藤田晋bot藤田晋bot 最近、週1ペースで社長アシスタントに
配属された新人たちが、
新規事業プランを提案してきます。
先日、頭ごなしに
「それは沈殿プランだよ!」
と提案されたアイデアを却下しました。
それは
【教師が作成したテスト問題を売買する、
マーケットプレイス】
というものでした。
学校の先生の自信作や、人気の予備校の先生が作成したテスト問題を、先生本人が出品し、教師も親も生徒も買えるようにします。
先生の思わぬ副業になるかも知れないし、
テスト問題を作成する手間を合理化できるし、予備校市場や、参考書市場に変革を
起こすかも知れません。
しかし、私は、
「脈絡がない」
「切り口になじみがない」
といった言葉でダメな理由を説明しました。
「先生に、テスト問題を売買するという習慣がない」
「親や生徒にも、ネットで問題を買うという習慣がない」
と言って、新人に順序立てて説明
する時間は無かったので、とにかく
頭ごなしに却下しました。
私はこのような理由で新規事業を
見送ることが多いのですが、
何故か世の中では、
誰かがGOサインを出してしまったり、
投資を決めてしまうようです。
目に映るのは、僅かに成功している
サービスばかりだから気がつきにくい
ですが、事実、ネット上には、
なじみがない切り口のサービスで、
日の目を見ないまま、
ネットの海の底に沈殿していった ものが星の数ほどあります。
「コンセプトは良かったのにね。。」
そう振り返る人は多いのですが、
結局最後まで浮揚できず、多くの 人に気づかれることはないのです。
浮揚さえできたら素晴らしいものは
もちろんあります。というより、
ほとんどが浮揚さえできれば
素晴らしいものばかりです。
しかし、大半はその他大勢の中で沈み、
やがて沈殿してしまいます。
そのような
「ビジネスプランとして」見れば 素晴らしいアイデアに見えるのに、
「赤の他人として」見れば、
全く使わないか、知る術が無い、
というパターンは新規事業のアイデアを
聞いていると、とても多いです。
「コンセプト」は良くても「切り口」が悪いとでもいいましょうか。
ひとことで言えば、気づかれないのです。
新しい切り口を、広く浸透させて、
浮揚していくのは並大抵ではありません。
消費者(ユーザー)から見たときに、
・誰かに口で説明してもらわないと分からないもの
・普段の生活でそのような習慣がないもの
・いざ使う場面でえそれを思い出せないもの
というのは、新規事業として立ち上げる
のは不可能ではないですが、 異常なほどの難易度です。
逆に立ち上がりやすいのは、
・類似事業があって「ああ、あれね」と分かってもらえる
・普段の生活の基本ループに組み込まれる
・日常的に使うもの(Facebookとか)に乗っかる
異常な難易度を乗り越えて、
新しい切り口を根付かせるところから
やるのは全く不可能ではないのですが、
私に頭ごなしに「ダメだ」と言われて
引きさがっているようでは、
いずれにしても無理でしょう。
あと、ネットビジネスはひとつのアイデアに固執し過ぎることは賢明ではないです。
「教師のマーケットプレイス案」が
撃沈した社長アシスタントは、今回は
ガチしょんぼり沈殿丸で引きさがってくれました。
社内の事業プランコンテスト「じぎょつく」も近いし、
コンセプトがよくても、切り口がよくないと新規事業を立ち上げるのは難しいよ という主張をしたかったのですが、
ガチしょんぼり沈殿丸が言いたいだけ
みたいなブログになってしまいました。
Chacoのトーク
トーク情報Chaco Chaco 藤田晋bot藤田晋bot 一昨日の日曜、一橋大米倉先生に
お誘いいただき、「日本元気祭り 」というイベントに参加してきました。
一緒に登壇したFrancfrancを展開する
バルスの高島社長とは初対面だった
のですが、同じ福井出身というのは
知っていました。話してみると、
なんと同じ中学(中央中学校)で、
同じ小学校(神明小学校)の先輩で
びっくりしました。
東京では滅多にお目にかからない、
田舎町だったからです。
トークセッションでは、私は
