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SKE版マジすか学園0.7~尾張新風篇(本編/後編)
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  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    第6話:平野とは?


    …………


    6月を向かえたその日
    名古屋も季節外れに暑い一日…


    ダブル(日高):こんな暑い日にこそ鍋がうまい!

    ……そう言って、いつものように3年の教室に入るダブル

    その目に飛び込んできたのは…

    …いつもと違う景色


    チーム赤からメンバー
    あかり(須田)、ストップ(矢方)、
    ツナ(松村)、ソーダ(惣田)に加え…


    学園最大派閥ごりチルを束ねる組長 りさこ(後藤理:3年)


    そして… 見慣れぬ他校の制服

    江御佐[エゴサ]女学院
    通称「エゴ女」

    その二枚看板のひとり…



    ピース(木崎:エゴ女3年)



    ざわつきを見せる3年教室…


    りさこ:いつぶりかね?
    こうやって5人が揃うのは。

    あかり:ピースがエゴ女に行ってからは、めっきり会わなくなったからね。


    ソーダ:………(沈黙)

    (いつも以上に溶け込めていないソーダ)


    ツナ:ピース… どうして突然でら女に顔を出したんだ?

    ピース:ストップとガンダムの話をしたくなってね(笑)

    ストップ:おぉ!分かってるね!


    ピース:それにしても赤からも久しぶりだよ!
    うちの先代 兄貴 によく連れていってもらったよ(笑)


    ……驚きのあまり、固まってジッとそちらを見つめているダブルにようやく気づく赤からメンバーたち


    ピース:おっ、誰?? 名前は何て言うんだ?

    ストップ:おい!!何ボーッとこっちを見つめてるんだよ!!

    ピース:あんまり見つめられると照れちゃう… シャイな私のこの言葉 届いてますか?笑

    りさこ:シャイって… どの口がそれを言うんだよ!


    ダブル:何故エゴ女のトップがうちに!?(いまだ状況を把握できていないダブル)
    まさか… でら女に喧嘩をふっかけに??

    ピース:(少し鍋を口にしながら)まさか… 違うよ!

    関係ない、喧嘩!


    あかり:うちら5人は同じ中学出身なんだ!

    名古屋三揆中学。

    うちらが“初めて”会った場所だ。


    ピース:いいから、あんたも食べな!(と言うとダブルに箸を持たせるピース)

    ダブル:えっ?(申し訳なさそうに)
    ピースさん…持たせる箸のむきが逆です…

    ピース:まさか、さかさま?

    (…そう言うと突然笑いだすピース)


    ダブル:どうしたんすか!?

    ツナ:こいつ今、回文にハマってて…

    “関係ない、喧嘩”
    “まさか、さかさま?”

    ……上から読んでも、下から読んでも

    ってことだろ、きっと。

    ピース:そう! 急に、今出来た!

    ツナ:来てねぇよ、あいつは!!
    あっ、そういうことじゃないか(笑)


    …そう言うと、ダブルが手に持つ不思議なものに気づくあかり

    あかり:ダブル… 何持ってんだ!?

    ダブル:あっ、これは… ゴマです!
    暑さを冷ます作用もあるらしくて!
    さすがに今日は暑いですからね。

    でも、暑い日こそ鍋がうまい!ってことで、赤からに味噌煮込みうどんも入れようかと…


    ピース:なるほど(何故か納得するピース)


    りさこ:おい!相変わらず頭悪いんか!!?
    どうせ鍋を食べるなら、赤からと味噌煮込み… 別々に食べる方が賢いだろ!!

    ピース:どうしてだ?一緒に食べる方が効率良いだろ??

    ダブル:さすがピースさん!!
    わかってらっしゃる!!天才は考えが違いますね!

    …その言葉に満面の笑みのピース


    ダブル:そうなんです!
    赤からには合うんですよ… 名古屋名物…
    せ~の!手羽先、きしめん、ひつまぶし… 味噌煮込みうどん… あと~

    ストップ&ピース:ガンダムだよ!

    …ピースの笑みが一点怒りの表情になる


    ピース:名古屋が生んだ唯一無二の名物… それはガンダム!!

    お前を殺す。


    ストップ:出た!ヒイロ!

    あかり:おい、止めとけよ!(止めようとするあかり)

    ピース:黙れ!民間人!!命令するな!


    ダブル:じゃあ、愛知産のゴマだけでも…

    ピース:おっ、ゴマ!(急に笑顔に)


    ダブル:あと高知産のカツオも…

    ピース:やはり、お前を殺す!




    …すると突然開く教室の扉

    男子の制服を来た姿

    エゴ女二枚看板の一人
    タンラン(宮澤)

    そして、エゴ女期待の若手
    コナン(熊崎)

    …さらにざわつく教室内


    タンラン:ピース、こんなとこに居たのか?
    相変わらず自由きままで… よそ様の学園をざわつかせてるんじゃないよ!まったく…


    ツナ:(小声で)自分も同類ってことが分かってないのか?

    ストップ:おそらく。似た者同士だね。

    コナン:あっ、赤から!!皆さんも好きなんですね!!
    私もなんです、赤から~!!わたしも赤から入れて下さ~い!

    あかり:あんたも分かる口かい!?笑


    コナン:赤からの旨さは、思うに… 野菜もあうし、トッピングもたくさんある上に、
    辛さを選べる!初心者は3辛がオススメ!


    …若干聞き取りづらい


    タンラン:おいおい、お前も自由かよ!! これ以上迷惑かけんなよ…


    ……そして ピースとコナンを連れて帰るタンラン


    タンラン:迷惑かけたな…

    ピース:いつかまた必ず三揆会しような!

    あかり:必ず!今度は全員に声かけてな。


    …………


    校門前…

    対峙する慈巴[ジッパー]のふたりとエゴ女の生徒たち


    慈子:あっ、お久しぶりでぇ~す!

    ピース:あんたらは、あの時のふたり?

