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吉田真悟
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No.549 『動的平衡』  福岡伸一著  (2009/02/25 木楽舎) 2021/07/30(7/26読了) 坂本龍一氏とのNHKでの対談番組や放送大学の最後の授業などを観ていて、ずっと前から気になっていた方の本である。(顔はくいだおれ人形に似ている。) 分子生物学という分野がそもそもよくわからないし、「動的平衡」って何?と思って読み始めた。 分子生物学的に生命を捉え哲学として語ってくれている。 生命現象が絶え間ない分子の交換の上に成り立っていること、つまりは動的な分子の平衡状態の上に生物が存在していること、脳に記憶されるとは神経細胞(ニューロン)が回路を作り、さまざまな刺激に対して電気的、化学的信号となり伝達されることが繰り返される事であることなど、なるほどと納得できた。何度も思い出すことで脳神経回路が強化され強力に記憶保持される事を学んだ。これが自分には足りないのだと。 その他、錯誤に陥らないためにつまり直感に頼らないためには勉強する事とある。 正論過ぎるダイエット理論、飽食の時代が人類初めての経験でDNAレベルでは対応できていない異常事態である件、森鴎外が脚気の原因を細菌と妄信し約3万人の陸軍兵士を死に追いやった件、海軍は米糠を混ぜた食事で大過なく、その後鈴木梅太郎がビタミンB1を発見するなど、抗生物質と耐性菌の攻防、狂牛病の病原体のプリオン(ウィルスの1000分の1程度の大きさしかない)の話、ミトコンドリアの共生説とう面白いエピソードが盛り沢山であった。 朧げに考えていた命の仕組みを詳しく解説してくれているので、時間を置いて再度読み直そうと思う。 【引いた言葉】 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/福岡伸一 ラ・ホイヤ https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ラホヤ アミノ酸 20種 タンパク質:アミノ酸がいくつも連結した高分子化合物、数千万種ある パラダイムシフト(paradigm shift)とは、時代や社会において、常識的な考え方の枠組み(パラダイム)が、革命的、劇的に大きく転換(シフト)すること。パラダイムシフトの語はもともと、科学、学術分野において、革命的転換を意味する語として使われていたが、最近ではさまざまな分野で使われるようになってきた。科学におけるパラダイムシフトの例として、コペルニクスの地動説やアインシュタインの相対性理論、ダーウィンの進化論などが挙げられる。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シグモイド シグモイド(英: sigmoid)とは、ギリシア文字シグマ (σ) の語末形(?)に似た形のこと。S字形ともいう。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/胚性幹細胞 胚性幹細胞(はいせいかんさいぼう、英: embryonic stem cells)とは、動物の発生初期段階である胚盤胞期の胚の一部に属する内部細胞塊より作られる幹細胞細胞株のこと。英語の頭文字をとって、ES細胞(イーエスさいぼう、ES cells)と呼ばれる。体細胞より作られる人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは異なる。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/人工多能性幹細胞 膵臓が細菌感染から腸を守る新たな機構を発見 ー膵臓が腸の粘膜の第一線のバリアとして働くタンパク質を分泌ー  研究の概要 千葉大学大学院医学研究院イノベーション医学研究領域の倉島洋介准教授(東京大学医科学研究所臨床ワクチン学分野特任准教授)と東京大学医科学研究所粘膜免疫学部門の清野宏特任教授(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授、千葉大学大学院医学研究院特任教授)らの研究グループは、食物の消化を担う臓器として知られる「膵(すい)臓」が細菌感染から腸管を守る働きを持つことを初めて明らかにしました。膵臓から大量に分泌される「Glycoprotein2:GP2(注1)」と呼ばれる糖タンパクが腸内細菌の表面(線毛)を捉えることで、組織中への移行を抑えていることを見出しました。この膵臓タンパク質の分泌が損なわれると、腸内細菌の組織中や血中への移行が起こりやすくなり、炎症性腸疾患の重症化につながることを発見しました(図1)。 この成果はNature Communicationsに2月16日に掲載されました。 かそけき(幽けき) 今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す語。古語「幽けし」の連体形であり、現代でも雅な表現として用いられることがある。 アナロジー【analogy】 1 類似。 2 類推。類比。 そ‐てい【措定】 1ある事物・事象を存在するものとして立てたり、その内容を抽出して固定する思考作用。 2「定立」に同じ。 よう‐らん 【揺籃】 ① 赤ん坊を入れて、ゆり動かす小さなかご。ゆりかご。ゆさ。 ② (比喩的に) 幼年時代。また、一般に物事が発祥し、初期の発展を遂げた段階や場所をいう。

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  • 吉田真悟
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    No.733 
    『八日目の蝉』角田光代著
    (2007/3/25 中央公論新社)

    2024/05/14 
    (Amazon Audibleで3/19視聴)

    不倫相手の子供を衝動的に盗み出し、数年も連れ回す主人公に徐々に情が移っていくが、いつ捕まるのかと緊張感がずっと続いた。

    母親ごっごに付き合わされるが、決して不快ではない。子を守る母親として主人公の「希和子」になりきり、行く先々で世話してくれる他人の人情に触れ、逃亡生活をハラハラしながら追っかけて、最後は誘拐が発覚して捕まってしまい一旦ホットするも、今度は「薫」(子供)の目線でその後の第二章が始まる。希和子と同じような不倫をしてしまう薫に、またかといった諦めを感じる。

    希和子と薫の最後のすれ違いについても、やきもきしつつ諦めてしまう。
    そこで出会ったなら、お互いを十分に理解できただろうかな?

