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人生の豊かさについて  わたしは今、人生史上一番幸せだと思う。  ふとしたときに、あぁ幸せ♡ と思ったりする。  それは、ただ道端を歩いているときだったり、車を運転しているときだったり、スーパーで買い物をしているときだったり、あるときからいつもと変わらない何気ない日々の中で幸せを感じるようになり、その幸福感はずっと大きくなり続けてる。 10代、20代のころは何気ない日常の中で幸せを噛みしめるなんて、そんなことは一度もなかった。10代前半で芸能界デビューを果たし、わたしは瞬く間に売れていった。  映画のデビュー作で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、数々の雑誌の表紙を飾り、ある年の年間CM契約数は第1位で、周りの大人たちはみんなわたしに敬語で話しかけた。  スタジオに到着するとメイクルームはわたしの居心地がいいように抜かりなく準備され、今をときめくスタイリストが用意した素敵な服がずらりと並び、海外帰りの売れっ子ヘアメイクがわたしの注文通りにわたしをかわいくした。  ひとこと寒いと言えば周りの大人がどんなに暑くてもわたしの快適な温度になるようにクーラーを止め、用意されたお弁当をあまり食べなければすぐさま別の食事が用意され、誤ってものを落とせば争奪戦のようにその場にいる全員がそれを拾うために立ち上がった。  自分で拾おうとしようものなら全員から「いいよいいよ、大丈夫だよ、すぐ拾うから姫は気にせず座ってて!」と言われるので、わたしはあるときからものを落としても自分で拾おうとするのをやめた。大人たちはいつもわたしの機嫌を取りたいのだったら、それをさせてあげたほうが親切だと思ったからだ。  そんなふうに毎日どこの現場に行っても周りがわたしの機嫌を損なわないよう細心の注

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    ウチの庭の、金木犀。
    花が、咲き誇りまくっちょります ©︎ろこ。
    薫りを、振り撒きまくっちょります ©︎ろこ。


    金木犀を見ると、私は小学校の「手洗所」を思い出すんです。

    木造二階建ての校舎に、千人からの児童が通う、マンモス小学校だった、我が母校。
    裏門のそばに、別棟でトイレが建ててありました。
    石の壁に用をたして、下の幅広な溝を流してるいく、小便所。
    もちろん汲み取り式の、大便所。
    風が吹くと、カラカラと音を立てて回るトップエンドがついた、あまり役に立っていそうもない、排気用の煙突。

    母校の、百年からの歴史を物語る、古い古い作りの、「手洗所」の看板も凛々しい、由緒正しきトイレだったんです。

    そのそばに、消臭用も兼ねてでしょう、大きな金木犀が植えられていました。
    秋の盛りには、それはもう甘くて芳しい薫りで、トイレの悪臭を和らげてくれていたんです。


    金木犀で思い出す、もう一つのもの。
    それは、あの曲なんです。

    鳳晶子さんの「みだれ髪」を入れた歌詞から、「明星」を「みやうじやう」と読む粋。
    与謝野鉄幹との道ならぬ恋の、自らの熱情を歌った歌集を持ってくる若さ。
    「あの高速道路の〜」の疾走感は、晶子の熱い歌の引用で、よりその勢いを増すように感じられます。

    一発屋でしたが(失礼)、この曲は、私には忘れえぬ名曲なんです。

    それでは聴いてください、
    キンモクセイで
    『二人のアカボシ』



    ( 。・_・。 ) 53

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    ホワイト

    『二人のアカボシ』
    演奏:キンモクセイ
    作詞:伊藤俊吾
    作曲:伊藤俊吾

    夜明けの街 今は こんなに
    静かなのに また これから 始まるんだね
    眠る埋立地(うみべ)と 化学工場の
    煙突に 星が 一つ 二つ 吸い込まれ

    沢山 並んだ 街の蛍たちも
    始まる今日に 負けて
    見えなくなってゆく
    君とも 離れることになる

    あの 高速道路の橋を
    駆け抜けて 君 連れたまま
    二人 ここから
    遠くへと 逃げ去ってしまおうか

    消えそうに 欠けてゆく月と
    被さる雲は そのままに
    二人のアカボシ
    遠くへと 連れ去ってしまおうか


    橋の継ぎ目と 二人に届く
    電波には 懐かしいあのメロディーが
    聞こえてるかい 「みだれ髪」に
    沁みるよう 明星(みやうじやう) 遥か 彼方へ

    見渡せば 青 続く信号機が
    二人の想いを
    照らせばいいのにな
    明日の僕らは 何処にいる

    また 今日も 汚れてく街は
    蝕む煙を 吐き出す
    君の 知らない
    遠くへと 連れ去ってしまおうか

    瞬かない星が 一つ
    夜明けの街に 消えてゆく
    二人 ここから
    宛てのない明日を 探そうか



    僕の決意と 伝えきれない
    想いが 街の音に 消えないうちに

    朝焼けの水蒸気が
    隣の空を彩る
    懐かしいメロディーは
    風と共に 終わる
    君の 髪の毛が 震えてる

    あの 高速道路の橋を
    駆け抜けて 君 連れたまま
    二人 ここから
    遠くへと 逃げ去ってしまおうか

    さようなら 街の灯りと
    月夜と 二人のアカボシ
    最後の想いは
    君が 振り向く前に 話そうか


    夜明けの街

    夜明けの街

    夜明けの街



    ( 。・_・。 ) ♪

    #二人のアカボシ
    #キンモクセイ