ガムロックフェス 前半の対決イベント部分と後半のライブ部分で評価は分かれると思う。取り敢えず前半の6つの対決はあまりに企画がお粗末。なんだこれ？フリースロー対決？暗算対決？寒すぎる。しかも時間がなくなったとかで、最後の大縄跳び対決は、司会のウーマンラッシュアワーを押しのけて指原が仕切り。 しかも時間がないからさっさと終わらせましょうととんでもなく雑な進行。指原の仕切りを評価するツイートもあったらしいが、そもそも論としておかしい。運営スタッフの進行のマズさが目立ったと思う。 対決の最中に中休みで曲交換。HKTが『二人セゾン』欅坂が『スキスキスキップ』だった。これは新鮮でとても楽しかったが、HKTは相当練習してきたと思う。咲良のソロダンスには会場を埋め尽くした欅ヲタから感嘆の声が漏れていた。 一方の欅坂は明らかに練習不足。曲中のスキップする振り付けもグダグダだし、そもそも振り付けを覚えきってない子もいた。推察するに、HKTは公演もないことから振り入れと練習時間もたくさん取れたのだろう。対する欅坂は下手したら今日の振り入れじゃないだろうか。 前半のお寒いかつ雑な進行と比べてライブは非常に盛り上がったと思う。先に歌ったのは欅坂46。『大人は信じてくれない』『語るなら未来を…』から始まるセトリは、ユニットを除けば今の欅坂のベストのセトリだ。何と言ってもラスト3曲の『二人セゾン』『世界には愛しかない』『サイレントマジョリティ』は圧巻。 いつも通りに全員で一つの作品を表現する欅ちゃんたち。熟成されたダンスパフォーマンス、センター平手友梨奈の恐ろしいほどの存在感。初めて生で見た欅坂46のパフォーマンスは問答無用に感動をくれた。凄いの一語に尽きる。涙が出てきた。 そして対するHKT48は博多らしく『しぇからしか』入る。きっと指原のセトリなんだろうなと思いつつmixアンドコール。が、ここから『HKT48』『君のことが好きやけん』『ハイテンション』の流れには疑問を感じざるを得ない。何故HKT48のオリジナル曲で行かなかったのか。『大人列車』だって『控えめI love you』たって良いじゃないか。 特に『ハイテンション』なんか違和感しかない。指原がいつも通りに煽りを入れまくるのだけど、どこかその表情も余裕がない。例えば『桜、みんなで食べた』はHKTのライブなら会場中がピンクのペンライトに埋め尽くされるが、9割欅ヲタのここでは変わらない。 もちろん煽りに乗って声は出してくれるが、基本的にmixを打たない坂道的には名前がわからないとコールもしずらいというのはあるだろう。ただ俺がハッキリ思ったのは「あ、またこのパターンか」だった。去年のガムロックフェス、サシコド、ホールコン、それらと代わり映えしないセットリスト。 この何年間か少しでも進歩はあったのだろうか？欅坂は常に必死に表現しようとしている。そのためのダンスパフォーマンスだ。HKTはどうだろう。盛り上がればそれで良いのか？それはノリの良い曲を持ってくれば自然とそうなるだろう。 歌ってるメンバーは確かに楽しそうだ。でも何を目指し何を表現しようとしてるんだろう。楽しいのがHKTだからねとは森保まどかの言葉だが、本当に欅ヲタさんは楽しかっただろうか？いや、あのステージで欅ヲタがHKTのファンになるだろうか。 メンバーのぐぐたすを読むと色々と思うことがあったと書かれている。美久のモバメには終了後指原がメンバーに話をしたとあった。さすがは指原莉乃、今厳然としてある欅坂とHKTの差に彼女はハッキリ気がついている。いや、メンバーだってわかっているはずだ。 言っておくがこれは技術論ではない。だから博多ヲタが「いやHKTだって最高だったよ！」「◯◯のパフォーマンスだってすごく良かった！」と言って見たところで何の意味もない。いくら推しフィルターをかけて褒めたところで現実は違うのだ。 今この欅坂並みの感動を与えられるエンタテインメントを体現しているのは栄の公演やチーム8ぐらいだろう。もう一度言う。どんなに推しフィルターをかけても無駄なのだ。HKTは今危機的な状況にある。それは間違いない。 願わくば今日のステージを経験したメンバーが、それを持ち帰り、直近にあるコンサートなり、再開する公演なりに生かしてほしいと切に思う。