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タクマ

🎶第1話. 「履物と傘の物語」-1-🎶 ここ赤晴町(あかばれまち)は、人口755人の小さな下町。 住人は大抵知り合いで、交通便も何不自由ない。 挨拶が飛び交い、人に懐いた鳩が平和を象徴している。 しかしこの町は昔から、比較的濃い酸性雨が降るらしく、木花はなかった。 住民はさほど気にしていないらしいのだが……。 さてさて、何だか今日の赤晴町も賑やかですね。 おっと何だかお店で騒いでますよ。 これは2人の老婆のお話。 ******** ******** ******** ゴチン!!!! 駄菓子屋さんの店内に鈍い音が響いた。 「早ぅ謝りぃ!!!!」 腰の曲がったお婆ちゃんが小さな男の子を怒鳴っている。 「まぁまぁトネばぁちゃん、翔太君も反省してるみたいですし……。」 店員さんも“その辺に”と言わんばかりに口を挟んだ。 10歳を迎えた翔太は、この町では有名な“悪ガキ”。 町の人にとってこれくらいのことは日常茶飯事なのだ。 それでもお婆ちゃんの怒りは収まらず、 「そういう訳にもいかん!!!またお店の物を勝手に持ち出して!!!もう、一度や二度のことじゃな……」 「ばぁばが買ってくれんきやろ!!!」 そう言って翔太は勢いよくお店から飛び出した。 「どうも申し訳ありません。孫も間が差したと言いますか……。」 翔太はトネばぁちゃんの孫にあたる。 「気にしないで下さい。外は雨降ってますしそろそろ暗くなりますので、トネばぁちゃんもどうぞ気を付けてお帰り下さい。」 トネばぁちゃんの家は町の端にあり、1階で傘を作って販売し、2階で娘夫婦と翔太の4人で暮らしている。 町の人は皆、そこで傘を買っていた。 トネばぁちゃんは深々と頭を下げてお店を後にし、家に向けて、コツコツと下駄を鳴らした。 ******** その頃翔太は、家の向かいにある履物屋の縁側に座っていた。 「あらあら。また拳骨されたのかい??可哀想に。はい、どうぞ。おはぎでもお食べ。」 「やったーー!!!!チエばぁのおはぎ大好き!!!ばぁばもチエばぁみたいに優しかったら良かったのに!!!」 履物屋のチエばぁちゃんは、トネばぁちゃんとは対照的で温厚な性格のためか、翔太はよくチエばぁちゃんの家に遊びに来る。 「でもお店の物を勝手に取ったらいかんよ。翔ちゃんも自分の物を取られるのは嫌じゃろ??お店の人も同じじゃ。お腹がすいたらいつでもおいで。チエばぁがいつでもおはぎをご馳走してあげる。」 翔太は納得したのか、左手に持ったおはぎを口に押し込み、 「チエばぁありがとう!!!また来るね!!!」 そう言って翔太は自分の家へ帰って行った。

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タクマのトーク
トーク情報
  • タクマ
    タクマ
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    [ミロ・カイムキ]ハワイ旅行の最終日に行かせていただきました。見たことのない美しい料理が次々に運ばれてきて、その全てがあまりにも美味しく、終始感動していました。
    最終日ということもあり感慨深く、涙したのは今思い返しても赤面します。

  • タクマ
    見城徹見城徹

    「出来るか?出来ないか?」ではない。
    「やるか?やらないか?」だ。
    「前進か?死か?」。待ってろよ。
    絶望から苛酷へ。押忍!

  • タクマ
    タクマ

    「絶対やってやる」と呟きながら開いた755で、見城さんのトークルームに行かせていただくと、こちらのお言葉を投稿されていました。
    挫折やスランプという言葉を耳にすることがなぜか最近多く、意識の中にずっと残っていましたが、まだまだ覚悟が足りないなと思いました。挫折やスランプを感じるほど熱狂できてるか?いや、絶対にできてない。「前進か?死か?」見城さんがそう言うんです。僕の覚悟はまだまだ足りません。
    後ろからピストルの銃口を突きつけられながら進む覚悟を持って、生きていきます。押忍!