    タンラン:あの時とは違って、着実に真ん中に近づいてるみたいだね。


    綾巴:あの時… 助けられた直後は、恨んだこともあった。
    でも、今は違う!感謝しかない。

    あなたたち二人は私たちの憧れだ。二人組として、いつか追い付かなきゃいけない大きな存在。

    タンラン:ありがたいね… でも「越える」じゃなくていいのかい?
    うちにもいい若手がいるしね!(コナンの肩に手をかける)…簡単じゃないよ。


    ピース:ここまでたどり着くのを待ってるよ。

    タンラン:じゃあな…


    綾巴:今日はここで、

    さよならです。


    ………


    校庭…

    大きな栗の木の下で…
    時期外れの異常な暑さを
    しのぐ四天王ジーク(東)


    その前に現れるメガミ(柴田)…


    メガミ:こんなところで涼んでたんですね… ジークさん。パン、食べますか?

    ジーク:やめて下さい、メガミさん。わたし 後輩ですよ。
    それに… この暑さで飲み物なしにパンとか、口の水分持っていかれちゃいますよ(笑)


    メガミ:例の1年達が学園をかきみだしているのはご存知ですよね?

    ジーク:みたいですね…

    メガミ:でも… あなたは気付いているはずですよ。
    新学期にみすみす見逃してしまった自分が、始末をつけなくちゃいけないってことを…

    あの日のあなたがニュータイプを見逃したから、平穏がくずれてしまった。
    あなたにはそれを止める義務がある。


    ジーク:メガミさん… 人の心を覗きすぎるのは、己の身を滅ぼすことになりますよ。

    でも… まぁ、いずれ止めてみせますよ。

    真ん中への道の険しさを教えるのも、うちらの役目ですから。


    ………

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.


    ………


    数時間後のお昼過ぎ…
    同じく校庭にて対峙する
    レイ(小畑)とジーク(東)


    ジーク:待ったよ… この暑さで、さすがにちょっとやられそうだ(笑)



    「待ってください!」

    そう言って現れたのは
    黒いパーカーを着た3人組…

    ジーク親衛隊


    ちんなる……改め、ガイア!

    じゅんなー……改め、オルテガ!

    ごんはた……改め、マッシュ!


    3人あわせて… 黒い三連星!(非公式)


    ガイア(川崎):あの日、手を差しのべてもらい、
    ジークさんについていくと私は決めた!

    マッシュ(高畑):この間 成長したのは、
    あんただけじゃないんだよ!

    オルテガ(村井):うちらの新しいフォーメーションで、あんたを倒させてもらう!


    ガイア:私たちにやらせてください!

    ジーク:わかったわかった…
    暑いから… さっさと終わらせてね。


    レイvs三連星

    ガイア:さぁ いくよ!!


    …そういうとレイを蹴りとばすガイア。


    ……黙って立ち上がるレイ


    ガイア:やっぱり思った通りだね。

    オルテガ:殴られないと本気になれないなんて笑えるね(笑)

    マッシュ:この学園に来といて、戦いたくないとも言ってたね。本当にふざけた野郎だ!!


    …三連星がレイに蹴りを浴びせ続ける


    ……そして、ジークの前で倒れるレイ


    ジーク:やれやれ… お前は何の為に真ん中へ向かおうとしてる?
    仲間のため? それとも自分のため?

    そのレイ(零)って名前は飾りかい?


    レイ:…………

    ジーク:その場所まで進むのに、誰かがお前のスイッチを押すのを常に待つ気かい!?
    うちの真ん中はね… 自ら掴みにいかなきゃ 掴めねぇよ!


    レイ:………どんなことがあっても諦めちゃいけない。
    こんなことで歩みを止められちゃ つまらない。


    …ゆっくりと立ち上がるレイ


    レイ:やれるとは言えない。
    けど、やるしかないんだ!


    …あの時とは少し違う
    それ以上に鋭い目付きになるレイ


    マッシュ:あの日見た生意気な目になったね。

    オルテガ:そうだね!

    ガイア:じゃあ、私たちの新しい技で決着といこうか!

    ……ジェットスト…


    瞬殺…


    レイvs三連星… レイ 勝利


    ジーク:いよいよ 待ちくたびれたよ… 暑さで目眩がする(笑)

    でも、いい目になってきたね。
    さぁ、始めようか…


    ジークvsレイ…

    互角に渡り合うものの
    ジーク優勢がつづき…

    限界が近づいてるレイ…


    ジーク:お前の想いはそんなもんか!?

    レイ:私は… 私はあなたに勝ちたい!


    そして…

    最後… レイが渾身の一撃をはなつ…

    しかし、倒れないジーク…

    そして、レイにとどめの一撃を入れる…


    ジーク:期待の… 若手の力…
    確かに……本物だ。これからも退屈しなさそうだね。

    にしても… さすがに………

    暑い……。


    暑さにヤられ、ジーク… 倒れる


    ……

    ジークvsレイ… ジーク勝利も
    暑さにより一時戦線離脱


    ………

    吹奏楽部部室…

    TO:ジークさんが倒れたみたいです…

    チュリ:私たちの仲間… 四天王でもあるジークが倒れた?何故だ!?


    ウザ:平野だからさ。


    ……なんてね(笑)


    ダンガン:それ全く関係ない。この暑さやろ。間違いなく。

    ウザ:確かにこの暑さじゃあいつはさすがにね(笑)


    TO:またジンロウという奴が、ジークさんにニュータイプとの戦いをそそのかしたとの噂です…


    ウザ:ジンロウ…

    チュリ:いよいよ目に余るね… 新しい風が…


    ウザ:チュリさん… 次は私がいくよ!
    新しい風も、そのジンロウってヤツも…
    私がまとめて相手してやる!




    つづく





    #さーて
    #次回の
    #マジすか学園 は?
    #ダブル です
    #いよいよ
    #トランペッタ
    #四天王 も登場!
    #佳境にむかって
    #物語は進みます
    #7話はついに
    #あのキャラの秘密が
    #明らかに
    #あの卒業メンバーも
    #出るかも
    #たまには
    #まじめに次回予告
    #こうご期待

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    第7話:みちがちガウ


    …………


    鍋を囲むチーム赤からメンバー

    ツナ(松村):ジークも倒れたらしい。

    ストップ(矢方):例の1年にヤられたのか?


