↑西脇享輔さんはニュースステーションで見たことがある。
印税の全てを犯罪被害者給付制度の遺児支援に寄付するという。
通り魔などの犯罪行為の被害者を救済する制度だ。
「孤闘」西脇享輔 著(幻冬舎)は、憲法21条「表現の自由」 「プライバシー権」を巡る争いの全記録。
離婚に伴う手続きや金銭の話も書かれていて
物凄く学びになる。
例えば、離婚調停では、幸せであったという証明をする。
財産分与では、収入はたくさんあっても、全部使ってしまって預金も財産もない場合、
コツコツと預金をしていた側から財産を分けてもらう など。
これは、不当利得返還請求の「現存利益」に似た民法の考え方で面白い。
そして、何より本書の根幹である。
「プライバシー権」
例え、認めららたとしても損害賠償額がこんなに少なければ、一般人には、なかなか浸透しない。
三島由紀夫さんの「宴のあと」新潮社 が発端となって判例法理となった権利である。
安倍晋三 元首相が亡くなり、憲法改正もされる見込みはないので、この権利の立場はこの先、変わることはないだろう。
本書を通して、率直な感想としては、プライバシー権に関しては、認められても損失が少ない。発信者側有利。「言ったもん勝ち」と捉えることができる。
今回、西脇さんの裁判がここまで泥沼化したのは、三浦瑠麗さんが、一行たりとも謝罪文を出さなかったからだ。
一般人の僕には、理解できない。
リーディングケースの三島由紀夫さんの「宴のあと」事件でも、謝罪広告は認められなかった。
たったひと言すら非を認めたくない。
人間の傲慢さを感じる。
裁判記録の記載では、三浦瑠麗さんの弁護士側の橋下徹事務所の方と木村草太教授の
「論点ずらし」が、見事である。
書籍として出版されてしまったからには、損害賠償額以上の損失が危惧される。
木村草太さんには、以前、ラジオ番組で「おすすめ本」を紹介してもらったこともあり、著書も何冊か読んだことある。
裁判での意見書はそういうものだと思うが、ちょっと残念だった。
西脇さんが、訴訟の中で何度も自分の「思考の枠」を外して考えシーンがある。
読んでいて圧巻だった。
中でも、脆弱な精神状態になった中で、筋トレを始める場面が、孤独な戦い、自分自身どの闘いを彷彿とさせる。
三浦瑠麗さんの主張する考え方は、順番を大切にする法律を、全く無視している。
自分の都合のよい方向に、ずらしている。
人の感情を利用した論点ずらし が多い。
長々と書いてしまったが、民事訴訟するにも「住所」というハードルから。
とても詳細に書かれている本書。
買って読んで良かった。
西脇さん、現世での幸せは諦めた なんて言わずに、西脇さんを慕ってくれる人を幸せにしてあげてください。
と、書きながら、自分自身を振り返ってます。
是非、また本を書いてください。
必ず、読みます。
お互いに死が訪れるまで、生きましょう。
見城さん、本当にいつもありがとうございます。本を読むたびに、自分の未熟さ、不甲斐なさ、不勉強に直面します。
ありがとうございます。
前へ次へ