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鈴江信彦 [新宿スワン]第10巻 和久井 健 著 講談社
わざわざ書くまでもないですが、友達や仲間から『バカだなあ』と言われることは最上の褒め言葉であり信頼の証です。
第10巻でタツヒコは自分を裏切った(であろう)マユミが心配で新宿から動けなくなります。そんなタツヒコを見てミネルバ幹部・吉川は『オマエ…えぇヤツ通り越してバカやのぉ』、『まぁ…そーいうのも必要やな』という言葉を発します。
また、自分のことを心配してミネルバの寮までやって来てくれた裕香に対してタツヒコは後先も作戦も考えずに『バーストに乗り込みます!』と宣言し、裕香から『だからいきなり結論に飛んでどーすんのよ!タッちゃんバカだし』と半ば呆れられます。
やはりこの『バカだなあ』と言われること。これは最上の褒め言葉・信頼の証でしかないです。
今更ながら僕は第10巻のタツヒコから"つまらない学習なんかしなくていいんだ"と強く感じました。
バカを貫こうとすれば必ず摩擦が起きます。タツヒコのように必ず痛い目に遭います。大体の人間は大人へと成長する過程で"バカ"を捨てるのです。だからこそ"バカ"を捨てないタツヒコの人間としての凄みが光ります。
第10巻では関が自らタツヒコの捜索に乗り出します。関はバーストの幹部ですから何でも自ら乗り出す訳ではないでしょう。やはり関も内心ではタツヒコを信頼していてケツ持ちのヤクザによってタツヒコが始末されてしまう前に自らの手で助けに行っているのではないか?僕にはそう思えてしまいました。
そして、関もまたタツヒコに負けず劣らず"バカ"なんだろうなあと感じました。
今回は本筋の感想とは言えないかも知れませんが、僕が第10巻で強く心を動かされたことについて書きました。