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川尻恵太

結論から言うと。 彼女たちによる、彼女たちにしかできない「じょしらく」に仕上がった。 これは、僕の力ではない。 彼女たちの力。 僕は、あそこに向かって走れー!! と言うような曖昧な指示を出しただけ。 それを、悩んで考えて、立ち止まって、寄り道して、全力疾走して、息切れして、歩いて、汗かいて、笑って、泣いてを自主的にやってくれた。 僕の演出はよくこんな事を言われる。「演者の意思があれば、素晴らしい、意思がなければグダグダだ」 僕には、意思のない人を輝かせるような技量はない。残酷な演出家と言われた事だってある。 更に、 観ていただいた方にはわかると思いますが、 本人達がセリフとして言うには、少し残酷なセリフが散りばめてあった。正直、言いたくないと言われれば、変更するつもりだった。 前述の通り、意思がのらないと意味がないから。 それでもやはり、僕は「お前に何がわかる」と思われても仕方がないな。と、思っていた。 最終日に演者から、この役は私そのものでした。と言ってもらえた。 心をえぐって、それでも、前を見る。セリフに人生がのる。脚本家にとってこれ以上の幸せはない。 そして、何より、 舞台を好きになってもらえた事が、 本当になりより、嬉しかったです。 舞台は、大変だし、辛いし、面倒くさいし、疲れる。 でも、それは、楽しい!!という大きなパワーで、ぶち壊せる。 オーディションで15人を選ばせてもらった時、みんながなんとなく不安そうにしていたのが脳裏に残っていた。 どうにかして、どうにかして、 やって良かったと思ってもらいたかった。 だから本番が終わった後に15人が、またやりたい!と言ってくれた時、 すげー泣きそうになった。 親指が千切れるほど握って我慢したけど。 だから誰がなんと言おうと、この舞台は幸せな舞台だった。 この物語のEDソングは、この一文で終わる。 「これからもよろしくね」 彼女たちのステージはずーっと続いていく。 舞台「じょしらく」は宣戦布告だ。

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