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鈴江信彦
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[新宿スワン]第7巻 和久井 健 著 講談社 第7巻では登場人物の言葉のやり取りに痺れました。 発せられた言葉のどこまでが本音なのか?どこまでが嘘なのか、罠なのか?言葉と言葉とが交錯する緊迫感溢れる場面の連続でした。 その中で特に心を動かされた言葉は、64話で関が森長にかけた言葉「やめとけ 森長」です。 打算で動いていない、ただただ自分を救ってくれた田無のために死ぬ気で突っ込んで来た森長に対して関は「やめとけ 森長」と言葉をかけます。 「オメーはよくがんばったよ もういいだろ」と言葉を続けます。その言葉に森長は全身の力が抜けてしまい、その場に崩れ落ちます。 関の人を見抜く洞察力の凄さと共に人に対する関の優しい心が滲み出ている感動的な場面でした。 このような関の言葉に対して荒興星の逃げ場が無いまでに追い詰めて来る直裁的な言葉の数々に絶望感すら感じ、AV業界の闇深さを改めて思い知らされました。 荒が発した、「ボクらの商売の根本は"非情"だ」という言葉の恐ろしさ。"ボク"ではなく"ボクら"という言葉が、もうこの商売から足抜け出来ない現実を抉るように突きつけて来ます。 繰り返しになりますが、第7巻では登場人物の言葉のやり取りに痺れました。 言葉は自分の身を守る鎧でもあり、相手を抉る刃物でもある。いや、それだけでなく自分が発した言葉が自分自身を危険に晒す凶器にすらなり得ることを思い知らされた第7巻でした。

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鈴江信彦のトーク
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  • 鈴江信彦
    鈴江信彦
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    [新宿スワン]第9巻 和久井 健 著 講談社


    第9巻は対比の巻、陰と陽の巻です。

    第1話の冒頭は温泉旅行で宿泊した旅館での爽やかな朝。
    バースト社長・山城と幹部・関との清々しいやり取り。

    最終話の最後のページは打ちひしがれ、ため息をつきながらうなだれるタツヒコ。
    闇金からの督促電話に追い込まれながら「ごめんねタツヒコ」と独り膝を抱えるマユミ。

    第9巻では闇金の恐ろしさ、金の恐ろしさがしっかりと描かれています。
    闇金地獄に飲み込まれるのは借りる側だけでなく借す側も同じです。
    本業が思い通りにいかないからといって安易に闇金業に手を出してしまったスカウトマンの人格までをも変えてしまいます。
    タツヒコは金を借りる側のマユミにも、貸す側になってしまう同期のスカウトマン・井出にもきちんと目を見て諭したにも関わらず、マユミも井出も安易な道を選んでしまいます。
    第9巻はまさに闇金地獄の序章です。

    タツヒコの言葉はいつも相手を想い、相手がその時一番必要な言葉を、相手の目を見ながらしっかりと伝えます。
    第9巻でもタツヒコの姿勢に痺れっぱなしでした。
    そして、僕が大好きな関の二つの場面での言葉にも痺れました。
    一つは冒頭の温泉旅行の場面で社長の山城に対し、
    「でもよ 頭なんて下げんなよ!社長らしくビっとしてろや!そしたらオレらぁ幹部 最後までついてっちゃるわ」
    二つ目はタツヒコの昇進に対して不満を唱える牛尾に対し、
    「牛尾さぁ ゴチャゴチャケチつける前に オメーらの仕事 キチっとやれや!」
    関その場の状況を瞬時に読み取り、その場に必要な言葉を躊躇せず瞬時に出すことが出来ます。僕はそんな関に憧れます。

    第9巻は闇金地獄の序章、と書きましたが、それ以外にも数々の火種が燻っています。これらの火種が第10巻以降、どのように絡み合い、どのような事態を引き越してしまうのか。そしてタツヒコはこれから待ち受ける過酷な事態の中でも、己を貫けるのか。

    これから第10巻を心して読みたいと思います。

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  • 鈴江信彦
    鈴江信彦

    [新宿スワン]の登場人物であるタツヒコ、真虎、関。
    それぞれが格好良く魅力的ですが、僕は関が一番好きです(今のところ)。

  • 鈴江信彦
    鈴江信彦
    すいぞう
    昨日はたくさんの拍手ありがとうございました😭恐縮です。

    とんでもないです。
    すいぞうさんの投稿に僕は心を動かされました。
    心身の痛みや辛さ、悔しさ、もどかしさは本人にしか分かりません。
    その感情は忘れてはいけないと思いますし、その感情を思い出させて頂いたすいぞうさんには感謝の気持ちで一杯です。
    これからも宜しくお願い致します。

  • 鈴江信彦
    ジョージジョージ


    98年〜03年ぐらいの話だと思うんですけど、とにかく時代は闇金ブームでした。
    当時の東京を牛耳っていた不良は弘道会、山健組でもなく、静岡の後藤組や五菱会。
    彼らのシノギが闇金だった為、地元の不良上がりがみんなやっていました。
    (僕は相手にもしませんでしたが)

    和久井先生がその流れで取材されていたので、今でも後輩達の結婚式は先生のイラストが並びます。


    9巻に出て来たかは覚えていないんだけど、闇金のハラキというキャラは僕の高校の同級生になります。
    痛々しいキャラで、みんなにいじめられて退学していきましたが東京で本格的な不良になり成り上がっていきました。

    道玄坂というサグな場所で。


    ヤクザやバッドボーイから見れば、不良の世界は持たざる者が成り上がるサクセスストーリーでもあるわけです。
    (ろくでもない事をしているわけですが)



    闇金、風俗、ホスト、AV、スカウト、ヤクザ、キャバクラ、歌舞伎町。
    アンダーグラウンドな世界でタツヒコは白鳥の様に振る舞い続けられるのか。

    闇金編も消耗する物語は続きます。

  • 鈴江信彦
    鈴江信彦
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    ハラキは第9巻に登場します。

    タツヒコとマユミがハラキを訪ねます。
    ハラキはタツヒコに対し「彼女にとって深刻な話をするから席を外してくれないかな」と伝えます。

    ハラキとマユミが二人きりで何を話したのか。
    とても気になります。

  • 鈴江信彦
    鈴江信彦

    ジョージさん

    [新宿スワン]をご紹介頂き、ありがとうございました。
    [新宿スワン]を読み始めて本当に良かったです。