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幻冬舎箕輪 日報

『怪獣人間の手懐け方』  見城さんに初めて手紙を出すと、秘書の人から「見城が会います」と連絡があった。すぐに幻冬舎へ行った。  すごいオーラだった。会議室の空気が変わる。圧も感じる。  最初に「755の発言をまとめた本を作りたいです」と、単刀直入にお願いした。すると「あんなの本にはならないよ」と言われた。 その前にも755で直接「本にしたい」とお願いし、「あんなの本にならないよ」と返信されていたので、そうくることはわかっていた。 だから755での発言をただまとめるのではなく、発言を見出しにして、その言葉の真意を解説することで、仕事と人生について書くのだと説明すると「それ面白いね」となった。  「前作の『編集者という病い』はめちゃくちゃ面白いです。僕の人生のバイブルです。見城さんのコラムやインタビューを断片的にまとめたカオスな構成になっていて、結果的にそれが見城さんの波瀾万丈な生き様を表している。だから今回は、見城さんのことを知らない若い人にも読んでもらえるように、網羅的な構成にして、通しで読んだら見城徹の生き方、考えかたすべてがわかるような内容にしたい」と提案した。  「優秀だってわかったから、もう全部任せるよ」みたいに了承してくれた。このときは、熱意もそうだが、圧倒的な準備によるものだった。  最初の出会いはもっとも印象に残る場面なのだ。本の承諾を得た後も1時間弱話をさせてもらえた。見城さんの本や今までお事について感想を話し、見城さんの発言の裏側にあるであろう本意まで僕なりに考えて言葉にした。  帰り際、見城さんから「君は変態だ。熱狂がほとばしりすぎだよ」と言われた。  こちらが何者でもないときは、相手のことを想像し尽くして、あらゆる準備をして、接近しなければいけない。

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