見城徹見城徹 浜田省吾の[19のままさ]については拙著[編集者という病い](集英社文庫)で書いた。あの時のコンサートの光景は今も映画のシーンのように思い出すことが出来る。奇跡の夜だった。
ハワイで太陽が水平線に沈む海を見ながら部屋のラナイで白ワインを飲む。19歳の頃の初恋の彼女との時間が蘇る。同時にランボーの詩句を反芻する。自分は永遠の一瞬を生きている感覚に陶然とする。戦いの日々。戦士の休息。自己陶酔の極みの中で明日への手掛かりを探し求める。そんな一瞬があってもいい。
浜田省吾は僕と同じ12月29日生まれである。
また見付かつた、
何が、永遠が、
海と溶け合う太陽が。
ーーランボー[地獄の季節]小林秀雄・訳
片雲の風にさそはれて
トーク情報てんあつ - てんあつ
てんあつ 小田実里 (@odachantappuri) on X https://x.com/odachantappuri/status/1799459277134037447?s=12&t=UQtMHGkYr4L-k2mbWn1LsQ
てんあつ YumikoYumiko 『今日も明日も負け犬。』小田実里・著(幻冬舎)
見城さんの投稿を読んで、昨夜、丸善 丸の内本店で早速購入。読み始めたら止まらなくなり、一気に読み切りました。
朝日を見ることすらままならない主人公・西山夏実さんが病と闘いながら、次々と奇跡を起こしていく実話に基づく小説。沢山のことを諦めてきたからこそ、変わりたい、強くなりたいと、生きる力を取り戻していく姿に、こちらも自然と前向きな気持ちになれる作品でした。
随所に笑いあり、ツッコミありで、悲壮感なく読み進められるのも良かったです。受験や中学・高校生活のリアルな描写には、自分自身の青春時代もフラッシュバックして、不思議な引力も感じました。時折、空や星を見上げる描写も美しくて、16歳の著者の世界観に酔いしれました。
普段見落としがちな当たり前の幸せに改めて気づかせてくれる、そんな一冊です。見城さんが仰るように、奇跡の仕上げにこの小説がベストセラーになったらすごいな。