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ひょん

雅彦がパーティー会場に戻ると、美樹が待ってましたとばかりに、化粧室に行った。その間に、裕太とデザートを取りに行った。 「裕太、良かったな。絵美さんと会えて。」 「それはパパでしょ。ほら。」 裕太がポケットからチラシを出した。絵美の劇団が都内の小さな劇場で公演をするらしい。 「おっ!これかあ。」 「ママが連れて行ってくれるって。これで秘密にしなくていいね。」 「おいおいおい、前の事は言っちゃダメなんだからな。」 「分かってるよー!」 そうやって雅彦と裕太が2人でデザートを食べている時、美樹はパーティー会場横の別室で絵美と話していた。 「今回は色々助かったわ。ありがとう。」 「いえ、お役に立てて良かったです。あれで良かったんですか。」 「ええ、もちろん。それにしても、あのダメ男がこんなに変わるとはね。」 「でも、美樹さんは平気なんですか?ダンナさんが浮気するの。」 「させたのよ。気分良いとは言わないわよ。必要最低限ってところかしら。」 「ねえ、美樹さん。美樹さんも浮気してるんじゃないですか?」 「あら、当たり前でしょ。そんなこと。」 「うーん、聞いていいですか?」 「いいわよ。何でも。」 「どうして離婚しないんですか?」 「どうして?」 「そう。どうしてですか?自由に恋愛出来るじゃないですか。やっぱりお金とかですか。」 「お金??」 美樹は、いかにもつまらないとばかりに答えた。 「離婚したら、浮気出来ないでしょ。」 「えー!」 「アダムとイブ知ってるわよね。」 「は?あのアダムとイブですか。」 「人は何故、神を愛するのか?」 「何故ですか?」 「罪があるからよ。」 「罪!じゃあ、私の仕事って結構役立ってるんですね。」 「もちろん、あなたは天使なの。」 「天使かあ。じゃあ、そろそろ仕事なので行って来ます。」 「天使の仕事、頑張ってね。はい、これ。」 「ありがとうございます。次はありますか?」 「もちろんよ。放っておくと、勝手に許しちゃうのよ、人間って。」 絵美は美樹から封筒を受け取ってカバンに入れた。そのままホテルを出てタクシーに乗り、新宿の歌舞伎町へ行く様に伝えた。 完

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こきもりん
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  • ひょん
    ひょん

    劇団による余興が終わって、裕太は絵美に話し掛けていた。雅彦はいかにも興味なさそうにして、美樹に裕太を頼むと言って、絵美を外で待つことにした。やがて、外に出て来た絵美は雅彦を見つけると、仲間に声を掛けてこちらに向かって来た。

    「絵美ちゃん!」
    「久しぶり!どうだった?」
    「面白かったよ。劇団員だったんだね。」
    「そうよ。イヤらしいの想像してたでしょ。」

    図星過ぎて雅彦は言葉を失った。

    「いいよ。わざとそう言ったんだから。」
    「いや、失礼しました。ところで、さっきの電話。」
    「あー、見つけたからさ。サプライズしようと思って。」
    「明日って言ってむちゃくちゃ後悔して、落ち込んでたんだよ。」
    「すぐって言ってくれないなと思ったよ。」
    「ごめん。」
    「でも、会えたでしょ。プロとして。思ったより早かったんだけどね。」
    「会えたね。早いとは思えなかったけど。次は?次はいつ会える?」
    「裕太くんに渡したよ。」
    「そっちかあ。分かった。」
    「じゃあ、私行くから。」
    「また、会えるよね。」
    「会いに来てよ。」
    「いつでも会う。すぐに会う。」
    「ありがと。じゃあね。」

    そう言って戻る絵美を見届けて、雅彦はパーティーに戻った。

  • ひょん
    ひょん

    雅彦がパーティー会場に戻ると、美樹が待ってましたとばかりに、化粧室に行った。その間に、裕太とデザートを取りに行った。

    「裕太、良かったな。絵美さんと会えて。」
    「それはパパでしょ。ほら。」

    裕太がポケットからチラシを出した。絵美の劇団が都内の小さな劇場で公演をするらしい。

    「おっ!これかあ。」
    「ママが連れて行ってくれるって。これで秘密にしなくていいね。」
    「おいおいおい、前の事は言っちゃダメなんだからな。」
    「分かってるよー!」