    ツナ:いや、暑さにヤられたらしいよ(笑)

    ダブル(日高):ただ、やりあった白パーカーのヤツもしばらくは無理とのことです。


    あかり(須田):いよいよあいつらも四天王の瞳の中のセ…

    ストップ:(くい気味に)次は誰が動く?

    ダブル:ウザ… との噂です。
    てなわけで鍋に餃子いれますね(笑)



    …………


    下校途中…

    ジークとの戦いの傷でレイ(小畑)が学校を休んだ為、ひとりで帰路を歩むアズナ(野島)

    そこに現れる四天王のひとり…


    ウザ(木本)


    ウザ:探したよ!あんただね… ニュータイプの一人… アズナってのは。
    場所を移そうか。


    …………

    吹奏楽部部室

    副部長 チュリ(高柳)

    そして、生徒会書記のチア(梅本)の姿


    チュリ:生徒会が急に何の用だい??

    チア:ウザが… 止めに動いたみたいで…

    既に耳にしているはと思います。


    “ジンロウ” の名前を。



    ……………


    一方、ウザとアズナは…

    港に近い中華料理屋にいた


    ウザ:さぁ、食いな!!ここの餃子は最高にウマイから!
    腹が減っては喧嘩は出来ぬ!

    ……なんてね(笑)


    アズナ:はぁ…(理解が出来ていないアズナ)


    ウザ:あんたさ… 真ん中を目指してるんだって?

    アズナ:…………


    ウザ:いいよ、正直に言ってくれて。

    アズナ:……目指してます。


    ウザ:何の為に?

    アズナ:それは…仲間との約束の為。

    ウザ:なるほどね… 私と一緒じゃないか(笑)


    ……………


    部室…

    チア:私たちの中学の同級生に…
    神のように万能で、頭の回転も速い。そして女神のように包み込む優しさ…
    それとは裏腹に、仲間のために戦うの時の強さはまるで狼の様な…。

    そんな奴がいました。

    周りは、その二面性から彼女をこう呼んだ…


    神と狼、そう書いて… 神狼(ジンロウ)と。

    ただ、ある出来事を切っ掛けに彼女は戦うことを止めた。


    そして、高校入学とともに戦うことを全てウザに託し、狼の部分を自ら封印した。

    そして… 彼女はこう呼ばれるようになった。



    “メガミ”



    と。


    …………


    中華料理屋…

    ウザ:私にも仲間がいる。中学時代からの仲間… チア、メガミ…

    そして、もうひとり…

    “くるみ” という仲間がいた。

    やたらパンが好きな奴でね。

    中でもメガミとくるみの二人が、とりわけ仲が良かった…


    …………


    部室…

    チア:「4人ででら女に入学し、この地をてっぺんにする!」

    一面花に囲まれた丘に立って、四人でそう誓い合った。

    「何なんだろうね??この花…」

    「さぁ?」


    なんて四人で笑いあいながら。


    ……………

    ウザ:それから時が流れ… 突然

    「でら女に行けなくなった」と

    くるみが言い出した。

    東京の学校に行くことにした… と。


    「あの日見た花の名前が、東京に行けば分かるらしくて…」

    とか、よく分からない理由で突然別れを告げられたんだ。


    ………

    チア:そこからジンロウの気持ちが変わった。いつしか戦うのを止め、

    「自分は戦うことより… 違った方法でこの地をてっぺんにする」

    そう言って、戦うこと全てをウザにたくした。

    ウザの中には、あの日の約束が今でも続いているんです。同じ時を過ごした仲間との約束。
    今でもメガミと交わしたその言葉を信じている。だから負けない。

    うちらの代表なんだ、ウザは…

    四天王にいて、真ん中を狙い続けてくれている。


    …………

    ウザ:だから私も負けられない。
    例え勢いのある若手が現れても、全身全霊で壁になる。

    そして、この地をてっぺんにした時、その景色を真ん中から仲間と眺めてやる!


    これが… 私のマジだよ!

    分かったら、とりあえず食べな!あんたは細すぎる。
    そんなんじゃ、これから先この地でやっていけないよ!


    …………

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.


    …………


    港の側にある倉庫


    ウザ:さぁ始めようか。ここなら人目もつきにくい。
    日も暮れたし、通報されると面倒だからね。

    ただ、その前に…

    メガミ… いるんだろ? そこに。

    いや、今は… ジンロウ… って呼ぼうか? あの頃の様に。


    ……幾重にも重ねられた
    積み荷の陰から現れるメガミ


    メガミ:懐かしい呼び名だね。
    まだ仲間だって思ってくれてるだなんて… 光栄だよ(笑)

    ウザ:入学してから 道は違うが、生徒会にジンロウの頭脳があれば、それがでら女のてっぺんに繋がる。そう私は信じていた。

    メガミ:多くの奴から人徳を得る。その方が何かと行動しやすいからね… その為だけだよ(笑)


    ウザ:………いいよ別に何でも。
    ただ… まさかここでまた四天王の一人が倒れる… そう思ってる?

    メガミ:……どうかね? 何なら手を貸そうか?

    ウザ:いらないよ。見せてやる!
    越えてきた壁の違いを!


    ウザvsアズナ…


    ウザ:始めから本気(マジ)で来いよ。
    じゃないと… 一瞬で終わっちゃうからね。


    アズナ:じゃあ、お言葉に甘え、始めからテンションMAX!!で、いきます。


    ………走る赤い閃光
    ……空気が揺れる

    ……アズナの攻撃をぎりぎりの所で避け続けるウザ


    ウザ:なるほど… 確かに速い。

    でも… 数が増えたわけじゃない。


    ……アズナの拳をかわし、腕を掴む
    …そして、腹に拳を撃ち込んでから投げ倒すウザ


    ウザ:あんたは1つの武器に頼りすぎ。
    飛び抜けた武器に頼って他を怠ってないかい?
    それにその戦い方は無駄に体力を使ってしまう。


    アズナ:…………(起き上がるも苦しそうに膝まづく)


    ウザ:目を凝らして捕まえちゃえば、その速さも無いに等しい!
    まだまだ経験が足りないよ。


    アズナ:積み重ねた月日や経験の違いが、真ん中に立つ為の決定的な差ではないことを私が証明してやる!


