そういえばミロス・フォアマン監督の『アマデウス』のBDを購入してまだ見てません(笑)
この映画はすごく好きで、昔から何回も見てます
別にモーツァルトの音楽がどうこうというのではなく(当然素晴らしいですが)、興味深いのは天才像の描写ですね。いわゆる軽薄な若者に才能があるという設定がインパクト大でした
従来の天才像のイメージとは大きく異なる構成に魅力を感じます。天才とは人格者であり、精神的に成熟しているのが当然であるという考えが覆されるような凄みがあります
遊び気分が抜けきらない幼稚な若輩者にとてつもない天賦の才が備わっているという設定は、真面目なだけでは理解し難い人間の深淵を垣間見せるような実に複雑な感情を抱かせます
つまり、天才とは考えずにヒョイとこなしてしまうから天才であり、苦悩するのはむしろ何も出来ない証拠であると問いかけているように思うのです
もちろん天才にもそれなりに人知れない苦悩のようなものがあり、それを見せずに取り繕っている面もなくはないと思いますが、いわゆるインスピレーションがまったく異なるのでしょう
文字通り「稲妻の如く」とは、天才の閃きを表現するのに適切な言葉です
もうかなり昔の作品ですが、実に深いです
モーツァルト像を覆す斬新な演出が見事ですね
さすがアカデミー8部門受賞作だけのことはあります。それにしても、ミロス・フォアマンは『カッコーの巣の上で』といい、独特な素材を選ぶのが巧みな監督ですね。とにかく、天才のイメージを覆したという意味で強烈な印象がある映画です
Amadeus Ending
https://m.youtube.com/watch?v=LCQjrW0ofRE
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