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モウリス@ニコ生NEX ZERO

『兒玉遥ファースト写真集 ロックオン』 写真集というのは、お約束の多いフォーマットである。水着、プール、南の島、異国の街並み…。でも、それらお膳立てされた記号をかい潜った神の一枚があれば傑作、というのがぼくの判定基準だ。 正直、今回の写真集は、ページをめくるのが怖かった。 唯一無二の得難い個性を持つ彼女が、いよいよアイドルの通過儀礼である写真集というガチガチのフォーマットに挑むのだ。帯にはご丁寧に「王道アイドル写真集」とまで書いてある。写真集としては良くても、ある意味癖の強い兒玉遥のコンテンツとして良いかどうかは、また別問題なのである。 判定結果は、ちょうど真ん中くらいのページで出た。キャップを被り、ドリアンのようなものを食べているカットだ。「いー」という形に口を開いて、何かを訴えるような目でカメラを見ている。ぼくは、すぐにある日の握手会での彼女を思い出した。 あれは3年くらい前だったと思う。何の話をしたかは忘れたけど、そのときの彼女のリアクションが、まさにその表情だったのだ。いや、正確には、さらに「寄り目」までしていた。吹き出しそうになって、顔をそむけたのを覚えている。何でそんな表情をしたのか、たぶん本人も分からないと思うが、ぼくはそれを見て「はるっぴはオモチャのようだ」と見抜いた。オモチャのように楽しく夢のある人だ…という意味だ。悔しいことも、悲しいことも、失敗したことも、時間が経てば全てが楽しい思い出に変わっていく、それが兒玉遥だ。 こんなことも思い出す。ある番組で「みんながハッピーになれば、(私は笑われても)それでいいんです」と、バラエティーなのに真顔で力説する姿が印象的だったので、直後の握手会で「あの発言は、はるっぴらしいと思った」と言ったら、目を一杯に開いてうなづいてくれた。ちなみにそれは、喉の不調で声が出ないのを押して参加した握手会だった。 どんなに登り詰めても、無邪気だった頃の表情を垣間見せることの出来る彼女に、なんだか安心した。そして、そうしたカットがあるからこそ、ひとつひとつの表情が気になり出し、写真集フォーマットに実直なカットもまた生きてくる。 そして、さらに想像は膨らむ。 出来ればいつか、厳寒の北国で写真集を作って欲しいと思ったりする。和服なんかも、きっと似合うはずだ。秋には秋の、春には春の、兒玉遥の表情を見せてくれるだろう。 次の写真集からは、オモチャを買うときのようなワクワク感で、ページをめくっていける。

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