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かなり昔の話だけれど、9.11直後にアメリカのラジオ局が放送禁止にした曲リストがロッキン・オンに載っていた。 ジョンの[イマジン]やサイモン&ガーファンクルの[明日にかける橋]なども対象になっていて、??と思ったが、Rage against the machineに関しては、全ての曲が放送禁止になったとの記事を読んで(そりゃーそうだよ)と納得したものでした。 1stの[Killing in the name of]は【空耳アワー】で有名になったけれど(「ナゲット割って父ちゃん」っていうアレです)、これとKnow your enemy、Bullet in your headの三曲の歌詞はストレート過ぎて、言論と表現の自由を謳う国で何故オンエア禁止になったかは歌詞を読むと納得するはず。 放送禁止曲と言うと、中学生の頃に雑誌で読んだピストルズの記事が強く印象に残っている。 [God save the Queen]が、イギリス王室批判だった為に放送禁止になり、メジャーレーベルのEMIから契約解除された。 仕方なくマイナーレーベルから発売したら売上チャートで一位を獲ってしまった。 この件は映画『ノーフューチャー』を観れば詳しいし、日本だと清志郎の[君が代]や[Covers]もそうだ。 若者に影響力のある彼等の歌詞は、政権や権威に対して猛烈な批判を浴びせるものだったが、レイジの場合は本気度が違う。 とにかく行動が早いし、実行するし、とにかくヤバい。 実際に民主党の大統領候補選出大会の会場前や、ウォール街でゲリラライブをやって逮捕されている。 でも、その時の映像を観ていると、当初訝しげに観ていた一部の民主党職員は曲が進むにつれてノリノリだし、ウォール街に至っては警備員やディーラー達は笑顔でレスポンスしている。 これらは、「物言わぬ多数派」が解放された瞬間を切り取っている貴重な映像です。 レイジのライブは三回行って、そのいずれもパフォーマンスの凄さに圧倒されたけれど、歌詞の内容は「あいつらはダメだ」とか「団結せよ」ではなく、「自分の頭で考えろ」って言っていた気がする。 コレって言う正解がない日常の中で、他人の頭で考えた事を参考に、自分の頭で考えて導き出した答えって案外揺るがないものですし。 苦手な掃除洗濯する時のBGMとしては最適です。 https://youtu.be/XAPfNPIvWkM?si=_otjZHz-D_t5KNqH

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    映画の食事シーンは、登場人物の個性を解りやすく表現する重要な要素です。
    『タクシー・ドライバー』でアイリスが食べるグラニュー糖をまぶしたジャムトーストや、『マンハッタン』のベッドで食べるテイクアウトの中華などは、見た目とは違い、その人物の精神的未熟さを表現していました。

    アイリスとトラヴィス、40歳の放送作家と17歳の高校生カップル。
    今では設定すらアウトです。

    そんなモラル的な事より、『マンハッタン』です。
    映画を通して見てきたニューヨークにずっと憧れていた子供時代でしたが、この作品は、物語や街の雰囲気より箱の中身が気になって仕方なかったなぁ。
    あの箱の中には何が入っているんだろう。
    焼きそばっぽいけれど、凄く美味しそう。と思った記憶がある。

    今ではアマゾンでも箱だけ買えるけれど、輪ゴム付きラップを被せた中華の出前ではなく、持ち帰り専用中華は当時の僕には斬新でした。

    他には『サイドウェイ』の主人公の行動も印象深い。
    ワイン通のマイルスが別れた妻が再婚すると知って、大切に寝かせていた超高級ワインを大衆食堂に隠し持って行きガブ飲みするシーンです。
    ネットで調べてみると、1961年のシャトー・シュヴァルブランって70万はするんですね。

    SNSに散見される様な損得勘定を含む怒りではないから、この真っ直ぐな感情爆発には、切ないけれど笑える。
    本気のやけ酒ってこうでなくっちゃ。
    こちらも、別の意味で斬新でした。

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    [燃ゆる女の肖像]
    無名の女流画家と貴族令嬢の恋愛もの。
    台詞は少ないし、女優達の表情も決して豊かではない
    しかしながら、細かな心情や内在する情熱を視線だけで表現する。
    見る側の視線、見られる側の視線、それを見守る視線
    絵画のような上品で淡い映像と、女優陣の演技対決は見応えがあります。
    [ファルコン・レイク]
    思春期特有の感情の揺れと、終始払拭出来ない死の匂いが何とも不穏な気配を醸し出しています。
    ノスタルジックな映像も相まって、最後は心地良く騙されます。
    16歳の少女と、14歳の少年が主役ですが、この年代の3歳差は大きい。
    女子はグイグイ誘惑するのに、男子はソワソワ、ドキドキからのアタフタ。
    こればかりは全世界共通なんですね。