「元気も大事なんだけど、力の抜き どころを見極めることも肝心」 という話をしました。
このイベントに出かける直前に、
私のソーシャルフィードに、
「時間に支配されない生き方」の
著者ジョンキム さんの言葉が
流れてきて、それに共感したからです。
三流は、一切頑張ろうとしない人。
二流は、ずっと頑張ろうとする人。
一流は、頑張らないときが分かる人。
この話をしたときに、高島社長が「麻雀でも弱い人は毎回あがろうとするよね」
と口添えしてくれたのですが、
麻雀は4人でやってるので自分が
あがれる確率4分の1です。
それなのに毎回あがろうとする人は
自滅していきます。
また、サッカー選手の場合も、
90分間全力で走り続けることは
できません。
一流選手は力の抜きどころと
集中しなければならないところを
上手に見極めています。
マラソンは言わずもがなです。
よく仕事人生はマラソンのようなものと
いわれますが、私の感覚では
本当の勝負所は10%くらいしかなく、
実際はそれ以外の時間帯のほうが
長いです。
だからその長いほうの時間をどう
凌ぐかのほうが大事なのではないか
と思ってます。
ずっと頑張り続けることができる
特異なタイプの人をたまに見かけ
ますが、本人はともかく、
周りを巻き込むのは難しいでしょう。
とはいえ力の抜き方を覚えたベテランで、
肝心の勝負所に頑張れないようでは 一気に3流まで陥ってしまいます。
「今でしょ!」のタイミングで最大限の
集中力を発揮するためにも、
頑張らないときを見極められることは
とても大切なことだとおもいます。
ちなみに私の場合
(あー早く○○年○月にならないかな・・)
と思い始めたら、腰を据えて忍耐勝負
の長期戦と判断することが多いです。
福井県の人間は我慢強い県民性なのかも
知れません。Chaco 藤田晋bot藤田晋bot 昨日も書いた鈴木おさむさんとの会食中、
おさむさんから
「これフォーマット化しときたいよね」
というセリフを何度か聞きました。
その言葉に自分の中でハッとさせられ
たのですが、ヒットコンテンツを創り出す
ために、どれだけたくさんフォーマット を持っているかというのは、
とても大切なことなのだと思います。
ゲーム会社の方から
「いちど素晴らしいループを新たに
発見したら、それで10年食っていける」
と聞いたことがありますが、
新しいフォーマットを自分でゼロから
創りあげることはそれほど難しく、
また受け入れられないものなのです。
自分の経営者の仕事を振り返っても
似たようなことがいえます。
新しく何かを始めるとき、
何か問題を解決するとき、
組織や人事を行うとき、
(あ、このパターンはあのフォーマットが
当てはまるな)
というように、キャリアを積むに従って、
何か既視感のような、いつか見た光景
というのが増えていきます。
経験を積めば積むほど、自分の記憶
の中にあるフォーマットの引き出し の多様さが経営者の成長なのだ
と実感するのです。
一方、ネットビジネスのプロデューサー
としての自分は、未知なる分野であるスマホ事業に注力してからというもの、
新しく開発するサービスとは、いつもゼロベースで新鮮な気持ちで向き合ってきました。
PCともガラケーとも違う、ひとつとして
同じものはないという心づもりで取り組んできたのですが、最近は日々の仕事の中で、「あ、これはあのパターンが使えるわ」と感じる頻度が増えてきました。
今後は、自分たちのノウハウをいちど
抽象化し、または論理化し、フォーマット化して残しておくという作業を怠らないようにしなければならないと思います。
週明け月曜日には、
「2巡目、3巡目に手掛けるサービスで、
大ヒットを生み出す可能性がある」
というコンセプトのもと、
既に1度はスマホサービスを立ち上げた
経験があるプロデューサーを集めて、
新規サービスを生み出すための、
1日合宿を行います。
これまでフォーマット化してきた経験が
活きるとよいのですが。Chaco 藤田晋bot藤田晋bot 今週、役員数名で飲んでるとき、
「色々試すのが大事なのにね」
と日高がぼそっと言ってたのですが、