    ……アズナの限界を越えた速さに
    倉庫全体が揺れ始める


    …しかし、一切攻撃が通じないアズナ

    …とどめの一撃でアズナを殴り飛ばすウザ


    ウザ:どうする?ジンロウ…
    次はあんたが相手になるかい?

    アズナ:まだだ!(そう言って立ち上がる)
    がむしゃらさが私の武器。まだ終われない。

    ……更なる加速を試みるアズナ

    …揺れ続けた倉庫

    その時、限界を向かえた大量の積み荷が
    メガミの背後、上から降りかかろうと…


    ウザ:あぶない!!!


    …………静まる空気



    メガミを助けたウザの上に
    大量の積み荷がのし掛かる…


    傷だらけのウザ…


    メガミ:お前…

    ウザ:痛みを分け合うのも仲間だ。

    メガミ:わたしは… わたしは、もう仲間なんていらない!
    大勢で集まるから真ん中が生まれるんだ!
    一人なら… 常に自分が真ん中だ!

    それでいいんだ!ひとりで…


    ウザ:あの時の悲しみ… 私たちよりも大きな悲しみを…
    気付けてあげられなくてゴメンな。

    そして、苦しみを救ってあげられなくて… ゴメン。

    わたしももう嫌だ… これ以上仲間を失うのは…

    負けないよ!

    私のマジは… 仲間とてっぺんに立つことだ!



    メガミ:…………


    ウザ:さぁ続けよう…


    アズナ:大丈夫なんですか? そんな傷で…

    ウザ:いいハンデだ。それに四天王を倒すチャンスだよ(笑)

    アズナ:チャンス… チャンスは最大限に活かす。それが私の主義…



    ……最後の攻防


    交わる拳…


    そして…



    倒れる… アズナ


    ウザ:さすがに… 疲れたね…
    あの速さを避け続けるのは。

    ……アズナに与えられた傷は少ないものの、脚の疲労は既に限界に近づいていたウザ

    傷も背負い、
    立っているのがやっとであった…


    メガミ:既に始まった変革への歯車は止められないよ。

    ウザ:大丈夫。変化は常に成長に向かう…

    それが… でら女だ!


    ウザvsアズナ… 不慮の事故によりウザ辛勝も、脚の疲労によりウザ一時戦線離脱


    ……………


    翌日…

    吹奏楽部部室…
    チュリとダンガン…


    ダンガン:まさかウザまで…


    …その時、部室に入ってくるTO


    TO:スマイルさんの謹慎がやっと…

    解けるみたいです。





    つづく
    



    #さーて
    #次回の
    #マジすか学園 は?
    #ダブルです
    #日高優月
    #だよ
    #いよいよ四天王
    #スマイル登場
    #スマイル
    #誰が演じるのか
    #楽しみですね
    #チーム赤からの
    #活躍も
    #こうご期待

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    第8話:目が痛いくらい晴れた笑み


    …………


    ウザ(木本)とアズナ(野島)の戦いから数日が過ぎたある日…


    夕暮れ時…
    帰宅途中、コンビニに寄り道した でら女2年 慈巴[ジッパー]のひとり

    慈子の姿…

    慈子:アイスおいしぃ~♪



    「あんただね… 慈巴の… 慈子ってのは…」


    慈子:えっ…!?


    …………


    下校途中、激戦故に少しまだ戦いの傷が残るアズナとレイ(小畑)…


    その前に現れた人物…


    「あんたたちかい?…

    新入生のニュータイプって奴は?」


    レイ:傷だらけ??

    アズナ:うちの制服?に… 緑のスカジャン…?


    「そうか… 忘れられているのか… この緑のスカジャンも…」


    緑のスカジャンを羽織る

    トランペッタ四天王の一人


    スマイル(古畑:3年)


    スマイル:まぁいいよ…
    どうせ忘れられなくなるから(笑)


    …………


    翌日…

    とある3年教室にて
    チーム赤から…

    あかり(須田):ジーク(東)に続き、ウザも相当なダメージみたいだな。

    ツナ(松村):そうなると四天王も半分ヤられたってことか…

    ダブル(日高):ただ、どうやらスマイルさんがやっと復学したみたいです。

    ストップ(矢方):新学期早々… 通学路で「真ん中を狙う」と大口たたいた新入生たちを大量に病院送りにして謹慎をくらった、あのイカれた激ヤバの野郎が戻ってくるのか…


    あかり:ニュータイプとは初対面になるのか?

    ダブル:そうなんですが、昨夜慈巴の慈子、そしてニュータイプのふたりアズナとレイが既にやられたみたいです。


    ツナ:四天王との戦いの傷が残っているにしろ、あのふたり相手で同時に倒せるなんて…

    あかり:ニュータイプ 残り一人のララ(楽々)も既にスマイルのひと…

    ソーダ(惣田):(くい気味に)あのぉ……


    …その突然の声に
    驚くチーム赤からメンバーたち


    ストップ:おっ、どうした!!?

    ソーダ:薄々感じていたのですが…
    私、ここは場違いな気がして…


    ツナ:どうして!??

    ソーダ:わたし… 確かに赤もありますが…
    どちらかと言えば “水色”だと思うです。

    私のカラー…


    赤から一同:え~っ!?


    あかり:今更かよ!!


    …………


    吹奏楽部部室

    チュリ(高柳)とスマイル、そしてダンガン(斉藤)の3人…


    ダンガン:スマイル! 再登校早々何だよ、その傷は?