    四月に観た映画です
    中でも時代劇は全て当たりでした。
    ・ドロステのはてで僕ら
    ・リバー、流れないでよ
    ・燃ゆる女の肖像
    ・ファルコン・レイク
    ・市子
    ・仕掛人・藤枝梅安1、2
    ・ゴジラ-1.0
    ・善き人のためのソナタ
    ・フェア・プレー
    ・ペーパー・ムーン
    ・クレイマー・クレイマー
    ・嘘八百1〜3
    ・居眠り磐音
    ・都会のアリス
    ・ヨコハマBJブルース
    ・蘇える金狼

    ・余韻の長さだと「燃ゆる女の肖像」がダントツ。
    ・劇団ヨーロッパ企画はどれも面白い。
     もっと人気が出そうだし、脚本が完全オリジナルなところも👍
    因みに、[リバー、〜]は『日本批評家映画大賞』で脚本賞を受賞しています。
    ・[ペーパー・ムーン]は、モーゼとアディと一緒に旅をしている気になる。 
    やっている事は全て犯罪だけど、微笑みながら見入ってしまう作品。
    ・[クレイマー・クレイマー]の朝食シーンのアタフタ感は最高。この時代のダスティン・ホフマンは全て素晴らしい。
    ・梅安役のトヨエツはハマってたし、色気が半端なかった。
    ・優作主演の二作品は何度も観たけれど、『蘇える〜』は、前屈みに走る優作、吹雪ジュンの可愛らしさ、佐藤慶と顔色の悪さが脳裏から離れない。
    BJは・・・ライブシーンを観るため作品。かな。

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    「キリマンが2、モカが1、ブルーマウンテンが5だ」
    「5か?」
    「4だ」
    「4か?」
    「3だ」
    「3だな?2度と間違えるなよ!」

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    パティ・スミスが自身の仕事机を写したものをインスタにアップされていて、そこに芥川龍之介のポートレートが飾られていました。
    芥川の作品は現在世界40の国で翻訳されている。
    知っているのは当然としても、元祖NYパンクのデスクに、子供の頃から慣れ親しんでいる作家の写真を見つけた時は何だか嬉しかった。

    ちなみに、海外ではどの作品が受けているんだろう。

    そこで、土曜日に図書館へ行ったら、新潮社刊行モノで外国人が編集した短編集を見つけたので読みました。
    まず構成が面白い。
    四部構成だったが、日本人が編集したら選ぶであろう
    「河童」「トロッコ」「蜜柑」などが載っていない。

    その中に『馬の脚』という作品があった。
    聞いたことがなかったので読んでみたが、カフカの『変身』やゴーゴリの『外套』のようなシュールな作品でした。
    芥川ってこんな作品も書いていたのかと思い調べてみたら、岩波とちくま文庫の全集にしか見当たらない。
    海外の人には芥川の野生的な一面が見える作品だと感じられて珍しかったのだろうか。。

    ただ「蜜柑」が選ばれていないのは残念。
    他人への憎悪の感情が、一瞬にしてかき消える瞬間を「そうして刹那に一切を理解した」と表現した一文が好きなんですが、海外では違うんだろうなぁ。

    並外れた感性と知力で名作短編を数多く残したのは確かだから、海外で評価され多くの国で翻訳されているのも、当然と言えば当然なんですが。

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    [ボヘミアン・ラプソディ]の展開に似ているのは愛嬌で済ませても、新規ファンを取り込むには、余りにあっさりし過ぎていた気がします。
    遺族が製作にも名を連ねていたけれど、闇の部分の描写がないのはそのせいなんだろうな。
    だって、ライブのバックコーラスに愛人と本妻を並べてハーモニーさせたり、子供達の母親だって。。

    マーリー&ウェラーズを聴き始めたのは、中3の頃に友人から薦められたのが始まり。
    [Live!]と[Babylon by Bus]、共にライブ盤から。ゆったりしたカッテングに、鼻にかかった歌声、ティンドラムと分厚いコーラスの虜になるのに時間はかからなかった。
    特に[No Woman,No Cry]
    トレンチタウンという地名も、「泣かないで」がdon't cryではない理由も知らなかったけれど、この曲は学校から帰ると毎日聞いていた。

    ボブやトム・ウェイツは、全く売れてない頃に自身の曲をビッグネームにカバーされ、そこから火がついたミュージシャンです。
    埋もれた才能をいち早く見出したクラプトンやイーグルスの才能も凄いけれど、一連のカバー曲を聞いてもオリジナルのクオリティを超える事などないとわかる。

    ギターをかじった人と、そうでない人では、聴こえて来る音や情報が違うのは当たり前。
    色んなジャンルの音楽を知っている人も同じくだけれど、たった四つのコードで構成された曲を40年近く飽きずに聴けるって中々ない。

