備忘録
トーク情報- モンベル
モンベル 時の流れは早い。小5の春、五時間目、僕はテストを受けていた。電柱がバカみたいに揺れた。水槽の水が盛大にこぼれた。隣の女子が泣いていた。僕はその子のことが好きだったから、ここはひとつかっこいいところを見せてやろうと思った。その子を励ましつつ、避難訓練の通り内ばきのまま校庭に向かった。停電か、信号が死んでいた。頭上にはヘリが飛んでいた。聞き覚えのないアナウンスが流れていた。ただ事じゃないなとは感じたけど、これは東海地震だとか、南海トラフがついに動いたんだとか、ネットで仕入れたオカルト話を夢中になって叫んでいた。その時の僕は、いつもと違う状況を楽しんでいた。背筋をゾクッと刺激するスリルを味わっていた。