ログイン
詳細
tomokazu

こういう指導者を増やしていかないといけないと思いう。 選手の意識を変えるのではなく指導者の意識も改革していかないとスポーツ界は変わらない。 ** 学ぶ指導者、選手を伸ばす ** 花巻東高校 野球部 佐々木 洋監督 長らく野球後進県とされてきた岩手から近年、大物選手が次々と生まれている。 なかでも、最も成果を上げているのが花巻東高校だ。 菊池雄星(西武)や大谷翔平(日本ハム)に続き、今春に3年生になる左腕投手の高橋樹也もドラフト候補とみられている。 そうした大器を成長に導いているのが、監督就任14年目の佐々木洋(39)だ。 甲子園に計7度導いた名伯楽は育成の秘訣をこう語る。 「 まだ成長段階にある子どもたちを伸ばすには、ピークを見極めてあげるのが大事。 高校時代がピークの子もいれば、その先にある子もいる 」 佐々木のピークを見極める方法は実にロジカルだ。 入学した1年生のひじにレントゲン写真を撮影。 骨の先端にある骨端線が開いていれば、まだ身長に伸びる余地があり、閉じていれば骨の成長が終わっている。 前者の子どもがひじに過度の負担をかけると故障のリスクが高くなる。 佐々木がこの知識を持っていたことで、プロで大きく花開いたのが大谷だ。 入学時にはまだ骨端線が開いており、佐々木は 「 ピークは22歳ごろと見なければ 」 と考えた。 「 骨の成長が止まって初めて、体が横に太くなり、筋力もつき始める。 伸び盛りの段階では負荷をかけすぎず、できる範囲で起用することが必要 」 指導者にこうした知識が欠けていたため、故障に苦しむ選手は少なくない。 一方、佐々木はトレーニング方法や運動生理学などを総括的に学び、科学的に選手を伸ばす。 「野球界では経験論ばかりで語られるところがあるが、うちではメカニズムとして教えることを大事にしている 」 たとえば、長らく言われているのが、「いい投手はお尻が大きい 」 だから投手は走り込みを繰り返し、下半身の強化が大事だとされている。 しかし、花巻東では必要以上に走り込みを重視しない。 「 走ってボールが速くなるなら長距離走者の球は速いはず。 投球動作を分解して考えると、下半身で大事なのは大臀筋。 足をステップするときに大臀筋を使う。 そこに筋肉を付けるには足を開いた状態でスクワットをやればいい。 よく 『 俺は走って鍛えた 』 という話が語り継がれているが、疑問を持つことも大事。 分解して考えていけば、正しいことが見えてくる 」 佐々木はあるプロ野球関係者から 「 最近、なぜ岩手の選手は育つのか 」 と聞かれたことがある。 「 簡単です。一番変わったのは選手ではなく、指導者です 」 指導者が懸命に考えることで、その熱や知識が選手の果実となる。 組織の上に立つ者次第で、大谷のように選手は大きく羽ばたのだ。 = 敬称略 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- ささき・ひろし 国士舘大2年時に指導者への転進を決意し、横浜隼人高のコーチに。 卒業1年目は同職を続け、翌年、社会科教師として花巻東に赴任。 2000年野球部のコーチに。 01年から監督として率いる。 05年夏には自身初、学校としては15年ぶりの甲子園出場に導いた。 菊池雄星を擁した09年春に全国で準優勝、13年夏の甲子園ではベスト4進出を果たす。 岩手県出身。

前へ次へ
T.fujitaのトーク
トーク情報