11月7日(水)
電気屋さんに行き、流行りの自動掃除マシーンを買ってきた。
本当はルンバが欲しかったが財布にお金があまり入っていなかったので、一番安かった「キープクリーンファイター」を購入。
2,980円という破格の値段だったが、見た目はほぼほぼルンバと変わらない。
made in familyと書いてある。
家族が頑張って作ってくれたのだろう。
早速家に帰って箱から出してみる。
キラリと輝くメタリックボディがなかなかカッコいい。
説明書が手書きでなかなか味があって良い。
「ファイタースティック」という棒のパーツも入っていた。
説明書には「あんまり思ったところを掃除してくれない時はファイタースティックを装着し、自分で操作してください。」と書いてあった。
とりあえず一回起動させてみることに。
床に置き、上部の電源ボタンを押す。
押した瞬間、キャリキャリキャリ!という爆音とともに
時速40kmほどのスピードで直進、
僕は「ひぃぃぃ!!!」と叫ぶ。
キープクリーンファイターは壁に激突。
壁が破壊された。
そしてそのままこぼれ落ちた壁の破片を丁寧に吸いだした。
破片を吸うごとに「ファイター!」という音がする。
一瞬何が起きたのか分からなかったが落ち着いて説明書を見てみると
「初回作動時は恐ろしい速さが出るときがあります。箱の中が窮屈で嫌だったのでしょうね。」
と書かれていた。ちゃんと見ておけば良かった。
「キープクリーンファイターはゴミを吸うごとにファイター!と元気よく発します。音がうるさく感じた場合はファイタースティックでスピーカー部分を強く叩いてください。」
とも書かれていた。
壁の破片を掃除し終わったキープクリーンファイターは別のゴミを探しウロウロしだした。
一度あのスピードを見てしまったので怖くて近付けない。
キープクリーンファイターはキッチンに置いてある大きいゴミ箱に接近。
そしてそのままゴミ箱の側面を虫のように這い上がっていく。本当に怖い。
登りきり、ゴミ箱の中にズボッと入るキープクリーンファイター。
ゴミ箱の中から「ファイター!キャラキャラキャラ!ファイ、ファイター!ファファファイター!ファイター!ファイター!」と聞こえてくる。
心なしか喜んでいるようにも聞こえた。
そのままゴミ箱ごと捨てた。
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