私は実は、見城氏のことはテレビでも見たことある幻冬舎の凄腕の社長さん、くらいのことしか知らなかった。 だから彼の著書を読んで、どんな人なのか、知りたかった。 読んで良かった。 著書の"はじめに"で、「この本のテーマは読書論である」と仰っているが、全体的に「755での見城さん」そのものだった（と私は思った）。 見城氏は著書の中でご自身のことを「何事も過剰なので」と仰っているが、とことんやる、ぎりぎりまでやって、結果を出す。 その"とことん"が「分かった=OK」に変わるのは、それが相手に一生懸命だと映るからだと思う。ある意味、刹那的かも知れぬ。 でも、一生懸命な人には「可愛気」がある。（女性の言う可愛いとは全く違う） 性格でも可愛気のない人はつまらない。可愛気とは人としていろいろなことで自分自身に培っていくものだ。見城氏は"はじめに"で「編集者は人間力だけで勝負する仕事だ。どれだけ、作家に刺さる言葉を突きつけて、作品を面白くしたり、深化させたりできるかで勝負している。」と仰っているが、可愛気のある人は、そういうものがその人間として滲み出る。「心に刺さる」とはそういう事だと思う。 本書は、読書論としてのお話しは世代の違いもあり、私には難しいものが多かったが、この著書の端々から、心に刺さる言葉をたくさん頂けたと思っている。