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ロングコートダディ堂前

10月6日(火) 栗拾いの季節ということで栗を拾いに。 山までいくのは本当にしんどいので 住宅街をてくてく歩いていると 大きな家の庭にそびえ立つ栗の木を発見。 栗が実っている。 しかし、この木から直接栗を取るのは栗拾いではないしそもそも犯罪に近い。 栗の木のそばに 「栗泥棒抹殺感情」 という看板もそびえ立っていた。 ぞくっと鳥肌がそびえ立つ。 栗の木と看板と鳥肌、すべてがそびえ立っているというわけだ。 しかし、あるアイデアがそびえ立った。 栗の木から落ちた栗が、家の敷地外に転がれば それはもう拾っていいのではないだろうか。 しかし、落ちている栗はまだ一つもない。 栗が落ちてくるのをじっと待っているわけにもいかず、僕は口笛を「ぴゅ~」と吹きながら 傘で栗の木をゴソゴサゴサッとした。 しかし栗は落ちない。 僕は大きな声で 「なんなんだよ!!」と叫んでしまった。 すると大きな家の玄関がガラッと開き、 1m90cmはあろう大家主が出てきた。 僕はとっさに身を隠し息を殺害した。 家主が帰っていくのをじっと待つ。 ザッザッと庭を歩き回る家主。 1分が3分に感じられるほど長い地獄の時間。 家主の足がピタリと止まる。 「みーつけた」 僕は人生が終了したと思い、 最後にこれだけは観ておこうと思い youtubeを開き、「アイドル 放送事故」と打ち込んだ。 しかし遠のいていく家主の足音。 チラっと見てみると、 家主は玄関の方へ向かっていくようだ。 家主の手には小さなバネのようなものが。 良かった。僕の存在はバレてなかったようだ。 家主はボールペンを分解している時に飛んでいったバネを探しているだけだったのか。 もちろん、空には綺麗な夕日がそびえ立っていた。

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