10年前に私が解雇された会社が閉業したようだ。ビルの入口はシャッターが降りていて、駐車場は雑草がしばらく放置されていると見受けられるように生えており、1台だけ車が停めてあった。営業車ではなかった。パートさん達の自転車は1台もなく閑散としていた。私は心の奥底にあった澱のようなものが静かに消えていくように感じた。想像していたよりも感情は動かなかった。