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2世

声が小さいので今日も授業中声が届かなかった。私は自己肯定感がゴミなので既に劣等感を感じでいた。けど他にも私とおなじような状態で授業を受けていた人がいた。大人しそうな人。声が小さいその人はなんとも言えない顔をし、諦めてシャーペンを分解していた。分解が上手くいったようでニタニタ笑っていた。一部始終を見ていた私と目が合ったその人は「分解させてもらってます顔」をしながら分解作業に戻っていった。これは見てもいいよというサインだと受け取った私は分解していく様を弟子のように見届けた。それはまるで職人かのように一つ一つ慣れた手つきでしていく彼女は妙なオーラを放っていた。私はそれを感じとった。2人だけの世界だった。名前はまだ知らない。

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