礼二えもん礼二えもん2017年09月01日 06:37去年の暮れにこれを読んだな…放浪者の山頭火が山口県川棚温泉を安住の地にして庵を作ろうとしたが無用無意味の放浪者ヒーローは土地の人に受け入れられなかった…自由を追って生きる者のさびしい宿命だな…1
礼二えもん礼二えもん4年前一月七日寒の雨、考へさせる雨だ。△一杯の酒は甘露だつた、百杯の酒は苦汁ニガリとなつた。清貧に安んじて閑寂を楽しむ、さうなる外はない、それが時代おくれであらうと、何であらうと。何のための出家ぞ、何のための庵居ぞ、落ちつけ、落ちつけ。「身のまはり」三日の夜から今朝まで考へつゞけた、そして或る程度の諦観を握ることが出来たので、掃いたり拭いたり、身辺を整理した。あるのは命だけだ――まだ命だけは残つてゐる。さびしい昼餉だつた、ソバノコだけだつた。