当社にいればそれは当然の感覚です。
事業の柱がどんどん変わりながら、
10数年も連続して成長し続けている
からです。
たくさんの新規事業に挑戦し、
たくさんの子会社を設立し、 たくさんのスマホ事業を試したから、
その中から収益の柱となるような
今の事業が生まれ、育ちました。
そして今後もそうでしょう。
しかし、これを逆の見方をすれば、
こんなに失敗したのかと驚くほどの
数の失敗した事業が存在します。
失敗した事業がたくさんあるから、
成功した事業がたくさんあるのです。
にも関わらず、
失敗した事業を見つけると、
鬼の首を取ったようにそれを追求
してくる人もいます。
他社のことで申し訳ないですが、
大勢に全く影響ないのに、
「Denaはcommが成功してない!」
「楽天はKOBOがうまくいってない!」
「やばいんじゃないの?」
と言っているような話です。
実際、全然やばくないのです。
決算説明などでは目の前で、
人気ドラマ「半沢直樹」に出てくる
嫌な上役みたいな勢いで、
「どーするんですか!一体!」
みたいに言われることもあります。
そんな粗探しばかりしている人は
ネット業界の経営に向かないのは
もちろんですが、
大きな規模の成長を目指すなら、
そんなことを言われても動じない、
ハートの強さが必要です。
もちろんどれだけ多くの挑戦が 許容できるかは、
その会社の規模、資力、ステージ によって変わってきますが、
いちばん大事なのは、
経営者の器の大きさだと思います。
小さいことや目の前のことばかり
気にしてたらやってられないからです。- Chaco
Chaco 5Gスマホで56年前の渋谷にタイムスリップ――KDDIなどが「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」をスタート https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2001/24/news140.html
Chaco 藤田晋bot藤田晋bot 横浜で行われたあした会議を終えて、
帰宅しました。
今回のあした会議では、
しばらく我々を悩ませていた
2つの大きな問題を解決させるアイデア
が生まれました。
①
ひとつは、急激に社員数を増やしたことで、人材の見落としが起きている問題。
能力の高い人材を活かしきれていない、
本人のやりたい分野にアサインできてない、チームビルドがうまくいっていない、
単に埋もれている。
etc..
ピラミッド型組織の上層部から人材をみて
アサインを行おうとすると、
この規模になってくると、どうしても見落としが発生してしまいます。
それは、社内で経験を積ませることで
人材を育てることを主眼におき、新規事業を多数行い、日常的にスクラップアンドビルドが発生し、人材と事業のマッチングが多数必要な当社特有の事情ともいますが、
ネット企業においては、芸術的な人事案は、事業アイデアより価値が高いと、
私は思っています。
しかし、特有の事情だけに解決の糸口が
なかなか見つからず困っていたのですが、
あした会議で出たいくつかの案を
掛け合わせることで光明が見えてきました。
1.全社員のコンディションや得意分野、
希望などを入力したデータベースを作成
します。
2.人材やチームの状況は山の天気のよう
に変化するのでデータベースは月1で更新 します。その際に、面談だけでなくオンラインシートを併用して負荷を減らします。
3.社内エージェント部門を新設し、
エージェントとして動く社員数名が、
データベースを活用し、また直接の面談、
部署のニーズや自主提案なども含めて、
人材の抜擢や配置換えなどの
人事アイデアを提案します。
4.その人事アイデアを役員会で承認します。その際、適人(てきひと)ポイントを用いて評価を数値化します。
そのポイント数の合計は社内エージェント
部門の目標値となります。
1~4は、私が前職で人材紹介業の
立ち上げに携わっていた時の経験が
ヒントになりました。
最初は目視で求人企業と人材をマッチング