  • 吉田真悟
    吉田真悟

    No.734
    『キングスマン ファースト・エージェント』
    『キングスマン』
    『キングスマン ゴールデン・サークル』
    3作品、3/20に観覧終了(Amazon Prime Video)

    本気で作った紳士の国の映画だった。
    何度も観たが、痛快で面白い。金をかけているのがよくわかる。
    そして人が簡単に死ぬため罪悪感がない。そこが良い。

    「ファーストエージェント」
    1914年当時(どこまでが本当か私にはわからないが)
    凶悪な「羊飼い」との死闘を終えたオックスフォード公が、
    英国国王ジョージ5世の協力の下、高級テーラー内に国家権力から独立した諜報機関「Kingsman」を作る話。

    ・イギリス国王のジョージ5世、ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世、ロシア皇帝のニコライ2世がいとこ同士だったとは知らなかった。
    ・「羊飼い」を名乗る謎の男が世界を混乱させるべく秘密会議を開いていたが、ロシアの怪僧ラスプーチン、女スパイマタ・ハリ、ロシアの革命家レーニンといったそうそうたる歴史上の人物が登場する。後に世界を震撼させるキーパーソンたち。なのでなかなか、スケールの大きい時代がかったスパイアクション映画となっている。

    「キングスマン」
    キングスマンのメンバーの一人が冒頭で死んでしまい、その後任を危険な試験で選抜する。かつて自分の父がメンバーだったエグジーがもう一人の女性と選ばれるが、スマホを使い世界中を暴力的に洗脳する悪と戦うといった超アクション大作である。杖や傘などの独特の武器や防御アイテムが面白い。エグジーの成長と義理の父親との対決に鳥肌がたった。少年が一人前の大人にいきなりなってしまい、まぶしいのである。

    「ゴールデン・サークル」
    麻薬密売組織ゴールデン・サークルの女ボスとの闘いがメインのストーリィ。
    麻薬に仕込んだ毒物により世界中がパニックになるが、すんでところで解毒剤を手に入れて世界を救うというお話。
    米国諜報組織ステイツマンとキングスマンの関係(バーボンやテキーラって太陽に吠えろか?)が近いのか遠いのかいまいちわからなかった。親しい仲間の死がさらっとしていて心に沁みた。

    新作が出たら必ず観るよ。

  • 吉田真悟
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    No.735
    『変な家』 雨穴著(2021/07/22 飛鳥新社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ホラー・サスペンス。
    緻密にデザインされたディテールは凄いの一言。
    本当に怖くなり鳥肌が何度も立ったが、引き寄せられて先を読みたくなる。
    中毒性がある本である。夜に一人では読まない方が良いな。おしっこ漏らしそうだから、映画は観ない(^^)/

  • 吉田真悟
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    No.736
    『変な絵』 雨穴著
    (2022/10/20 双葉社)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/22に視聴) 
    ばらばらの不気味な話がどう合体していくのか?
    結末を知りたいのだが、恐ろしいし、不気味だし、躊躇しながら先を読んでしまう。一体誰が主人公?犯人?被害者?いびつな絵の意味が分かってくると恐怖が何倍にも膨れ上がる。
    最終章でやっと最初の絵の意味が分かり、主人公が分かって全部つながった。
    どえれー怖かった。
    夏にぴったりの本。

  • 吉田真悟
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    No.737
    『吉原手引草』 
    松井今朝子著
    (2007/3/1 幻冬舎)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/23に視聴) 
    身請けが決まった遊女・葛城が、幸福の絶頂に突然失踪する。多くの人のインタビュー(3人称多視点)でその事実が明らかになっていく。
    どうも、仇討ちが隠れているし、人情噺でもある。
    よくある形式だが、書くのは大変であろうと思う。
    いきさつを忘れてこの文章を今、書いている。はぁ。

    第137回直木賞受賞作と聞いて気になって古本屋で買った。大変面白かった。

  • 吉田真悟
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    No.738
    『夜と霧』
    ヴィクトール・E・フランクル著(2002/11/06 みすず書房)

    2024/07/01 (Amazon Audibleで3/24に視聴) 
    極限の恐怖でも生還することが分かっていたからなんとか読めたがきつい本だ。
    人間の尊厳やプライドが粉々になったとき、人は何をしだすのか?
    人類全体の負の貴重な体験記録である。子孫に語り継がなくてはならないと思った。
    今日石で追われた人達が明日は別の民を蹂躙する。
    今、ガザで起きていることはこの本とは全く関係ないと思おう。人類の進歩はいつまで止まったままだろう。共通の敵が現れない限り、その連鎖は繰り返すのだろうなぁ。愚かなり

  • 吉田真悟
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    No.739
    『読書という荒野』
    見城徹著
    (2020/04/03 幻冬舎文庫) 

    2024/07/02 (Amazon Audibleで3/25に視聴) 
    読んだはずなのに覚えていないことだらけで愕然とする。見城先生のお祖父様は森鴎外の友人で高名な医者だったそうだ。今更知る驚愕の事実。多分忘れただけなのだが。

    いったん読むと、とんでもなく読みたい本が増えてしまう。いや、前回もピックアップしたはずだが、怠慢である。『罪と罰』、『邪宗門』から読んでみるか。

    そうすると『仮面の告白』、『豊穣の海』、『金閣寺』などはいつになったら読めるのだろうかな。細かく読書計画を立てなくてはならないなぁ。早く読めよ自分!

    読書が荒野になる日まで精進しよう