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その男は思い出していた…青年時代の男は過疎化されていた田舎で、山小屋で薪割りをしていた。 (いつか都会に錦を立ててやる)…男はそんな思いで一生懸命勉強して都会に出てきた。 …そして大手電器製品会社の面接に受かり、1課長までになった。 その男の敏腕さは、社長にまで耳が届いた。 部長とは犬猿の仲と呼ばれたが、その部長をも打ち破り社長職にまでかけ上がった。 …そんな男が商談をまとめ終わった後に表参道大通りを、秘書と乗っていた車で車窓を眺めていた。 表は雨が降っていたところ、通りに(ライム・ライト)のライトアップに魅力を感じた。 男『私は此処で降りる、車を止めてくれ』 秘書『表は雨ですが、帰りに迎えを出しますか?』 男は傘を出して車を降りた、 男『迎えはいらんよ、直帰する旨を伝えてくれ』 秘書『分かりました、お気を付けて』 そうして車を送り出した、男の手には10ドルコインが握りしめられていた。それは、その男が何時もチップに払う額だ。 男は、傘をトントンとたたみ(ライム・ライト)の階段を降りていった。

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