    スマイル:真ん中を狙う子達の壁に… 成ってきた(笑)


    チュリ:………

    スマイル:……次は ……誰かなぁ? この位置を狙うのは(笑)


    チュリ:ダンガン、スマイル…
    うちらには珠理奈さんへの道の険しさを教える義務もある。
    それもこれもでら女の為。それだけは忘れるなよ!


    ……不気味に笑うスマイル


    …………



    夕暮れ時の通学路…

    対峙するふたり…


    スマイル:み~つけた(笑)
    あんたがララかい?


    ララ:私も探したよ!!あんたのことを。


    スマイル:えっ? まさか… 怒ってる??
    仲間がヤられて怒ってるんだ…

    笑いなよ(笑)


    ララ:仲間をヤられて 笑える訳がない!

    スマイル:人よりも前に立ち、人目につく者にとって…
    笑顔が… 唯一にして 最大の武器なんだよ!!



    …いきなりの開戦

    スマイルvsララ…


    スマイル優勢…
    それでも何とか抵抗するララ…


    スマイル:ほら!どうした!?
    あんたマジは、その程度なのかい??

    ララ:黙れ!!

    スマイル:怒りに任せた拳で、何が救える??

    ほらぁ!!そんなんじゃ、珠理奈さんの所まで近付けないよ!


    ……防戦一方のララ


    ララ:珠理奈さんの周りを囲み…
    先へ進むことから逃げた…
    そんな奴らに 私は絶対に負けない!


    スマイル:言うね! 口だけは立派だ(笑)


    ララ:誰かが言わなきゃいけないんだ…

    たとえ届かなくても…
    たとえ笑われても…


    「真ん中のその席… あけてもらおうか!」

    の一言を!

    じゃないと、

    何も変えられないんだよ!


    ……ララ渾身の一撃を放つ


    …しかし、それを受けても倒れないスマイル

    …限界が近づき苦しそうなララに、スマイルが笑いながら話しかける


    スマイル:あんた… 少し勘違いしてる。

    トランペッタ四天王は、珠理奈さんを守る為、ただその周りに座っているだけの存在じゃない。

    認められた4人なんだ。

    誰よりも近くで、その席を狙うことをね!


    ララ:………(固まるララ)


    スマイル:私もかつて友と約束をした。

    「絶対に真ん中になる!」

    って…

    だから… 私は…

    どんな奴にも、
    その席を譲る気はない!

    その席を狙う奴は…
    どんな時、どんな奴でも相手になる!

    どんな奴らも後を追わせない…
    前に立つどんな奴らも倒して先に進む!

    何度倒れても、絶対に諦めない…


    七回苦しんだら、八回笑えばいい。それが私のマジ…


    七転び八起き!
    どんな時でもめげずに…
    笑顔なんだよ!!


    苦しいなら、さぁ笑いな!


    …スマイルの一撃に

    倒れるララ…


    スマイル:力は認めるが、あんたもまだまだこれからだね。


    すると突然、聞こえる声…

    「新入り!何寝てんだ!?」


    そこにあったのは 綾巴の姿


    ララ:(意識を朦朧とさせながら目を開く) 綾巴… さん…

    綾巴:探したよ… 私も友をやられたんでね。

    スマイル:怒ってるの? 笑いなよ…

    綾巴:そうだね… 慈子も言っていた…「元気だしな!」って。

    「私一人じゃ夢は叶えられない。でも私たちなら…って分かってたのに。
    ゴメンね、一人で戦おうとして… そして負けちゃって」と。

    このまま下を向いたままでは終われない。

    ララ… 手を貸しな!

    この人の言う通りだ。悲しい時は悲しめば良い。
    でも、それで歩みを止められちゃいけない!

    支えてくれる人の為に、どんな形でも 笑顔 で終わらす。

    ふたりでやるよ!


    …そう言われると力を振り絞り立ち上がるララ

    そして、精一杯の笑顔を見せる綾巴とララの二人
    スマイルに向かって言い放つ…


    綾巴:さぁ、覚悟はいいか?
    私は出来ている!


    スマイル:いい笑顔だね… それなら私もとびっきりの笑顔で返さないとね!!!



    綾巴&ララvsスマイル…


    ふたりがかりで
    やっと互角以上に渡り合う…

    いくつもの攻防の末…

    そして… ついに… 決着


    スマイルを撃破…


    スマイル:さすがに期待の若手ふたり相手じゃ… うまく笑えないね(笑)
    でも、今度会う時は必ず私が笑うから。



    二人とも疲労困憊ながらも…


    綾巴&ララvsスマイル…

    綾巴&ララ 辛うじて勝利



    ……………

    翌日…


    ダンガン:スマイルもやられたみたいやな…

    チュリ:……学園に吹く この新しい風。
    私たちの手でもう一度、風向きを変えてやろう。



    …………



    そして…

    出羅馬路女学園高等部に


    新たな


    5つの影が…


    忍び寄る…




    つづく…



    #さーて
    #次回の
    #マジすか学園 は?
    #ダブル(日高)です!
    #スマイル
    #古畑奈和 さんでした!
    #予想 どおり
    #でしたか
    #いよいよ 四天王も
    #残りひとり
    #そして
    #チュリ さんは
    #そして
    #珠理奈 さんは
    #どう迎え撃つのか
    #突然現れた
    #5つの影とは
    #手羽先
    #きしめん
    #ひつまぶし
    #味噌煮込みうどん
    #あと~?
    #優月!の5つ
    #では無いことは確か
    #次回も
    #こうご期待!

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    第9話:僕らの絆


    …………

    トランペッタ四天王 スマイルと
    ララ、綾巴の戦いの翌日…


    出羅馬路女学園高等部

    校庭にて対峙する
    ダンガン(斉藤)と綾巴…


    ダンガン:久しぶりだね…

    綾巴:お久しぶりです。


    ダンガン:あんたは、ここの真ん中へ進む価値がある。
    ただ、大きな壁があることを教える義務が私にはあるからな。
    2週間… 今はまだスマイルとの傷も残ってるやろうから、2週間待つ。

    中央棟北… 校舎裏で待ってんで!



