鈴木秀美さんの「オーケストラ・リベラ・クラシカ」20周年記念コンサートが昨日行われ、ベートーヴェン「運命」が演奏されました。 私は、それを聴いて 青木やよい著「遥かなる恋人に ベートーヴェン・愛の軌跡より」の次の文章を思い出しました。 「1806年にベートーヴェンが、…ウィーンに向かう途中で豪雨に見まわれ、鞄の中に入れてあった作曲したばかりの『アパッショナータ』の楽譜をぬらしてしまった。なぜかベートーヴェンは、それを持ったままビゴー夫妻を訪れたのだった。びしょぬれの楽譜を見せられたマリー・ビゴーは、ひと目でそれにひきつけられて、ピアノで弾きはじめ、最後までよどみなく弾いた。 ベートーヴェンは驚いて言った――『私がこの曲に与えようと思っていた性格そのままではないが…………何かいちだんとよくなっています。』」 ベートーヴェンに聴いて欲しかった「運命」だった。