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個人的に「香具師が『蛇は飛ぶよ』と客の注意を引く」という部分が興味深かった。
この世にあるべからざるものを「あるよ」と言われて、振り返らない者などいない。
けれど、肝心なのはその後だ。実際に飛ぶ蛇は出せなくても、凄腕の香具師はそこから別の「この世にあるべからざる」ものを客に提示しながら、品物を売り捌く。
その「この世あらざるもの」は立て板に水、客の耳を捉えて離さないリズミカルで勢いのあるトークか、マジックの様な商品の実演か。
いずれにしても別の「この世あらざるもの」の用意が必要だ。
AKBにおける「会いに行けるアイドル」「村内ではなく一般にヒットする曲」「総選挙」などは多段的に用意された「この世あらざるもの」だった訳だが、ピークアウトした現在でもドミノを倒し新たな熱狂を生む「この世あらざるもの」は果たして用意されているのか。
涅槃で、もとい、刮目して待つ。
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