージングばかりで退屈きわまりない…というのが、ぼくのアイドル写真集への率直な感覚です。 しかし、この写真集はまったく違います。 一枚一枚に深い見応えがあります。 ひとつひとつの表情を食い入るように見てしまいます。 そして、必ず何かが反射してきます。 この写真集を傑作にしているのは、他でもない、朝長美桜そのものです。 彼女がつくり出す宇宙はとても掴みにくい。いや、掴みどころがない。朝長美桜が追い求めてるものは、そんな簡単には掴めないから、ぼくらも朝長美桜を掴めない。 朝長美桜は、彼女自身が納得できるものをひたすら追い求めているように見えます。ありがちなことばや、他人が踏んだ足跡を踏むのが多分嫌いです。頑固なまでに。 近道するための方法などいくらでもあるのに、頑なに選ぼうとしません。でも、そんな頑固で強情っぱりな朝長美桜が、ぼくは大好きです。とても共感します。 そよ風に舞う羽根のように、朝長美桜を掴むことはとても難しい。でも、頑固者は得てして正直です。ある一瞬を捉えると、思いのほか無防備な素顔が見えることがある。それがこの写真集だと思います。 この写真集の朝長美桜は、どれも「初めての体験」を見るような眼をしています。いつか見たものでも、常に初めての体験のように新鮮な眼で捉えているかのようです。 彼女が面白いのは、そんな夢を求めて彷徨う乙女でありながら、時折り人間臭いあたたかさを漏らすところです。彼女は、ときどきとても優しい眼で人を見ます。美味しいものには、とたんに顔がほころびます。気持ちの迷いや苛立ちも、すぐに表情に出してしまいます。やはり頑固者ほど正直なのです。そんなときにもまた、彼女は別の輝きを見せてくれます。 この世のものは全て「移ろい」であり、朝長自身もまた「移ろい」の存在です。答えという名の静止点は、死を除いて彼女にはない。でも、どこかに自分しか見えないものがあると頑なに信じているのが朝長美桜だと、ぼくは思います。 以上は、ぼくの勝手な妄想です。 でも、ぼくは朝長美桜という人をそんなふうに見ているし、そんな眼でこの写真集を眺めていると、妙に辻褄が合うような気がしてます。 頑固者はたいてい損をします。 意地を張ってチャンスを逃すこともあるでしょう。 誤解だってされると思います。 でも、いいじゃないですか。 そんな朝長美桜こそ、妥協や折衷だらけの現世から解放され、誰よりも自由に泳いでいるように、ぼくには見えるのです。 【追記】 高柳明音写真集だけは別です。 あれもまた珠玉のアイドル写真集です。

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