    この作品の良さは、楽曲を余す所なく流し続けた事に尽きるし、知らない人には申し訳ないがファンは満足したと思う。
    何より「オリジナティ」って人間力と佇まいなんだなぁと感じた作品でした。

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    昨夜は[蜜柑]と梶井基次郎の[檸檬]を読んでいました。
    いわゆるフルーツもの(笑)

    [檸檬]については、この小説の世界観が好きで、実際に西京極から丸善まで歩いた事があります。
    まぁ20年ほど昔ですが、当時の営業担当エリアが京都市だったので、半分はサボりですし若かったというのも理由です。
    でも結構遠回りで2時間、いや、もっと掛かったかなぁ。

    今は知らないけれど、当時の美術書コーナーには檸檬の文庫本が平積みしてあったり、「お客様へ ここへ檸檬を置かないで下さい」という粋な注意書きがあったりで楽しかった。

    [蜜柑]についても、地元の高校生が横須賀線のどの辺りで蜜柑が投げられたのかを、当時の地図を元に特定する調査をしていました。
    テイストは違えど此の二作品には、救いやカタルシスだけで終わらせない、恒久的純粋さがあると思います。

    しつこい様ですが、ジェイ・ルービン編の芥川短編集には[蜜柑]もなければ[河童]や[トロッコ]も載っていない。
    [河童]はベンジャミン・バトンやツァラトゥストラを内包する傑作だと思っているし、[トロッコ]はメタファーだらけの短編だけれど、三島の『午後の曳航』同様、子供が屈強な大人を見て感じる無力とか不安に共感しました。

    二つとも自分は大好きな作品です。

    しかし、(しつこい様ですが)選ばれていない。
    何でやねん。。。

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    パティ・スミスのインスタに、今度は[河童]海外版の画像がアップされていた。
    書斎のポートレートといい、彼女は芥川が大変お気に入りの様だ。
    パティ・スミスについてはAL[ホーシズ]だけは何度も聴いたけど、今度は詩を読んでみようと思う。

    本格的に梅雨入りしたようだし、インスタ画像も件もあったので、今日は図書館で芥川に関する書籍を探す事にした。

    漱石、啄木、芥川の研究者である平岡敏夫著書の『ある文学史家の戦中と戦後 戦後文学・隅田川・上州』が目に入り、目次を開いてみたら[蜜柑]の話があったので読んでみた。
    タイトルは「芥川作品をアメリカで読む」
    その中に、アメリカ東部の大学生達と[蜜柑]を読み合った内容が書かれていた。

    「暖な日の色に染まっている蜜柑が凡そ五つ六つ、汽車を見送った子供たちの上へばらばらと空から降ってきた」(原文)

    この部分のレポートを提出した学生の殆どが、驚いた事に「神のご加護」若しくは「天の恵み」と捉えている。
    僕が日本人だから、って訳ではないだろう。
    何故「空」の前に「神」や「天国の(ヘヴンリー)」が入るのだろう。

    読み進めると、著者の平岡さんは「仮にヘブンリーがなく「空」だけでも、宗教心のある敬虔なアメリカ人なら、そこに「神」を見る事になるのだろう」と記されていた。

    国によって蜜柑の受け取り方も様々なんだ。

    おあとがよろしいようで。

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    頑固で身勝手な評論を書く人がいないなぁ。
    ある時期から週刊誌や新聞でも貶す評論が載らなくなり、コンプライアンスに適応出来るライターが大手を振っている。
    コンプライアンスが悪い訳ではないが、つくづく時代って便利な言葉だと思う。

    荒井晴彦さんや[福田村事件]の森達也監督の映画批評は、携る側だからこその視点で書かれていて面白い。
    脚本や美術などの手抜きや甘さを指摘し、自分ならこうするという修正案で悪口の責任をとっている。
    例えるなら、現場の、現場による、現場からは以上です的な批評。
    しかし、読み終えると確実に愛情を感じる。
    「映画会社の宣伝部のような映画ライターはいても、昔の様な映画評論家はいない」という一文には特に共感した。

    村上春樹の系譜的に語る「雑学」としてのジャズ論も楽しい。
    中には小説より面白いものもある。
    一般的なジャズ論は、難解な音楽論と単なるの取扱説明書に二極化されていったが、これらとは一線を画しているのは素人の僕でもわかる。

    インテリ気取って知識をひけらかすって意味もあれば、上に媚びて下に横柄な人という意味もある『スノッブ』

    承認欲求はあるが、何が何でも守りたい「美意識」というモノが欠如している人種である事に変わりはない。

    感想や評論にマナーは不要だ。
    僕が読みたいのは書き手の生き様。
    と、体言止めで言い切りたいところだが、成熟した大人になる為に黙っておく。

    めんどくさい。

    画像はピアニスト山中千尋の本音(らしい)笑笑
    しかし、山中さんの書くコラムは面白い。
    昨日から上毛新聞に連載が始まりました。
    楽しみです。