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ロングコートダディ堂前

3月26日(木) 体がガチガチになっていたので、マッサージ店へ。 ガチガチ 非常に硬い様子。 一般的には「かちかち」「かちんかちん」などよりも硬い様子に用いられる。 また、堅苦しい物事やしきたり、人の表情や動きが強張った状態を示す場合にも用いられる。 お店に到着。 60分の全身コースを選択。 専用の服に着替え、施術師を待つ。 「お着替え済みましたか?」 という言葉が聞こえたので 「はい」 と返事をすると シャッとカーテンが開き チンパンジーが現れた。 これは比喩的な表現などではなく、本当にチンパンジーだった。 マッサージ師のような服こそ着ているが 完全にチンパンジーだった。 すると、チンパンジーの後ろから人間がひょっこり顔を出した。 人間が言う。 「すいません、新入りなんですけど。 僕も後ろからサポートするんで、どうにか快諾してもらえないですかね?快諾してもらえればこっちも気持ちよく施術できるんで。 快諾してほしいです。」 僕は、「渋々」とかじゃなく「快諾」までいかないといけないのかと思ったが 「全然いいですよ!」 と、快諾した。 僕はベッドにうつ伏せになると 人間の方が 「アイマスクもお付けください」 と言うので、装着した。 「では、60分開始させてもらいます」 と言い、タイマーをピっと押した。 その瞬間、チンパンジーが僕の背中をバンバン叩き出した。 マッサージとかではなく、バンバンバンバン叩き出した。 僕が 「え?」と言うと カーテンのスャッという音が2回と ガチャガチャガチャという音がした。 恐らく人間の方が 部屋から出ていき南京錠を閉めた音だろう。 アイマスクを外そうとしたが 目とアイマスクの間が真空状態になる構造のようで、アイマスクが外せない。 僕は60分経過のタイマーが鳴るのをじっと待つしかなかった。 しばらくすると、バンバンの力が弱くなってきた。 疲れてきたのだろうか。 そして、ついにバンバンが止まった。 無音になる空間 本当に怖い。 しばらくすると 「ペロン」という音がした。 ペロンという音は4回聞こえた。 その後 「モシャリ」という音がした。 バナナだ。 バナナを食べているんだ。 疲れたからバナナを食べたんだろう。 その後しばらくして、 再びバンバンが始まった。 叩き始めが本当に怖かった。いきなりきたから。 その後、バナナタイムとバンバンタイムを数回繰り返し、タイマーが鳴った。 人間の方が、南京錠を開け個室に戻ってくる。 アイマスクを外してくれた。 恐怖に怯える僕の顔を見ながら、人間が 「次は仰向けになってください」と言ってきた。

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