『王国の崩壊と再生』
欅坂は『不協和音』でまたこの
路線か~と思いライブも観てア
イドルよりアーティストだなと
距離を置いて見てたので、2期生
は全く分からないレベル。
とは言えAKBドキュメンタリー2
作目で名作を撮った高橋監督なの
で見ない訳にはいかない。そして
やはり見るべき作品だった。
インタビューは平手脱退後なので
中心である平手の心境は最後まで
分からない。しかし地獄の西武ド
ームで不死鳥にように甦るあっち
ゃんと対にした東京ドームでの平
手はソロ曲で終わる。
彼女はグループアイドルにいなが
ら結局一人だった。
監督が振り付け師のTAKAHIROに
「大人の責任ってなんですかね?」
と尋ねるシーンがあるが、この質問
に答えるのは秋元康や坂道の責任者
である今野であるべきだろう。
そしてこの物語を受容していた観客
にも向けられるテーマなのだ。
救いのある場面としては、『二人セ
ゾン』で平手の代役を任せられた小
池美波が自信がなく泣き崩れるのを
TAKAHIROが教え導くところ。重苦
しい作品の中でも灯が点った。
欅坂46はなくなる。しかし残る人は
いて、新しい血も入っている。次の
物語はもう始まっている。
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