
秋山純のトーク
トーク情報秋山純 幻冬舎箕輪 日報幻冬舎箕輪 日報 ■敗者の凱旋
人はどう思っているかわからないけど「オレは敗者だ」という気持ちはありますよ。それは謙遜して「敗者だ」と言ってるんじゃなくて「死ぬときに凱旋したい」とは思ってますよ。敗者が凱旋するときに、それが万雷の拍手で迎えられたらカッコいいけれども、そうじゃない。自分に敗者の凱旋の冠をかけてやりたい。石原慎太郎のエッセイ集のタイトルに『孤独なる戴冠』というのがあるんだよ。「孤独なる戴冠」とはすげえいい言葉で。シビれるタイトルだと思う。個体の掟で生きた人の言葉ですよ。
もう一個、石原さんと同世代の大江健三郎のエッセイ集で『厳粛な綱渡り』という本があるんだ。これもいいよね。『厳粛な綱渡り』。この2冊は両方ともエッセイ集の最高傑作だとオレは思っている。石原慎太郎の孤独は自由。何者にもとらわれず、自由に生きた石原慎太郎だけど、死ぬときに孤独なる戴冠をする思いだったと思う。「誰もオレを理解しない」。あんな秀でた人だから、孤独なる戴冠をするしかないのよ。あれだけの票を集め、あれだけの人気者になっても、孤独なのよ。