    そうやって雅彦と裕太が2人でデザートを食べている時、美樹はパーティー会場横の別室で絵美と話していた。

    「今回は色々助かったわ。ありがとう。」
    「いえ、お役に立てて良かったです。あれで良かったんですか。」
    「ええ、もちろん。それにしても、あのダメ男がこんなに変わるとはね。」
    「でも、美樹さんは平気なんですか?ダンナさんが浮気するの。」
    「させたのよ。気分良いとは言わないわよ。必要最低限ってところかしら。」
    「ねえ、美樹さん。美樹さんも浮気してるんじゃないですか?」
    「あら、当たり前でしょ。そんなこと。」
    「うーん、聞いていいですか?」
    「いいわよ。何でも。」
    「どうして離婚しないんですか?」
    「どうして?」
    「そう。どうしてですか?自由に恋愛出来るじゃないですか。やっぱりお金とかですか。」
    「お金??」

    美樹は、いかにもつまらないとばかりに答えた。

    「離婚したら、浮気出来ないでしょ。」
    「えー!」
    「アダムとイブ知ってるわよね。」
    「は?あのアダムとイブですか。」
    「人は何故、神を愛するのか?」
    「何故ですか?」
    「罪があるからよ。」
    「罪!じゃあ、私の仕事って結構役立ってるんですね。」
    「もちろん、あなたは天使なの。」
    「天使かあ。じゃあ、そろそろ仕事なので行って来ます。」
    「天使の仕事、頑張ってね。はい、これ。」
    「ありがとうございます。次はありますか?」
    「もちろんよ。放っておくと、勝手に許しちゃうのよ、人間って。」

    絵美は美樹から封筒を受け取ってカバンに入れた。そのままホテルを出てタクシーに乗り、新宿の歌舞伎町へ行く様に伝えた。

  • ひょん
    ひょん
    まゆごん
    ひょんちゃん、こんにちは(~o~) そうそう、途中大人のムードになってきて「大丈夫?」とドキドキしましたよ😁 わからないのは、美樹の最後の言葉の意味と、歌舞伎町に行ったのには理由があるのかの2つです。設定はあるにしても細かい描写とかよく書けていて、引き込まれて一気に読みしたよ(*´ω`*)

    まゆごんさーん、こんにちは!😆

    電車でドキドキして書いていて、なぜかずっと恥ずかしかったですよー!😂

    美樹の最後の言葉は別に説明するとして、絵美の行き先の意味は、彼女が風俗嬢だという意味なんです。😅

    絵美は最初それっぽい事言うので、雅彦はそういう想像をしてたのですが、その後、劇団員として登場しますよね。雅彦は風俗嬢は勘違いだったと思ってるんですが、でも、やっぱり風俗嬢だったというオチです。😂😂😂

    雅彦は知らないままなんですけど。😭😭😭

  • ひょん
    ひょん
    まゆごん
    なるほど~💡 そこもどんでん返しなんですね😲 私も騙されてました😅

    そうなんですー!はっきり書くべきでしたか。😅

    で、美樹のセリフなんですが、これは端的に言うと罪悪感が、相手への親切を呼ぶという意味なんですね。

    まず、美樹はセリフにある通り、浮気をする事が好きなんですね。そういう罪悪感を楽しむ悪女なんですよ。

    でも、それだと自分だけが悪いでしょ。それもイヤなんですよ。なので、夫にも浮気をさせたんです。

    そしたら、思いのほか夫がダメ夫から良い夫に変わったんですよ。

    夫が浮気をすると、疑われるのが嫌なので、素行が良くなる。見た目、良い人を目指す。😅 よく、浮気した男性が、家族には本当に感謝してる!とかって言いますよね。本音だと思うんですよ。

    それが結果的に、このダメ夫を良い夫に変えたんです。

    罪の意識を持つ事は、相手への愛を呼ぶことがある。

    旧約聖書のアダムとイブは、禁断の実を食べた事を罪として、楽園から追い出されますよね。

    裏を返せば、この人間の罪が無ければ、人間の神への愛はなかったんです。つまり、罪こそが愛の根拠なんですね。

    美樹はそう考えたんです。美樹は、雅彦に対し浮気をする罪では飽きたらなくて、雅彦に浮気をさせる事で、雅彦の家族への愛を強めようとしたんですね。また、「浮気をさせる」という罪が、自分の雅彦への愛を強める事にもなる。

