映画『パーフェクト・ワールド』
エンディングソングを聴きながら、この映画の世界感の余韻に浸る。エンドロールが終わった後も、私の心は痛み、哀しみにくれ、涙が止めどなく溢れでる。
この映画を観て、私の中で蠢くものは何だろう?不条理な世の中で生きることへのやるせなさと絶望感。
そして小学生の自分の記憶が蘇る。私は泣いている。まだ低学年の私が、喧嘩が絶えない両親を目の前にして、喧嘩の原因は自分だと責めている。決して私のせいではないのに…。母親が私に八つ当たりしたことも今なら理解できる。親が子に絶対してはいけないことを、私は両親から学んだ。
どんな状況であっても、親は子を傷つけてはいけない。親は命懸けで子を守らなければならないのだ。
この不条理な世の中で、信じられるものは、親が子を想う、子が親を想う無償の愛なのだ。パーフェクトワールドは未来ではなく過去でもなく、ブッチとフィリップの間にだけ溢れていた。
前へ次へ