5月21日(木)
外から何か騒がしい声がするので、
窓から顔を出して見てみると
50代くらいのおじさんと、
20代くらいの若いお兄さんが
道の真ん中で何やら口論している。
何と言っているのか耳を澄まして聞いてみる。
50代のおじさんが
「本物乗るんだからいいじゃねえか!!!」
と言っている。
お兄さんは
「でも僕は馳せたいんすよ!!!」
と言っている。
おじさんは
「馳せたいってなんなんだ!わからねえよ!」
と言っている。
しばらく聞いていると、
大体の話がつかめた。
おじさんはすごく飛ぶ紙飛行機を作れるらしく、それをお兄さんが見せてもらう約束の日が今日だったらしいのだが、
今日は湿度が高く、
おじさん曰く湿度が高いとあんまり紙飛行機が飛ばない気がして、初めて見せる人にあんまり飛んでないとこ見られるのは悔しいからあんまり見せたくないらしい。
でもお兄さんは明日オーストラリアに旅立つから今日中に見たい。
オーストラリアに行く飛行機に乗りながら
おじさんの紙飛行機に思いを馳せたいらしい。
まじでずっとうるさかったので
僕が紙飛行機を折って
「おい!にいちゃん!
これに思いを馳せろよ!!」
と言い、窓から紙飛行機をビュっと投げたが
紙飛行機がくりぃんっと回転して
部屋の中に戻ってきた。
すぐに窓もカーテンも閉めた。
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