#門外不出モラトリアム
劇団ノーミーツによるリモート公演を視聴しましたので感想を書いて行きたいと思います。
今回の演劇の見せ形の試みは、新型コロナ終息後にも生きる知見となったと思いました。
「リモート公演とは」と言う形を一つ見せれたこと、完成に至るプロセスなど略前例がなく試行錯誤したことなどだと苦労が見てとれます。
ただファーストラビットと言うことで、まだフワッとした感じでした。
これを見終わった時に、ちょっと首をかしげてしまいました。
まず、このリモート公演とはどういう位置付けなのか。
新型コロナ蔓延を切っ掛けで立ち上げた企画であるが、終息後もこのコンセプトで続けるのか、それとも終息後劇場などでの公演が可能となれば止めるような感じなのか。
私個人どちらでも良いと思います。
もし、前者の方向であれば、当然違う作品も観てみたいと思います。
今回の作品については、この新型コロナで多くの方が自宅で過ごしていると言う状況があるから世界観に寄せれ
らたのかと思います。
ただ、どうすることもできないんですが解除報で若干ズレが生じてしまいましたが・・・こればっかりは仕方ない。
出演されてる役者の方々は、非常に演技も細かくリモート配信の特性も良く理解されていて、仕草や表情表現が良く合っていたと思います。
しかし、一視聴者としてかなり課題も感じました。
まず、劇場のように客と役者が時間の共有はできるものの空間の共有ができないのはかなり厳しいと思いました。
客が劇場に行く動機として、空間の共有を得る為に時間の束縛を伴うと思っていて、今回のパターンだと観る側に時間の制約のみを強いていることです。
時間の制約をいかに「時間を画面を通して共有しているんだ」と感じてもらう必要があると思いました。
次に、劇場と言う空間に客が入らないことで現実からの隔離がかなり難しいことです。
視界を外せば自分の生活があるわけですから・・・
また、視聴環境の問題も有るのでしょうが、どうしても音に距離感を感じました。
改善するのであれば、映像などの視覚的表現より、ズバリ音や声などの聴覚的表現に軸足を置くべきだと思います。
今回は、おそらくリモートの画角ありきで作った作品だと思います。なので、その画角の中での仕草や表情等に軸がいってい、音楽や声の表現の盛り上がりがイマイチ伝わり難かったです。
なので、私個人の考えとして音楽や音、声等の聴覚表現をメインに考えて、映像や仕草等の視覚表現でそれをどう補うかを考えた方がいいと思います。
視覚表現は、スマホやPCの画面サイズですが、音や音楽、声は空間に響きます。
これって、劇場と同じ空間の共有に近づきません?
最後に、世間がこんな状態でこう言った不要では絶対ないものの不急とされてしまう業界はかなり厳しいと思います。
しかし、このような形で新たな表現方法を開拓することは、この業界の使命だとも思います。
ああだこうだ書きましたが、どういった形であれ次回作を楽しみにお待ちしております。
#門外不出モラトリアム
#劇団ノーミーツ