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渡辺由利加

帰って欲しくないなぁ ダウンを着る彼の背中を せつなく見つめながら 「忘れ物はない?」 つとめて普通に尋ねた私。 少し間をおいて 「おまえだけな」 振り向きざまに言った彼。 胸も言葉も詰まって いったん俯いてから 「馬鹿じゃないの」 私は手を叩いて大袈裟に笑った。 彼も楽しそうに笑った。 エレベーターがくるまで 外はとても寒かった。 今夜も一人で眠れなくなる。

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