していたのが、候補者と求人企業の数が
増えるに従って不可能になり、
データベース化するしかありませんでした。
そして、そのデータベースの精度が高く、
それを使いこなすエージェントがいて、
初めて成立します。
そのエージェントの成果(売上)に相応
するのが4です。
1~4のうちのどれが欠けてもうまくは
いかないと思います。
②
もうひとつは、とある部門内にある
新しい事業をどうしても伸ばしたいのに うまくいっていない問題についてでした。
それは、議論しているうちに致命的な問題を発見しました。
大企業で社内ベンチャーを育てる時によく
失敗するのと同じ理屈だったのですが、
大企業の運営コストと同じように新規事業に振っていたら新規事業が育ちません。
また、新規事業の業績と大企業の業績を
一緒に混ぜたら新規事業の成果は小さくて
見えなくなります。
大企業内で新規事業を育てるには
税制優遇や特区のような考え方が必要
だと思います。
今回の問題は社内ベンチャーの話では
ないのですが、既存の大きな売上のある
部門と混ぜていたために、いまひとつ
力が入らないという組織力学に気づき、
管轄を分けて新たな部門を新設する
ことにしました。
②については具体的な話を伏せたので
何を言っているのか分からないかも
知れませんが、画期的な第一歩になる
のではないかと思います。
それ以外にも、
3つの新分野への新規参入を決め、
既存分野での新規事業もいくつか決めました。人事がらみの新しいアイデアもありました。
特に組織作りにおいては、
新しい分野で新しい事業を多数行う我々は、この規模になってくると見習えるものは少なくなってきました。
そんな中、組織課題に皆で向き合い、
自分たちの叡智を結集し、
自分たちの頭で考え抜いて、
自分たちで答えを出していくことの意義
は大きいと思います。
それは我々の組織のオリジナリティとなり、そのまま真似できない競争力になっていくはずです。
参加したメンバーは、全てを出しきって
終わった時点では全員ぐったりしていましたが、皆さん、本当にありがとうございました。Chaco 藤田晋bot藤田晋bot 「他に胸騒ぎするのないですか?」
さきほどのAmeba経営本部の定例会議で
聞かれました。
Amebaでは私と経営本部のメンバーで
100近いサービスの進捗状況を日常的に
管理しています。
なぜ「胸騒ぎ」が話題になったかというと、私は総合プロデューサーなので、
Amebaの各サービスのプロデューサーとは上司と部下の関係なのですが、
通常の仕事の中では見落としがちな
意外な盲点に気づいたからです。
それは、プロジェクトの進捗がよかったり、プロダクトの出来に自信があるチームのプロデューサーは、実によく報連相にきます。
社長室の前で私の出待ちしてでも、
私に途中経過を見せにきます。
それは自信があるから見てほしい、
喜ばせたいというのもあるでしょう。
逆に、チームが迷走していたり、
プロダクトの出来が悪かったりすると、
意図して私の死角に入るかのように、
報連相が途絶える人がいるのです。
経験上、そのパターンでいきなり完成
を見せられて、素晴らしい出来だった
ということはまずありません。
途中段階で指摘を受けることを恐れ、
問題を先送りした結果、取り返しが
つかなくなっているケースが多いです。
うまくいっているチーム→報連相に来る。
うまくいってないチーム→報連相にこない。
だとすると、マネジメントがいち早く
問題に気づいて対処しなければならない
のは、報連相にこない後者です。
でも、実際にはうまくいってないチームは
「こない」訳ですから、忙しいマネジメントは見落としがちです。
任せている仕事に胸騒ぎを感じたら、
介入のゴーサインとみて間違いない。 私は過去のマネジメント経験を通じて
そう考えています。
ということで、日常業務の中では
見落としがちな問題を発見するために、
胸騒ぎを頼りに、こちらから行って、
しつこく状況を聞いてみようとしている
ところです。
うざがられても、仕方ありません。
(なんだ気のせいかぁ・・)
であれば有難いのですが。