    …………


    2週間後…


    とある3年教室…
    チーム赤からの輪に加わるTO(福士)…

    TO:いよいよ戦況も佳境ですが… 何でチーム赤からメンバーは戦わないんすか?

    ツナ(松村):喧嘩だけが全てじゃないからかな。違った方法でも前には進めるし。

    ダブル(日高):そもそもうちのリーダーが目指すのは、学園の真ん中じゃないんだよ!

    あかり(須田):そう… ひと…

    ダブル:でも…

    あかり:しゃべらせろ!!!!

    ストップ(矢方):あかりは話が長いから却下…

    …ヘコむあかり

    あかり:あんまり喋ってないし…


    ダブル:でも、珠理奈さんへの道は、ついにダンガンさんとチュリさんを残すのみになってしまいましたね。

    ツナ:ダブル、お前は… ダンガンのことどう思う?


    ダブル:ダンガンさんは… 喧嘩のセンスはピカイチで、めっぽう強いですが…
    笑いのセンスは学園最弱レベル。特にギャグがどうしようもないくらいに面白くない。

    ストップ:お前が言うか(笑) しかも先輩に対して堂々とおもろくないとか…

    ソーダ(惣田):それかもしれないですね。ダンガンさんの本当の強さは。

    ツナ:そうかもな。
    ダンガンが得ている学園内での信頼度は異常だ! それだけなら珠理奈さんを凌ぐかもしれない。

    あかり:ずっとこの学園を守り続けてきた人物だからね。


    TO:しかも、一度犯した過ちを今でも背負って戦ってますからね。

    ダブル:そうなんですか?


    ツナ:そう。

    後輩の面倒見もよく、その中でもいち早く綾巴の才能を見抜いたダンガンは、
    入学して間もない綾巴の力を誰よりも強く認めた。綾巴をトランペッタに推すくらいにね。
    その噂は校内外を含め様々な方面へ広がっていった。


    TO:若くして認められ才能は、珠理奈さんの不在が多いでら女で、
    誰よりも真ん中に近い存在とも言われ始めた。しかし… それが裏目に出たんです。
    タイミングが悪すぎたのかもしれない。


    ツナ:そう、自分を慕う慈子と二人きりの時、他校の生徒に狙われた…
    当時の慈子の強さは学園でも下のレベルだった。
    守りながらの戦いは… 思いとはうらはらに… 綾巴の大きな壁となり、敗北に繋がった。


    TO:綾巴がヤられたことで、一部では…

    「ダンガンさんが仲間を売った」

    と噂され、ダンガンさんは自ら一度四天王の座を退いた。


    あかり:綾巴もまた学園の恥さらしと言われてたね…


    TO:ただ… それでもダンガンさんは後輩への期待を持ち続け、
    それに比例するかのように再び得ていった後輩からの信頼が、
    ダンガンさんを四天王の座へ再び押し上げた。


    ツナ:しかし、ダンガンは後悔している…
    綾巴に、越えられないほど大きな壁を与えしまったこと じゃない。
    むしろ、逆境に立ち向かうことの必要性をダンガンは知っている…

    後悔しているのは、それを他校の生徒に救わせてしまったこと。
    どんな時でも仲間を助けられるというのが… ダンガンの “マジ” だからね!

    あかり:ダンガンにとって綾巴は、拭えない自身の罪の象徴なんだよ…


    ダブル:なんか……… 柄にもなく真面目な話してますね(笑)
    何だか嵐の予感! 思いもしないことが起きそうですね!


    あかり:確かにそうかもな(笑)



    …………

    中央棟北校舎裏
    綾巴を待つダンガン…

    そして…


    ダンガン:遅い!! 何やねん?
    どんだけ待たせんねん!!先輩を待たせるとか… 大阪の正月か!!

    綾巴:(困り気味の顔で)ちょっと意味わかんないですけど…

    ダンガン:まぁええわ… そんなことより…
    うちらが、ここでやる意味わかっとる!?

    単に学園内の世代争いちゃう… これは真ん中への挑戦権やから!

    勝ったもんが… 珠理奈さんに挑めんねん! どっちがそれに相応しいか。

    綾巴:私は…… 誰が相手でも退かない。
    それが私の覚悟… 私のマジです!


    ダンガン:慈子も含め、あんなにポンコツだったあんたたちが、よくここまで来たね。
    さすが私が見込んだだけはあるわ(笑)

    ここ笑いどこな。


    綾巴:ごめんなさい……面白くないです。

    ダンガン:誉め言葉や(笑) バナナ食うか?

    綾巴:いらないです。


    ………

    時を同じくして中央棟南側中庭
    校舎内へ向かおうとするララの姿…


    「そろそろ来ると思ったよ、ララ」

    トランペッタ副部長

    チュリ…


    ララ:……はじめまして。ですかね?


    対峙するチュリとララ…


    ……………

    中央棟北
    校舎裏

    ダンガン:さぁ、ここから先はもう真ん中や…
    もう一度聞くよ… やる意味わかっとる?

    真ん中への挑戦権… 譲るつもりはないからね!


    綾巴:私も退かない!!覚悟は出来ている。


    ダンガンvs綾巴


    …………


    決着まで、
    そう時間はかからなかった…


    ダンガン:あの時、救えなかったこと… 凄く悔やんだよ。

    ただ、後悔したことを後悔していない。
    今でもこの学園にいる誰よりも仲間を助けられるいう自信があるからね。

    私があんたにしてしまったこと…
    犯してしまった罪は、どんなことをしても決して消えない。
    これから一生背負っていくものだ。

    償いは… これからも 自分を慕ってくれる奴
    思い、心配し、支えてくれる奴らの 力になること だ。

    ひとつの後悔が私をより強くさせてくれた。

    あの時はゴメンな… そしてありがとう。感謝してるよ、綾巴。

    これからは、わたしがあんたの大きな壁になってやるよ。


    ダンガンvs綾巴…

    ダンガン勝利


    ……………


    時は数分遡り…
    中央棟南側校庭

    対峙するチュリとララ…


    チュリ:珠理奈さんとあんたの過去は知らない…
    ただ、この学園に来てからは 誰よりも珠理奈さんの隣に居たと自信がある。

    そして、誰よりも隣で共に天下を目指してきた。

    それが、私の誇りだ!

