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ロングコートダディ堂前

9月11日(金) 公園のベンチに座ってコーヒー(サンガリア)を飲みながらまったりしていると、 隣に小綺麗なおばさんが座ってきた。 ちょっとだけ胸の谷間が見えるなぁと思ったけど、よく見ると谷間ではなくインナーのシワだった。 おばさんは「うーん…」と考え事をしている様子。 僕は勇気を出して 「何かあったんですか?」と聞くと おばさんは 「もちろん…」と言った。 もちろんってなんやと思ったが、おばさんはそのまま話してくれた。 「あのね…音がね、もう一個あると思うのよ…音が」 僕が 「音?なんのですか?」と聞くと 「ドレミファソラシってあるでしょ、音。 あれね…もう一個あると思うのよ。 私見つけちゃって。 元々音は強い方なのよ。絶対王者っていうか。 絶対王者? 絶対王者じゃないわ、絶対音感。 何よ絶対王者って、絶対王者ではないわよ。 でね、音がもうひとつあるの」 僕が 「音がもうひとつ?なんですか?」 と聞くと おばさんは 「ユ」 と答えた。 僕が「ユ?」と聞くと 「そう、ユがあるのよ。これ聞いてみて」 と言い、おばさんは手作りの笛のようなものを鞄から取り出し、ス~っと息を吸い込み、笛のようなものに息を吹き込んだ。 すると、おばさんの手の中で 笛のようなものが少し膨らんだかと思うと 「パンッ」 と破裂した。 おばさんは 「痛っ!!!!!」と叫んだ。 僕が 「大丈夫ですか?」と聞くと おばさんは 「いや、痛くはなかったわ。ありがとう」と言った。

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