    これが続いている限り、この夫婦は安泰で、家族も平和だと。😊

    この物語では、全員がウソをついているんです。だから、皆んな仲が良い。😆👍🏻

  • ひょん
    ひょん
    ぶんきち
    ひょんさん、こんにちは😄お久しぶりです🙂 読みました。 今度は美樹の浮気の事になるのかなぁ~と、勝手に想像しております🤔☺️ 架空のお話ですが、女性はやっぱり怖い😱(^^;;

    文吉さーん、こんにちは!🤗

    お久しぶりです。😂

    読んで頂いてありがとうございます!😊🙇🏻😊🙇🏻

    美樹の浮気っていうのは、次回作って事ですかね?
    おそらく、これはここで終わりです。😅

    フィクションとはいえ、怖いですよね。もっと怖い話があるんです。

    この話の設定を考えたのは、女性なんですよ。😅

    「専業主夫のダメ夫が浮気して、奥さんは分かっているんだけど黙っていて、かつ、家族円満でハッピーエンド。女性は出来れば風俗関係の人。」

    これが設定です。これが成立する関係ってどうなの?と。😂😂😂


  • ひょん
    ひょん
    まゆごん
    なるほど~💡 確かに浮気をすると罪悪感から、家にいる時は家族によくしようと、いい夫、父親として振る舞うかもですね。 美樹もまた然りなんですね。 嘘でなりたつ家族愛、夫婦愛でも、マンネリ化して口もろくすっぽ聞かない夫婦より、うまくいったりするのかもですね😅それにしても美樹は恐るべしですね💦💦

    まゆごんさーん!🤗

    そうなんです。今回は浮気なんですけど、例えばこれをちょっと変えて絶対に見つからない毒を手に入れたとしましょう。妻が致死量に届くまで10日間毎日盛るとすると、毎日少しずつ相手の嫌な所が気にならなくなるんですよ。😅

    で、最後の一服を盛る時には、もう相手に感謝するまでになってる。

    で、躊躇して1日待って最後の一服を盛るんです。旦那がその最後の一口を口に入れようとした時、妻が急に倒れて死ぬんです。

    旦那は亡き妻に姿を見て号泣し、こう言って後悔するんです。

    「一度飲ませると10日後に効く毒なんて盛らなければ良かった。」

    さて、妻が旦那の事を見直せたのは、毒を盛った自分の罪のせいでしょうか、あるいは、夫が毒を盛った罪のせいでしょうか?😅

  • ひょん
    ひょん
    ぶんきち
    何か 名もなき毒 にあった様な話ですかね?(笑)🤔

    文吉さーん、こんばんは!🤗

    宮部みゆき!読みましたよー!😆👍🏻 内容覚えてないんですけど、主人公が恵まれ過ぎてて腹立った事は覚えています。😂😂😂 でも仰る通り、宮部みゆきはいかにもそういうの好きそうですよねえ。

    毒を持つとダメダメな人が急に良くなるっていう説話は結構あるんですよ。三島由紀夫にもありました。😆

    毒とか、罪とか、あっ!さっき見城さんも背徳から表現が生まれるってトークで仰ってましたね。🤗

    じゃあ、自分も一つと思っても駄目なんですけどね。芯がないから。😭😭😭

  • ひょん
    ひょん
    木内(きゅーちゃん)
    ひょんさん! 遅らせながら、読ませて頂きました!! 元々、小説大好きなのですが最近、みるきーに湊かなえさん紹介されてよく読んでたので、こういう小説大好きです(≧∇≦) また、ひょんさんの小説出来ましたら読ませて頂きますね! よろしくお願いします😌

    きゅーちゃーん、おはようございます!🤗

    ご感想ありがとうございます!🙇🏻🤗🙇🏻🤗🙇🏻🤗

    みるきー、湊かなえさん好きなんですねー。りおりんも好きなんですよ。なので、たまに読むんですけどドロドロ系の性格悪いのが出てくるでしょ。😂

    女性に人気って怖いんですよー。😭😭😭

    ちなみに、ゆきりんは小説あまり読まないんですよ。代わりにビジネス書読んでるんですよ。計算高いんですよ、ブラックだから。😱

    って、コラぁぁぁぁぁぁ!😡😡😡

    今後もよろしくお願いします。🙇🏻