    卒業式まで…
    ここの景色は変えさせない!

    ララ… ここから先は… まだ行かせない!


    …………

    中央棟
    吹奏楽部部室から
    戦いを見つめる視線

    珠理奈の姿…


    そして… 部屋へ歩み寄る

    5つの影…




    つづく…





    #さーて次回の
    #マジすか学園 は?
    #ダブル です!
    #日高優月
    #です
    #綾巴
    #も格好いいけど
    #斉藤真木子 さん
    #格好よすぎる
    #そして
    #いよいよ
    #クライマックス
    #珠理奈 さんに
    #隠された秘密が
    #あきらかに
    #珠理奈さんと
    #楽々 との関係は?
    #5つの影とは
    #次回
    #いよいよ
    #最終回
    #それぞれが
    #背負う
    #尾張の
    #マジ
    #お.み.の.が.し.なく!

  • やすだ淳甥@M.C.
    やすだ淳甥@M.C.

    マジすか学園0.7~尾張新風篇~
    最終話:マジの意味を僕は知っている


    ………


    出羅馬路女学園高等部
    通称「でら女」

    中央棟南…
    中庭にて…

    対峙するチュリとララ


    ララ:中等部1年の私は… 珠理奈さんの卒業で、でら女中等部がナメられるのが我慢できなかった。

    だから、ただひたすら強く…
    身に降る火の粉を払い続けた。怒りのままに、その全てを。

    そんな狂気の闇の中にいる私は…
    ある先輩に救われた。

    救ってくれた人のために
    私は戦っている…

    その人と約束したんだ!
    珠理奈さんの横に立つことが相応しい、そんな人になり…
    いつか自身の手で、この地が天下を取ることへ導く!

    そこまでは… 前のめりに進み続けるこの足を 決して止めない!


    チュリ:ララ… あんたのマジに応え、珠理奈さんへの道の険しさを叩き込んでやるよ!

    さぁ、最後の祭だ!派手にいくよ!


    ………

    珠理奈の横に立つ者の

    最終決戦が始まる…


    チュリvsララ…


    …………


    生徒会室…

    えご:真那さんは、どうしてでら女に入ったですか? こんな野蛮な高校に…

    真那:えごちゃんだってそうじゃん(笑)
    でも、私はね… 珠理奈と一緒。でら女中等部出身なの。

    チア(梅本):えっ!?ここの中等部出身って!?初耳です。

    えご:まさか真那さんも実は喧嘩上等なんですか!!?

    真那:まさか(笑) 私は、みんなみんなに幸せパウダーがモットーだよ。

    ただね… 珠理奈と一緒の道を進み、この地が天下を取る瞬間が見たいんだ。
    その途中、珠理奈がまた道を踏み外さないか、同じ道の上で見守り続ける。

    それが… 私の マジ かもね(笑)


    えご:珠理奈さんが踏み外すんですか?

    真那:そう。珠理奈はね… 救われたの。中等部の時代に。
    その時いた、ある クラスメイト によって。

    ……


    真那:中等部の時から既にでら女の真ん中に居た珠理奈は、その強さ故にプライドの塊だった。
    身に降る火の粉は勿論、近づくモノ、目につく気に入らないモノすべてをなぎ倒す。

    存在が、狂気そのものだった。

    それが当時の珠理奈の誇りでもあり、マジ だったんだよ。


    えご:今では想像出来ませんね。

    真那:でも… いつからか隣りにいて一緒に戦っていたそのクラスメイトが、珠理奈を救ってくれたの。

    ……

    「珠理奈… そんなに怒っちゃダメ」

    ………

    真那:彼女は、白い花のように純粋で…
    その純粋さが、珠理奈から狂気… 闇の部分を全て取りさってくれた。

    ……

    「珠理奈… また怒ってるの?」

    ………

    真那:ふたりが一緒にいることで、少しずつ珠理奈の狂気が和らぎ、
    中等部の卒業を向かえる頃には、完全にその狂気は消え去えていた。

    でもね… その白く純粋な花の色が少しずつ変わってきていたの…

    ……

    「珠理 奈……… また… 怒って… る?」

    ………

    真那:自分でもその変化に気付いていた彼女は、高等部には進まず、
    このでら女を珠理奈に託して、自分は去ることを決めた。

    珠理奈から受け取った闇に覆われ、自分が自分でなくなる前にね。


    えご:そんなことがあったんですね。

    ……

    真那:高等部に進んだ珠理奈は変わったの。

    勿論でら女の真ん中である誇りの為、戦うことは止めなかったよ。

    ただ… そこから完全に狂気は消えたの。

    真ん中に立つものとして…

    常に後輩や仲間の成長を、ただただ喜ぶかのように…
    その拳で会話するかのように…
    楽しそうに喧嘩をするようになったの。

    きっと… 今の珠理奈は幸せだと思う。

    慕われ、頼られ、そして… 挑んできてくれる
    仲間の存在、後輩たちの出現がね。

    ……

    「ねぇ、珠理奈… 怒ってる?

    珠理奈の闇… 私が全部… 貰ってあげるから…」


    …………


    吹奏楽部部室…


    珠理奈:空を飛ぶ鳥も、空間を切り裂く弾丸も…
    強い風に乗れば乗るほど、遠くまで行ける…

    新しい風が、またこの地をてっぺんに近づけるね(笑)


    ……突然部室のドアをノックする音

    そして開かれる扉…

    見慣れぬ姿…


    でら女中等部の制服に
    橙、赤、緑のスカジャンを羽織った

    5人…


    「はじめまして… あなたが珠理奈さん… ですよね?」

    そう口にしたのは…


    愛理(水野:でら女中等部3年)

    そして…

    茉椰(菅原):はじめまして、菅原です!
    菅原は… 菅原は、まーやんって呼んでくれたら幸せです。

    亜柚香(上村):あゆかでーす!!

