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黒田倫史

フランス3―3アルゼンチン。PKの末優勝はアルゼンチンに! フランスの中盤のリズムが悪いなか、デンベレの微妙なプレーからPKに。あっさりアルゼンチン先制しました。ビハインド後もフランスは中盤で回せず結局最終ラインからボランチまでしかボールが動かせません。それでもなんとか人数をかけて、一気に攻めようとした矢先、アルゼンチンのカウンターの餌食となります。メッシのパスから抜け出して裏を取ったアルバレスから繋いだマックアリスターの折り返しをディ・マリアがきちんとキーパーに当たらないように浮かしてコースに流し込みました。冷静すぎるプレーでした。決勝戦が終わった瞬間と誰もが思いました。 デシャン監督は前半終了間際に賭けに出ます。攻撃の中心になっていたジルーとデンベレを交代させて、テュラム、コロムアニを入れたのです。エムバペを真ん中に左テュラム、右コロムアニとしました。それでもアルゼンチンが老獪に交わしつつ、フランスは何もできないまま前半を終えました。後半に入ると徐々にフランスもいい形になりかけるプレーが増えました。チュアメニからテュラムへのパスからの決定機、コロムアニの個の突破など幾分ましになりました。しかし、グリーズマンが一向に調子が上がりません。この日はかなりコンディション悪かったようです。ついには後半26分にコマンと交代しました。同時にカマヴィンカも入ります。するとコマンやコロムアニなどがアルゼンチンを脅かす流れがやっとできてきました。何度めかのコロムアニの突破がPKを獲得します。エムバペは落ち着いて決めました。さらにその直後にはテュラムとのワンツーから抜け出したエムバペが鮮やかにボレーを叩き込みました。2分で追いつきました。ここから15分完全にフランスペースでした。アルゼンチンの勝因はここを凌ぎ切ったことかもしれません。フランスの迫力のある攻撃は、個の力を上手く生かしながら、連動した各人の献身からできており、アイデア豊富でした。並のチームならここでさらに失点していたことでしょう。このあと延長後半まで行き、ドローでPKとなりました。アルゼンチンの延長後半の得点はゴール直前はオフサイドではなかったですが、最初のチャンスになる時は完全にオフサイドで、VARにすらならなかったのは不思議でした。予選リーグでいくつもゴール取消しに泣いたアルゼンチンが最後には運よく見逃されました。予選で発動し過ぎたため、決勝トーナメントでは控えめになりました。少し不思議でした。 エムバペがハットトリックを達成した直前のPK獲得は主審がバランスを取って与えたものと思ってしまいました。故意ではないハンドだったため、アルゼンチンにとっては少し気の毒でした。しかしエムバペの冷静さは際立ちました。アルゼンチンはデパウルの献身と運動量が秀逸でした。メッシの分まで走って実質のMVPだったように思います。メッシは以前より一瞬のスピードは落ちましたが、キープ力と決定力はまだ最高峰でした。メッシを世界一にするという唯一最大のコンセプトを達成するためだけに全員が一丸となっていました。戦力では圧倒的に劣る相手を凌駕したのは見事でした。フランスは体調不良の選手多数の中でよく戦いました。4年後はエムバペ27歳であり、かつ若い才能がたくさん育っています。次回も決勝まで勝ち上がる素地はあると思いました。 アルゼンチンは優勝決めた後でのキーパーマルティネスや元代表アグエロなどが問題発言を繰返しました。メッシ優勝させたら何でもありというのは残念でした。でもまあラフプレーやそういった挑発行為もアルゼンチンの真骨頂ですから。メッシ自身は今はきちんと対戦相手へのリスペクトがあるのでそれが救いでしょうか。おそらく最後のワールドカップでメッシ優勝、全てがドラマチックに終焉を迎えました。 62試合観戦しました。今日から普通に眠れます。

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