蓮見 凉蓮見 凉 届け先は一つだけ。
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蓮見 凉 おどけたように語りかける舞は、まるで自分と過ごす明日を見つめるような優しい目をしていた。あの頃の面影を残すしなやかな体躯は、凛とした美しさを感じさせるとともに大輔と舞が離れていた時間の長さを大輔に突きつけた。
「…待たせて、悪かった」
その重圧に耐えられず口にした負け惜しみはあの頃から変わらない。背負うものが増えた今でも、舞の前ではいつまでも変わらない自信に満ち溢れた男でいたい、そう感じさせる程に舞の瞳は澄みきっていた。
「今度は、絶対待っててあげないからね?」
蠱惑的な視線で彼を貫こうとする舞に、不敵に応えた。
「見くびんな」
抱き寄せて、熱く唇を重ねる。そこには一片の躊躇いもなく、あるのは時を経て重なりあった二つの想いだけだ。
木枯らしは、彼らを避けて吹き抜ける。