    嶺奈(一色):えっと、一色… 嶺奈です。

    琴望(白井):みーんなのアイドル、こっちゃんこと白井琴望です(笑)


    愛理:愛理…

    愛知の里の王って書いて… 愛理
    水野愛理です(笑)



    背中にダイヤ◇の印が刺繍された
    スカジャンを羽織る

    でら女中等部3年…

    約2週間前でら女中等部に転校し、
    そこから中等部の真ん中になった5人組


    珠理奈:中等部の子たちが何の用?

    愛理:一度見ておきたくて
    今のここの真ん中、珠理奈さんを。

    亜柚香:来年まで待つと会えないじゃないですか。

    茉椰:菅原は… 菅原は、というかこの5人は真の真ん中を目指してるんです 。

    珠理奈:なるほど… それで高等部を真ん中も狙いにきたってこと?


    嶺奈:ち、違います!!!違いますよ…

    琴望:ただの挨拶です(笑)


    珠理奈:いいよ!来るもの拒ますだから(笑)
    私が真ん中の席を譲ることで、この地がてっぺんになるんなら、喜んでそうする。
    ただ、わたしにもここに賭けるマジがある。

    それに、与えられるモノより勝ち取るモノの方が強いだろ!
    簡単に獲らせるつもりもないけどね(笑)


    愛理:珠理奈さん、勘違いしないで下さい。
    勿論真ん中には興味があります。


    珠理奈:そうこなくっちゃ(笑)


    愛理:でも… 珠理奈さん…
    私たちは、珠理奈さんがいる
    “その席”には興味がないんです(笑)


    珠理奈:…………?


    愛理:私たちは… 自分たちが立つ場所を
    でら女の“真ん中”に変えるつもりなので。

    琴望:エースのしるし… てのは、奪い取るモノでも与えられるモノでもないです。

    愛理:認められるモノ。
    ですよね?

    茉椰:菅原も… 菅原も、そう思います。

    亜柚香:そういうことですので(笑)

    嶺奈:ででん!そういうことです!
    ヒューヒュー!

    愛理:じゃあ、またいつの日か… 近いうちに…


    ……立ち去ろうとする5人


    珠理奈:待て!(愛理を指して…)
    あんたが… そこのリーダーかい!?

    愛理:違いますよ(笑)
    一人で、強くありたいとも思わない。

    手をつなぎながら共に進む仲間がいて…
    5人が集まって初めて、この地で1番だと… エースだと示せるので!

    ………

    再び立ち去ろうとする5人…

    刺繍された◇ダイヤの中に
    それぞれアルファベットの文字

    珠理奈:AR、A… KM…?
    名前の頭文字?

    なるほどね(笑)
    偶然言う名の運命かもな。


    …廊下に出る珠理奈


    珠理奈:ちょっと待ちな!
    門まで見送るよ… エースのしるしを背負う
    未来のエースたちをね(笑)


    「あ… ありがとう… ございます」

    驚きながらそう口々に言う5人…



    …………

    校門…

    5人を見送る珠理奈…

    珠理奈:まだまだ楽しめそうだね、この学園も。


    そこに現れるまた別の中等部の生徒


    「あのぉ~珠理奈さん…ですか?」


    そう口にしたのは…

    なるぴー(片岡:でら女中等部3年)


    ゆうかたん(浅井):やっぱりそうだね!!

    ほのの(相川):わたしたち… 3人で三色団子っていいます。


    なるぴー:わたしたち中等部3年で… 来年は高等部に進みたいんですが…


    ほのの:その時はもう珠理奈さんは高等部を卒業されてますし…

    ゆうかたん:中等部の学生でも、今のでら女の役に立ちたいんです!! 無理ですか?


    珠理奈:(微笑みながら答える) 大丈夫だよ。

    私もね… 中等部時代から夢は変わらない。
    この地をてっぺんにし、いつか天下を取ること!

    中等部の時にいた大切な仲間と
    別れの前にそう約束したんだ。

    だから、どんな仲間にも力を貸してほしい。例え中等部の生徒でも…
    ひとりひとりが、この地の宝だからね。
    ひたすら汗を流し続ければ、それが必ず私たちの力になるよ!


    ゆうかたん:その… 約束を交わした人は?
    もうでら女にはいないんですか?

    珠理奈:あぁ、もういない。


    ほのの:どこへ行っちゃったんですか!?


    珠理奈:わからない。ひょっとしたらもう私のことも覚えていないかもね…

    でも 心配はしてない。また新しい仲間を見つけ、戦ってると思うよ(笑)

    あっ、でも無意味な喧嘩はダメだから!
    勝っても負けてもむなしくなるからね。


    なるぴー:その人は、どんな人だったんですか?

    珠理奈:う~ん……どんな人か…

    まわりは “月” のようって言っていたけど…
    私にとっては太陽のような人かな。

    優しくて全てを暖かく包み込む。

    でも、優し過ぎたのかもね…

    私が抱えていた闇、狂気を、自身のその優しさと引き換えにすべて受け取ってくれた…

    ……

    「ねぇ、珠理奈… 怒ってる?」



    珠理奈:最後、彼女は…
    その優しさが完全に枯れる前にこのでら女から旅立った…


    ゆうかたん:そうなんですね。


    珠理奈:う~ん、そうだな…

    あっ、あと…


    やたら辛いものが好きだった!


    だから、まわりは…
    彼女のことをこう呼んだ








    “ゲキカラ”







    ってね。








    …………


    新しい風に乗り

    いつかこの地が
    天下を取る

    その日まで

    ただひたすら
    前のめりに…
    走り続ける!


    汗の量こそ


    この地の…


    “ マジ ”


    だから。




    ……おしまい(?)