おはようございます。 昨日読了しました。 随分前に買ってそのままだったんですけどね💦 一番感じたのはノムさんは常に孤独を感じていたという事。ノムさんは選手やコーチと食事に行くことはなかったらしい。情が移ると采配に影響するという理由で。キャンプや試合前にはミーティングで徹底して野球理論だけでなく社会人として、人としてどう生きるべきかを選手達に説いた。時には厳しく指導した。しかし結果に対しては叱らなかった。指揮官として結果を受け止めた。だから常に孤独だった。 ノムさんは自分に人望がないという。本気でそう思っていたようだ。実際は多くの選手やコーチがノムさんを慕い、尊敬しているのに、ノムさんはそれに気づかない。オレは嫌われ者という。しかし指揮官は嫌われなければならないという信念のもと、本当は寂しがりやなのにあえて孤独を選んできた。「人を残す」というライフワークのために。 最晩年、コーチや選手たちとの同窓会を経て、ノムさんは人を残せた事を感じて旅立った。2人の腹違いの息子を結びつけた。永遠のライバル長嶋茂雄への複雑な想い、そして最後の出会いと別れ、互いをリスペクトする2人の野球人の車椅子に乗った姿を想像すると涙が出た。 今、野球界にはノムさんのたくさんの教え子達が指導者として活躍している。まさに人を残したノムさん。それは彼が孤独を受け入れ、運命を受け入れ、その上で懸命に努力してきた証なのだと思った。上に立つ者の闘い方、姿勢を教えてくれる本だった。