ログイン
詳細
橋場日月
投稿画像

国立公文書館の特集記事が組まれているというので買って来た『東京人』。 家で開いてビックリ、巻頭のエッセイを乃木坂の山崎怜奈さんが書いているではないか。 読んでまたビックリ、この文章はきっと練りに練り倒したものに違いない。 初めの「戻りたい夜」と終わりの「たくさんの夜を越えたい」で自分の過去と未来の間にある無限の矛盾と葛藤を提示し、それを乗り越えるための言葉めぐり、声の採集の旅に日々臨むのだ、と密やかな「闘争宣言」をしてのけている。 山崎さんの筆力については『歴史のじかん』でも驚かされたが、このエッセイはさらにパンキッシュ。これをサラサラサラ、とあっという間に書き上げたのなら、それはもう「アマデウス」だ。 だから、練りに練ったものであって欲しい。 難吟苦吟、七転八倒で生み出されたものでないと、僕は違うジャンルとはいうもののもう文章など恥ずかしくて書けない。

前へ次へ
橋場日月のトーク
トーク情報